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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

ヘタウマ激かわいい素朴系フィギュア満載

カタルーニャ・ロマネスクめぐり、その31

久しぶりのバルセロナ、旧市街。




これまで、イタリアのどの町よりも多く訪ねているかもしれないくらい、本当に何度訪ねたか分からないくらい、来ている町です。でも、実はこの寺院を訪ねるのは、初めて。




サント・パウ・デル・カンプ修道院Monastir de Sant Pau del Camp。
ランブラ通りの途中から西側に向かって、細い道を、結構奥に入り込むし、途中からアラブ人とか外国人比率が高まるし、ちょっとドキドキ。
20年くらい前だったら、きっと足を踏み入れたらいけない、と言われるような場所かもしれません。ランブラすら、危ないのなんのと言われていたんですよね、昔は。今では、治安もずいぶんとよくなりました。
治安がよくなると、町全体がきれいに明るくなります。どっちも相乗効果があるんでしょうけどね。
この辺りも、全体に再開発されたようで、こぎれいな近代的博物館とか図書館が建てられていて、かつてはスークのようではなかったか、とイメージできる小道なのに、怖さが払拭された感じがあります。そして、元修道院の場所は、全体が公園となっていて、開けた明るい雰囲気です。

一応入場料を徴収する博物館となっているし、訪ねた時点で既に19時で、若干薄暗くなりつつある状態だったので、入るなり受付のオバサンに、「帰り道とかどうでしょう、怖くないですかね」みたいなことを聞いたのですが、何言ってんの、という感じで、「まったく問題ない!」と断言されたので、大いに安心しました。

それにしても、こんな素敵なロマネスクがあったんですねぇ。バルセロナに来ると、ついガウディとか現代美術ばっかりに目がくらんじゃって、本当に今更、です。

ファサードから既に釘付けです。




だって、ディテールが、とってもかわいいんです。

正面扉。




タンパン、そして、アーキボルト、その上部の彫り物。すべてがいい感じです。
タンパンは、キリストと、両脇は、サント・パウってんだから、パオロと、ピエトロだったりするんですかね。
アーキボルトの、超浅浮き彫りのクリスモンとか碑文が、朽ちて褪せている感じが、すっごく好きです(判読は難しいのですが、やっぱりピエトロとパオロの名前が書かれているような気がします)。




アーキボルトの一番外側の付け根にある、お干菓子モチーフの浅浮き彫り。そして、多分ルカの牛が~、超かわいい!




福音書家は、他三名も、ちゃんといらっしゃいます。ルカほどかわいくないけどね。





アーキボルトの素朴系彫り物も、すっごくかわいいんです。





ざざむし系、パイナップル状の葡萄房、キリストの図像化のお魚とか、お団子二つ並べは、もしかすると、ふっくら乳房かなぁ。もう、すべてが、たまらない愛らしさです。

ロンバルディア・スタイルで、屋根に沿ったアーチの垂れ下がり部分にも、しっかりと変なフィギュアが彫りこまれています。




アレは、たこではないの?たこ?




いや、蛸ではなさそうですが、それにしてもなんだろう?
もお、とにかくかわいいのには、変わりなし!
本当の目的、回廊は、次回。

いつものロマネスクは、以下でどうぞ。
ロマネスクのおと

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  1. 2015/05/12(火) 05:34:45|
  2. カタルーニャ・ロマネスク
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

No title

i Si,eso es !
私のスペインの原風景ともいえるのがランブラス横のレイアール広場の猥雑であります。31年前のこと、広場に面したタブラオフラメンカとくたびれたオテルに陣取ってバルセロナの喜びを味わっておりました。すでに37歳のおっさんでしたから、バリオゴティコもバリオチーノも平気でくまなく歩き回ってましたとも。
  1. 2015/05/12(火) 01:25:00 |
  2. URL |
  3. otebox #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

> oteboxさん
レイアール広場も、いつの頃からか、ファミレスみたいな、明るくて健全なレストランが入居して、健康的な観光客が行列するようになっちまいましたモンね。安全なのはよいことですけれど、変わっていくもんですよね。
でも、バルセロナは、いつ行っても、大好きな町です。一時、本気で移住しようかと考えたこともありましたが、カタルーニャ語がネックとなって考え直したことがありますが、大好きな町だけに、住まなくてよかったような気もします。
  1. 2015/05/12(火) 21:52:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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