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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

ミラノ万博、行ってきました。

ミラノ万博、その1




ロマネスクをお待ちの皆さんには申し訳ないのですが、今しばらく寄り道が続きます。と言っても、この寄り道は、今ミラノに生活している以上、避けては通れない寄り道…。日本でもちょっとは話題になっているようなので、ご理解いただけるかと思います。

わたしにとって万博といえば、ロンドンの水晶宮であり、パリのエッフェル塔、はたまた名古屋城の鯱だったりします。これまで生きている中で、行こうと思えば行けた万博って言うのはあったにせよ、その機会に恵まれなかったために、歴史上のイベントに過ぎず、と言って、基本がミーハーでお祭り好きなわたしのことですから、興味がないことはもちろんなかったのです。
でも、まさか人生初の万博が、ミラノで、それもちょうどミラノに住んでいるときで、なんていうことは、想像すら出来なかったことです。

万博の開催が決まってからずいぶん長い時間がたち、地元ではまったく盛り上がっていない中、開催間近になって、あちこちで突貫工事が始まるに至って、あ、本気だったんだ?とみなが思う、というような、お祭り好きの日本ではありえないような展開だったので、本当に予定通り開催されるのかどうか、わたしも含めて、ミラノの人たちが一番信じていなかったのではないでしょうか。
開催二日前に、我が家最寄の地下鉄の延長工事が、いきなり一部完成したことにも、あきれるやら驚くやら。イタリア人の、掟破りの帳尻合わせは、1990年ワールドカップの顛末でもびっくりさせられたものですが、今回もまったく同様です。

遠方に住む友人と、早くから計画をしていたことと、夏休みに遊びにやってくる姉を連れて行こうという計画があるために、前売り券を買いに行った開幕前、市内にあるチケットオフィスは閑散としていて、その後3週間足らずで開幕するような雰囲気はおよそありませんでした。
最初の予定は、6月早々の週末でしたが、ミーハーなわたしとしては、少しでも早く行きたくて、まず開幕3週間目ほどの週末に、夜だけのチケットで行ってみることにしました。

会場は、10時から23時までオープンしており、一日券は30ユーロ前後しますが19時入場のナイト・チケットは、5ユーロという手軽さが、決め手でした。
お目当ては、日本館と日本食、各所ライト・アップでしたが、やはり19時からではあまりに短くて、ほとんど何もみられないことが分かっただけでした。それでも、雰囲気が分かったので、偵察としては十分で、満を持して、6月の最初の週末に行ってきたというわけです。

というわけで、以下、レポートとなりますが、写真は、上記二回の訪問が、いろいろと混じっています。

夜の際は、19時にゲートがオープンして、20分ほどで入場できましたが、朝から行ったときは、すべてのゲートが開いているにもかかわらず、結局約30分かかりました。
空港と同じような機会を、荷物も人も潜り抜ける必要があるので、ある程度時間がかかるのは仕方ないですが、それにしても、遅い。




訪問数日前からいきなり暑くなってきたところだったので、ゲートの上の日よけにたどり着くまでに、かなり消耗しました。イタリアらしく、行列が団子状になっているので、どこに並ぶのがベストかの見極めも付かず、残念ながら、我々の並んだ列は、はずれだったと思います。ここは、きちんと見極めて並ばないと、平気で10分とかの差が出来そうです。
でも、みんなウキウキしているので、お祭り気分が盛り上がってきます。外人比率、とても高いです。

目抜き通り。




ここは、日よけがあるので、日差しは避けられますが、周囲に建物がびっしりなので、風の通り抜けが悪く、空気がこもっています。8月の暑い日だと、かなり厳しいかも。

5月に行ったときは、まだあちこち準備中的な雰囲気満載だったのですが、6月には、ずいぶんといろいろ出来上がったというのか、日々様子が変わるのも戦略なのか、展示も増えていました。入ってすぐに、アルチンボルティのだまし絵を模倣した像がたくさん並んでいます。




これは、万博が決まってから、ミラノ中央駅などに展示されていたもので、結構インパクトがあります。





朝から行った日は、何はなくとも日本館は見よう、と、日本館を目指したのですが、なんせ、会場の一番奥に近い位置。歩いても歩いても、陰も形も見えません。
途中、「あ、パヴィリオン・ゼロって、ニュースでやってた」とか。




「あ~、鏡張りで面白い~。あれ、どこだろうね?」とか。




「なになに?かまくら?マレーシアだって、かわいいねぇ」とか、いろいろ騒ぎながら、それでも基本急ぎ足で、興味深いパヴィリオンを次々を通り過ぎます。




ちょっと寂しいけど、なんせ日本館の人気は高く、夜に入場したときは、21時までオープンしているというにもかかわらず長蛇の列のため、19時45分に到着した時点で、もう入れませんと言われてしまったのです。そのとき、「ほぼ常に行列があるけれど、10時から11時の間であれば、大体すぐに入れると思います、それ以外は少なくとも1時間の行列は必至です」という貴重な情報を得ていたので、もうがんばるしかないのです。

でも、歩いていれば、両脇は各国パヴィリオンなので、一応、さらりと様子を確認することは出来ます。最初の印象は、「万博って、意外と地味」。
すごくお祭り的な、大騒ぎって言うか、きらきらとか、近未来的とか、大げさなイメージがあったのですが、なんか至って普通のイベント会場的な、それも結構地味な、いる人たちも普通に町を歩いている人たちだし、イベント的な要素って、特に朝は少ないし、ちょっと気が抜ける感じ?

とは言え、こんな奇抜な建物は、普通に町にはあるもんじゃないし。




各国パヴィリオンがあるということで、イメージとしては、ベネチア・ビエンナーレだったのですが、当たらずとも遠からず。でもビエンナーレのパヴィリオンはとっても地味だし、行列はそんなに出来ないからね。




ここでは、人気のパヴィリオンは、日本館のみならず、常に長蛇の列。それも暑い中、という環境が多いので、結構厳しいです。パヴィリオン内は、かなり激しくクーラーが効いていますが。
ちなみに、上のアゼルバイジャンと、アラブ首長国連邦は、常に混んでいるパヴィリオンで、特にアラブ首長国連邦はいつも民族衣装の人がいて、かっこいいのでした。多分、ニュースで見て、これは面白そうだと思った展示は、ここではないかと思っているので、8月には、真っ先に行ってみようと思っています。




肝心なことを書き忘れていましたが、この万博のテーマは「食」。食べ物でもあり、飢餓でもあり、砂漠の緑化であり、食をベースにして、ミクロには日々の食卓の話題から、マクロには地球の荒廃を食い止めようというような、そういうこと。
エコとかにも通じるせいか、木製のパヴィリオン多数。また壁や屋上に、菜園併設パヴィリオンも多数。




日照もあるし、菜園の植物は、結構期間中に育って、収穫できるのではないかと思います。
そうそう、エコ的には、水も、ただの給水塔がたくさんあり、これは大変助かりました。




なんと、ガス入りもあって、冷たくておいしい水です。でも、何度見ても、ガスとそうでない水の見分け方(ボタンの違い)が分からず、不思議でした。イタリアでも、圧倒的多数はガスなし水を好むはずなんですが、どうも我々の試すところはガス入りばかりだったんです。
ちなみに、バールやレストランでは、2ユーロで売っているのでびっくりします。万博に行かれる方は、必ずボトルを持参しましょう。

次回から、パヴィリオンめぐりです。

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  1. 2015/06/18(木) 05:46:45|
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