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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

トレントのポリPoli

トレントのポリPoli
グラッパ合宿、アルト・アディジェ、その1

今回の合宿も、メンバーはいつも同様、ボローニャ在住の友人ご夫婦とわたし、という少数精鋭(?)チーム。ボローニャから北上してくる彼らとの合流地点は、ヴェローナからミラノよりにあるソンマカンパーニャという町の、はずれにある駐車場としました。
合流地点からは、わたしが彼らの車に同乗、つまり、自分の車は、3日間放置しなければならないので、場所の選定は慎重に…。
今は、グーグルのストリートビューで、知らない土地の様子を見ることが出来るので、こういうときは本当に助かります。今回も、まったく土地勘のない場所にもかかわらず、求めている条件にぴったりな駐車場を発見することが出来ました。

この週末、金曜日は曇り時々雨。午後からは悪化し、土曜日は一日大雨、という予報でしたが、晴れ女のわたしは、まったく心配していませんでした。金曜日は、確かに途中雨がぱらつきましたが、結局傘を開くこともなく一日が終わりました。晴れ女、こうなると伊達じゃないです。




さて、向かうのはボルツァーノ方面。ヴェローナから高速に乗りなおして、北上です。
ヴェローナから北に向かう高速は、二車線のこじんまりしたものですが、周囲を緑に囲まれて、とても美しい土地を進むので、大好きな道。今回は運転しないでいいので、思いっきり景色を堪能できて、快適なこと、この上ありません。

まずは、トレントに程近く、友人たちが、既に何度か訪ねたことのある村に向かいました。




トレントから、西に15キロほどの市でしょうか。小さな湖サンタ・マッセンツァのほとりにあるサンタ・マッセンツァ・ディ・ヴェッツァーノというとても小さな村です。上写真が、村の広場。山が迫っていて、いかにも、はるばる山奥に来たな、というような雰囲気です。

本当に小さな村だというのに、なんと、蒸留所が5軒もあるというのだから、まったく驚きです。それも、かつては13軒あったのが、淘汰されてそうなったというのです。土地が土地だけに、他の産業が育たなかったのかもしれませんが、それにしても、淘汰されてもなお5軒残っているというのは、すごいことだと思います。

まず、訪ねたのは、こちら。




Distilleria Mauro di Mauro Poli (Mauro e Giulio)
Via del Lago, Santa Massenza, Vezzano (TN)

グラッパをたしなまれる方だったら、あれ?と思うかもしれません。看板にPoliポリとありますからね。グラッパで、ポリといえば、誰もが、バッサーノ・デル・グラッパBassano del Grappaで、大々的に営業しているグラッパ屋さんを思い浮かべるはず。
しかし、ここのポリは、そのポリとは全然関係ありません。というか、この村のグラッパ屋さんは、皆さんポリという苗字の方ばかりらしいのです。だから、もちろん、歴史を遡れば、みんな同じ先祖にたどり着く可能性は有るのかもしれませんが、少なくとも今は、まったく関係ないようです。

で、ここのポリさんは、マウロさんとジュリオさん。父子でやっている小さな蒸留所です。きっとお父さんがマウロさん。




かつては、農作業などの小屋として使っていたようなスペースが、今は直売所となっています。近所の農民仲間みたいなオヤジが来て、白ワインを一杯やったり、そういう集いのスペースにもなっているようでした。
友人によれば、これまでは息子さんが対応してくれたので、お父さんは初めて、ということでしたが、このお父さんが、もう!なんて言ったらいいのか、一番ぴったり来るのが、「天使のような」?なんか陳腐なんですけどね。それも、じいさんと呼んでもよさそうなお年の方にどうよ、という形容ではあるんですけどね。でも、本当に、真っ白で純朴で、翼がはえている人みたいな、ミラノでは絶対に出会えなそうな、絶滅危惧種的な、そういう空気をまとった方でした。

奥の方に、しっかりと試飲スペースが用意されていて、こんなにたくさんグラスも置いてあるんです。
って言うことは、結構客が来るということで、それなのにこのマウロさんの真っ白ぶりは、本当に只者ではないなぁ。




早速、試飲。




この辺りの葡萄種ノジオラNosiolaの、ビアンコとリゼルバ。天使のようなお父さんの、ゆったりとした説明を聞きながら、今回合宿最初の一杯を、楽しみました。

アルト・アディジェまで来ると、葡萄種についても、未知のものが多いようです。このノジオラというのは、初体験でした。すっきりとおいしいです。何よりお値段がお手ごろ。
ただし、今回は、自宅のスペースの問題もあるので、あまり買わないことを誓っていましたし、最初から飛ばすわけにも行かないので、ここでは、ビアンコを1本、いただくことにしました。14ユーロ。それも70mlですから、お得感ありですねぇ。帰りに寄っていたら、確実に2本は購入したことでしょう。

すぐお隣に、フランチェスコ・ポリさんの蒸留所がありますが、ここは、すっ飛ばし。




さらに、そのお隣にある、こちらジョバンニ・ポリさんにお邪魔しました。




Giovanni Poli - Azienda Agricola e Distilleria Artigiana
Via del Lago 3, Santa Massenza di Vezzano (TN)
www.giovannipoli.it

こちらでは、女性が出てこられて、とても気さくにおしゃべりをしました。ここで、かつてはこの狭い村に13軒も蒸留所があったというような話をうかがったのです。この家の前に、トレントの司教の別荘のような家があり、トレンティーノ公会議の頃、つまりこの地の教会が強大な力を持っていた頃に、そういうところから蒸留酒作りが始まって、定着したのでは、というようなお話もあり、面白かったです。
そして、彼女は、そういうお話に行く前に、こちらの興味を確かめつつ、カウンターに瓶を並べ、「どんどんやって頂戴」と。




これは嬉しかったですね。まず一通り試した後に、もう一杯これを、とか、好き勝手に手酌で試飲させていただきました。おおらかですよ、アルト・アディジェ。手酌で試飲、というのは初めてでした。

こちらでも、やはり土地の葡萄種中心。おかげで、わたしにはなじみがないものの、二軒目にして、傾向が分かってきました。
こちらでは、ワインも製造しています。品揃えは幅広いです。




そして、お値段は、やっぱり手ごろ。




二軒目にして、既に、今回は買わない、という誓いがぐらぐらして来ています。結局、2本購入。




どちらも土地の葡萄種で、TraminerとMarzeminoの二種。どちらもビアンコで、飲み口がよかったのですが、今では思い出せないので、早く開栓して味わってみたいところ。




というわけで、しょっぱなから、それも猫額の小さな村にて、既に3本。ううん。先が思いやられる合宿です。

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  1. 2015/05/22(金) 05:47:41|
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