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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

喧騒のランブラのはずれで瞑想。

カタルーニャ・ロマネスクめぐり、その32

サント・パウ・デル・カンプ修道院Monastir de Sant Pau del Camp続きです。
ファサードを堪能した後、今度は後陣外側です。




地味ながら、ロンバルディアの香り満載で、素敵な後陣。ブラインド・アーチに、そして大好きな付け柱。我が家に帰ったような安堵感すら覚えます。




若干、修復が激しすぎるようなきらいが無きにしも非ず、ではありますが、でも、美しいのでオウケイ。許す。
アーチの根元には、素朴な彫り物が見られます。





そして、回廊へ。
今、教会正面の扉は閉ざされていて、脇にある入り口から入るようになっています。そうすると、最初にアクセスするのが、この回廊となるのです。




とっても小さい、本当に愛らしい回廊です。
ほっそりと優美な小円柱間は、なんと普通のアーチではなくて、クローバー型というか、花形というか、まるでアラブの装飾のような意匠が施されているのが、印象的。




全体は、かなり修復されているのですが、柱頭は、相当朽ちています。




動物フィギュアも、なんだか素朴を通り越して、違うものになっている気もします。




磨耗したところを、無理やり形をつけるような彫りなおしをしてしまったような感じもありますね。右側のなんて、川を上ってくる鮭を捕まえようとしている北海道のヒグマ、と言った風情じゃないですか。
左側の、馬らしき姿と鹿らしき姿も、ちょっとねぇ。あ、馬鹿になっちゃうし。

もしかして、アダムとイブ?と思った柱頭。





なぜかというと、単純に、真ん中に蛇らしきものがいるからですけど。これだけ朽ちちゃってると、もう想像力の世界だけ。
これなんか、どうです?




らくだの皮のパンツをはいたヨハネ。わたしの想像。

それにしても、今回のカタルーニャ、最初から最後まで、回廊、キオストロ攻めでした。こんなに短期間に固めて、大から小まで回廊を見たことはなかった気がします。かなり狭い地域を回っているので、ということは、この時期、この辺りには、修道院がひしめいていたと言うこと。修道士が一気に増えた時期とかあるって言うことなんでしょうかね。
それとも、最初は小さなコミュニティーが、どんどん淘汰されて、修道院が大きく立派になって言った、その過渡期のものが、この地域にはたくさん残っているということか。
他で、これほど回廊が密集している地域に出会ったことがないと思うので、興味深いです。確か修道院を特集した本を持っていたと思うので、紐解く必要がありそうです。

この修道院の敷地を出たら、地元の人や観光客であふれかえるバルセロナの町なのに、ここにはほとんど誰一人訪ねてきません。わたし自身、先に書いたように、何度も何度も訪ねていながら、初めてここに来ているわけですから、不思議でもなんでもないんですけれど、なんだか不思議な空間になっています。

最後に、教会へ。




修復がされているといっても、構造の古さがわかる後陣。
こういう素朴な石積みの、ただ石だけが感じられる本堂というのは、ゾクゾクしてしまいます。こういう場所ほど、実際に訪ねたときの感じって、実際行かないと分からないんですよねぇ。装飾にひかれて訪ねる場所とは、全然違う感覚を覚えます。




うっとりしながら、改めて回廊を回って出口に向かう途中、遭遇してしまった柱頭。




サムソンっぽい。全然ハンサムじゃないけど…。そして、ライオンじゃなくて、道産子の馬にしか見えないけど。ひづめだし、やっぱり馬ですかね。とすると、誰かしら。
聖書、もっと勉強しないと~。

というわけで、修行、終了です。
おまけ編が続きます。

いつものロマネスクは、以下でどうぞ。
ロマネスクのおと

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  1. 2015/05/13(水) 05:45:08|
  2. カタルーニャ・ロマネスク
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:3
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コメント

No title

さん・くがも三パう・デル・かんぷも行きたいと 時折写真などながめているところ。お出かけになれるチャンスがあるのがうらやましいです。しっかり 楽しませていただきました。
サン・パウ・デル・カンプについてはこぞって非常に危険地帯と書かれているのですが、最近はBarcelonaも治安がよくなったのでしょうか。
いくら写真を見て こぶりな回廊のひっそりしたところ、とか小さな教会の包まれているような感じなどは入ったものにしか感じられない雰囲気がありますよね。私はツアー頼みなので、今回も次々お目当てが人数不足で秋にならないと海外は無理そう、ひたすら本を眺めたりネットで調べたりで、お気に入りにバルセロナずらり、イギリスロマネスクずらり状態です。
  1. 2015/05/13(水) 13:15:00 |
  2. URL |
  3. yk #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

またもやタイプミスですみません。 削除用パスワードをわすれてしまって。
サン・クガも サン・サン・パウ・デル・カンプ
です。
  1. 2015/05/13(水) 23:28:00 |
  2. URL |
  3. yk #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

> ykさん
タイプミスには、心配なさらないよう、お願いします。わたしも、ブログでもサイトでも、漢字変換間違いとかひどいし、書いているときは気付かないもんです。
バルセロナは、たとえば20年前に比べたら、治安は格段によくなっていますよ。
20年前でも、旧市街は歩いていましたけれど、横道に入るのは、ちょっと躊躇したり、って言うのがありましたが、今は、かなりなところまで大丈夫です。勿論、何ももっていない、が前提ですけれど。
サン・パウ・デル・カンプの場所は、今はもうまったくオウケイなので、バルセロナに行かれるなら、是非訪ねてみてくださいね。
次回の旅はいつなのでしょうか。
わたしは、7月にまた、スペインの予定です。
イギリスもいいですよねぇ。ハンドルが逆の国は、なかなか辛いんですよ。
  1. 2015/05/18(月) 21:45:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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