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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

南チロルの誇る醸造所フォルスト

グラッパ合宿、アルト・アディジェ、番外1

いきなり暑くなったり、友人が訪ねてきたり、肋骨が痛かったり、なんだかんだで、どうも自宅でパソコンに向かう気にならず、とうとう丸一週間、ご無沙汰してしまいました。
というわけで、アルト・アディジェのご飯編も、既に忘却の彼方状態ではあるのですが、本気で忘れないうちに、まとめとこうと思います。

まず、今回宿泊したのは、トレンティーノのワイン街道にある小さな旅籠。




Hotel Pensione Alexandres
Via dei Vigneti 28, Appiano (San Michele), Bolzano

ホテル自体はそれなりの規模ですが、わたしの宿泊したシングル・ルームの狭さは、特筆もの。でも、さすがドイツ語圏というか、狭くてもシステマティックで、非常にうまく作られていて、それに、清潔感はばっちりでした。
ドイツ語圏のご家族経営ですが、イタリア語はちゃんと通じたし、どなたも皆さん感じがよくて、居心地はよかったです。
一番気に入ったのは、窓から見えたこいつかも。




裏のお家にあった風見。
おじさんが、一所懸命、車を漕いでいるタイプ。ちょうどすずめがお休みだったところをパチリ。
15年ほど前に、ドロミティの、おそらく当時気に入っていたヴァル・ガルデナに滞在したときだったと思いますが、このタイプの風見に目が留まり、いたく気に入って、是非ひとつ欲しいものだ、と思ったものです。村をぶらぶらしていたら、確か農機具関係のお店のショーウィンドウだったかにいくつかのタイプが陳列されていたので、思わず近寄って、実際の巨大さに度肝を抜かれたのでした。考えたら、屋根の上に置くんですから、巨大に決まっているんですよね。
いろんなタイプがあって、多くが、こうやって人が働いている姿だったりするところが、とてもかわいらしくて、今でも、こういうものがおける家に住みたいものだ、とは思います。

話をホテルに戻しますと、内装は全体にかなり古めでしたが、そもそも休めのお値段、そして、一日だけでもハーフ・ペンション(朝晩のご飯付き)にしてくれるのも、とても良心的でした(ハーフペンションは、最低三泊から、というホテルがたくさんあります)。実際、二日目はこちらでいただきました。なんということのない土地の料理ではありましたが、宿で夕食がいただける気楽さは、本当にありがたいです。

食に関して言えば、今回待望していたのがこちら。




3年前、この南チロルに中世を訪ねた際、この近所に宿泊したにもかかわらず、とうとう一度も立ち寄ることの出来なかった場所。素敵にドイツ風なここは、歴史的なビール醸造所フォルストForstです。




日本で言えば、恵比寿ビール園とか、サッポロビール園とか、そういう感じかな。まさにこの場所で生まれたフォルスト・ビールは、今でも、時々進化しながら、同じ場所で醸造を続けているんです。歴史的な建物の裏には、結構な敷地面積を有する醸造工場があります。

最初の日の夕食を、ここでいただきました。ドイツ風で、ソーセージとかハムとか、一皿料理、そして、出来立てのおいしいビール。
普段は飲めない白ビール。




初めてミュンヘンに言ったときに覚えた白ビールは、ビールがおいしいドイツ語圏では、必ずいただくことにしています。そして、これも、イタリアではこの辺りでしかおいしいのを食せないプレッツェル。外カリカリ、中はもっちり。




ご飯は、クラウトのサラダとか、ソーセージ、ポテトフライト、完全にドイツ圏で楽しみました。歴史的な建物がビヤホールとなっていますが、とても美しいバーカウンターで、ウェイター、ウェイトレスも、民族衣装を着ていて、雰囲気はドイツの田舎です。




建物は、幹線道路の両側に建っていて、道路には、木製の橋が架かっています。これまた風情があって、大変いい感じになっています。




橋を渡った側には、オープンエアのビアガーデン。
実は、翌日の夕方にも立ち寄る機会があり、そのときはこちらの方で、ビールを楽しみました。




週末の昼間、チロルらしい楽団が入り、みなが楽しくジョッキを傾ける姿は、まさにドイツ。短い時間だったけれど、とっても楽しい気分になりました。何より、出来立てのビールというのは、本当においしいモンです。




そして、オープンエアのビアガーデン側には、ちょっとした博物館とお土産屋さんがありました。ここはオープンして、まだ間がないということでしたが、とても素敵なスペース。その上、小物土産(バッジとか、タオルとか、グラスとか)の値付けが、びっくりするくらいお安い!大物は、高いんですけれど。




博物館スペースには、古い荷馬車とか、かつてのポスターとか、各種ボトルとか、全体にとってもお洒落。




ちなみに、何でイタリアでビール?と思う方もいるかもしれませんが、実はイタリアは隠れた地ビールの宝庫で、ミラノおよびその周辺だけでも、いわゆるミクロ・ブルワリーがたくさんあるくらいなんです。ビールは、アルコール度が低い分、規制が少ないとかそういう理由もあるのかもしれませんけれど、地ビールは味わい深いものが多いです。

フォルストは、もちろんそういうレベルではないですが、イタリアのビールというよりはチロルのビールであり、スーパーで売っているようなブランドでもないために、なんとなく地ビール感が強く、また特にこの、醸造所でいただく、というのは、格別なものがあります。

グラッパの旅だったのに、フォルストは、訪ねるべき目的のひとつとしておりました。いずれにしろ飲兵衛三人組の修行ですから、「アルコール」くくりで、まったく違和感なかったですが。

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  1. 2015/06/13(土) 07:00:11|
  2. イタリアめし
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

No title

この地方もビールの銘柄でグラスの形が違うんですね?

ビールを美味しく飲める、泡立ちなどの工夫なんですね。
ドイツの地ビールの味を想い出します。
  1. 2015/06/13(土) 00:16:00 |
  2. URL |
  3. 古代遺跡めぐり<山下亭> #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

南チロルってこういうところなのね!
イタリアなのにドイツ料理とか建物が多いところ?

友人の家族さんが南チロルに別荘があり行ってきた話を聞かされているので空気や水がおいしいんだろうなと思っていました。
プレッツエルってドイツのパンですよね
友人が空港でおなかがすいているでしょうと買ってくれました。おいしかったです。
  1. 2015/06/13(土) 11:18:00 |
  2. URL |
  3. ガビィ #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

> 山下亭さん
ああ、そうですね、グラスの形なんて、いわれて気付きましたが、ビールによって違うんですね。ワインと同じですよね。
南チロルは、政治的にはイタリアではありますが、文化的には完全にドイツ圏なんで、ワインよりもビールです。
  1. 2015/06/13(土) 22:23:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

> ガビィさん
南チロル、よいところですよ、ドイツ語が話せれば、もっとよい。
イタリアにいながらにして、異国情緒を味わえるって言うか、異国そのものです!
プレッツェルは、確かにおいしいです。実は大好きです。ミラノにあるといいのに、と思うくらいです。
  1. 2015/06/13(土) 22:24:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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