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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

想像しがたい極彩色の柱頭

カタルーニャ・ロマネスクめぐり、その30

サン・クガット・デ・ヴァリェスSan Cugat de Vallesのサンタ・マリア修道院Monaestir de Santa Maria続きです。




回廊の柱頭。
聖書シリーズ。
受胎告知。多分。




ガブリエル、近っ!鬱陶しいくらいの受胎告知。近すぎだろうって感じ。柱頭という限られたスペースで語ろうと言うには、こうするしかないかもしれないのですが、それにしても、マリアじゃなくても、思わず身体が引けてしまうような近さ。行き場のない翼が上にある?

いきなり旧約にジャンプしますが、イブの誕生、かな。




復活?分かりにくいけど、マリアズ(マリア、複数形)?




説明プレートが付いていても、磨耗とか結構激しく、俄かには判断できないモチーフ連続。はっと思ったのは、ここ。




これも、内容は分からないながら、色がついています。
やっぱりオリジナルは、彩色だったんですかね。ここに残っているのは、赤色。今では、それすら退色して、地味な自然な色合いになっていますけれども、もし彩色だったとすると、おそらく結構派手な色が全体にあったのではないかと想像します。




出エジプト記、っぽい。

結局、現場では、細かいことは分からず、ただ、撮影にいそしむ感じ。
回廊の上部は、博物館になっています。
展示が、結構かっこよかった。




柱頭のテーマやマテリアルなど、いろいろが説明されています。
そして、やっぱり!




彩色されていたようですね。左が、今ある姿。そして右側が、創建当時、こうだったと想像される彩色の柱頭。
そして下が、実際の現在の柱頭。テーマは、アクロバットの人々で、聖書などとは関係なく、当時の柱頭のモチーフとしては、割と見られるものですね。




しかし、これだけの柱頭が、すべて彩色されていたとすると、なんだかもう、想像を絶する、現在とのイメージの違い。フランスの一部、今でも忠実に彩色を模倣する教会を想像すると、ぼんやりとしたイメージは湧くものの、修道士たちの瞑想の場所でもあった回廊の柱頭が、極彩色で、今時だとチベットとか中国の寺院のイメージだったのかも、と想像するのは、容易ではありません。

いつものロマネスクは、以下でどうぞ。
ロマネスクのおと

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  1. 2015/05/11(月) 05:36:47|
  2. カタルーニャ・ロマネスク
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

No title

復活?分かりにくいけど、マリアズ(マリア、複数形)?
マリアズと説明があったのでしょうか? これはイエスが亡くなった後三人(二人というのもある)のマリアが香料をもって墓を訪れるシーンだと思います。その左側が 天使が墓に腰かけている図になっていたはず。マタイ伝、27-61マルコ伝⒗-1など。サン・クガを調べたので確実です。イヴの誕生?でも出てきているのは男性ですよね。神がアダムの腕をとって諌めている図でしょうか?(あまり作例はみたことがありませんが)
彩色されている状態の再現など興味深いです。時代が遡るほど、これは書いてはいけないかもしれませんが、文化が進んでいない所ほど派手派手傾向にあると実感しています。
  1. 2015/05/11(月) 08:16:00 |
  2. URL |
  3. yk #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

> ykさん
返信遅れてごめんなさい。
マリアズ、は、わたしの造語、って言うか、英語を日本語で書いただけで、勿論そんなふざけた説明はありませんでした。
サン・クガ、お調べになっているのですね、さすが。
わたしは、一応柱頭写真を、全部プリント・アウトしたのですが、暗くてよく見えないし、今のところ、あまりちゃんとチェックしてないんです。ごめんなさい。
博物館も、今思えば、もっとゆっくりじっくり鑑賞して来ればよかった、と後悔仕切りなんです。このとき、夜は仕事宴会が予定されていたので、既に気がせいていたし、それに、回廊が立派過ぎて、ずっぽりはまる空気でもなかったんですよね。旅の終りが見えて、既に達成感があったりしてね。
やはり、あまり駆け足はよくないですね。
  1. 2015/05/12(火) 21:49:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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