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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

砂漠の人々と野菜工場

ミラノ万博、その4

エスニックつながりで、次は中東域のパヴィリオン巡り。
まずは、日本館のお隣なので、日本館を訪ねた人の多くが、ついでに、という感じで立ち寄りそうな、オマーン。




砂漠の中にあるキャラバン・サライのようなたたずまいですねぇ。ここ、入り口のところにある噴水池が、とてもいい感じです。




さすが、こういう国は、水が大切なんだよね、と軽く楽しんでみただけですが、どうやらこれ、結構高度なシステムを使って、水を循環させて云々という展示の一環だったようです。水は、建物の反対側を流れ落ちていたのですが、それも循環の一部なんでしょう。やっぱり水が大切ってことなんですよね。




パヴィリオンの裏側は、通りにオープンな中庭ですが、オアシスのようになっていて、カフェにもなっていたようです。いい雰囲気でした。
そして、展示は、ビデオとか派手なものがなくて、どっちかと言うと文化祭のりの、ひどくまじめな展示だったんですが、結構食いついてしまいました。というのも、オマーンって、そもそもどこにあるのかすら、正確にはわからない状態で、漁の展示があったり、バラ栽培が主要産業とか蜂蜜とか、リゾートとか、つかみどころのない幅広い国の印象に、すっかり戸惑ってしまったものの、展示してある関連写真が、どれもとても印象的なんです。
一言で言えば、エキゾチック、ということになるのでしょうか。
思わず、レセプションにいたコンパニオンの方に、具体的な旅の情報を聞いていました。
今のところ、直接入れる定期空路もなく、観光開発はこれからの課題、ということでした。国内の安全性は高いようですが、移動手段はおそらくレンタカーのみとか。
いや、いきなり具体的な話、しすぎだろうよ。

いずれにしても、いつか行ってみたい土地のひとつとなりました。

あ、でも、食に関しては、ちょっと愕然としました。




日常的台所風景を、等身大ビデオにしていたんですが、お母さんが子供のお弁当を作っている風景。結構な時間をかけて作っていたのが、卵焼きで、お弁当がその巨大な卵焼きだけだった…。
そりゃ日本のお弁当は時としてやりすぎな内容もあるけど(今のキャラ弁とか)、でも、やっぱり日本のお弁当文化は素晴らしい、と、思わず力こぶ、入るような。
中東の中では、おそらくずば抜けた金持ち国ではなさそうですが、だからというわけでもなく、気候的に、食材は限定的なのかもしれません。四季があるということは、それだけで、豊富な野菜や穀物や果物が育つ環境を得やすいということなのかな。

地味な展示だけど、実は、スペクタクルなものより、いろいろ考えされられたりします。

では、スペクタクルな展示のあった金持ち国クウェート。




パヴィリオン前から、砂が敷き詰めてあり、太陽ががんがんだと砂漠からからの現地状態、炎天下に並ばされるのは、ちょっときつそう。幸い、わたしが並んだときは、ほんの10分ほどで入れましたが、それでも疲れました。

壁に入ったところで、まず水のカーテン。




これ、落ちてくる水で、文字を描けるようになっているんです。




アラビア文字で、意味は分かりませんが。このシステム、アメリカ館の前にもあって、面白かったです。
なんせ、暑いときの水は、見ているだけでも、和まされます。

この水のカーテンの前で、コンパニオンの説明があり、そして、パヴィリオンに入ります。




ここも、最初の部屋は壁中をスクリーンにした映像。国の特色をまとめたような映像でした。それなりにきれいですが、さほどのインパクトはなし。
そして、次の小部屋は、暗くて、嵐でした。




雷が光り、雷鳴がとどろき、地面まで揺れたのにはびっくり。閉所恐怖症の気のある方や、地震の経験者の方には、お勧めできない空間です。怖いと思います。

で、その小さい部屋を出ると、いきなりショッピング・モールに彷徨い出ます。




なんか不思議。
赤黒基調のチェッカー模様が、どうやら伝統的なモチーフのようでした。かわいらしいです。
壁沿いには、水耕栽培的な緑がずらり。これもまた、会期中にどんどん育ちそうです。

川魚の水槽があったり、ほうろうの薬缶がモビールみたいにつるさがっていたり、ナツメヤシの干したものがピラミッドのように積まれていたり、そういう物産の通路を抜けると、開放的なレストランになっています。そういえば、夕食難民になる前に、ここがあったんだな、と今思い出しました。雰囲気よかったのに。




中東、もうひとつ、カタール。




普通の建物の上に、蒸し器のようなものが載っているのが、かわいい。

夜の蒸し器。




ここも結構人気で、常に階段に行列が出来ています。パヴィリオン前に、小さなステージがあり、多くの時間、歌や演奏が行われているので、集客に貢献しているのかもしれません。
民族衣装のコンパニオン。この辺りでは、女性はふくよかな方が美人だったりするんでしょうか。それはインドだけの話でしたっけ。




入ると、まずいきなり合羽橋。




かなりよく出来た食品サンプルだし、こういう技術って日本以外にないはずだから、やっぱり合羽橋製ではないかと思うのですが、どうなんでしょうね。
そして、多くの人にとっては、こういう蝋細工は珍しいものらしく、みな食い入るように見学していて、なかなか近寄れないほどでした。




この後は、砂漠の中での野菜工場とか、かなりまじめな展示が続きます。砂漠の中の人工的な野菜工場プロジェクトは、興味深いジオラマがありました。コンパニオンの方に尋ねると、既に実現が近いプロジェクトということでした。海水の淡水化とセットになっているようです。おそらく、日本の技術も、入っているはず。すごいことですよね。

そして、エスカレーターで2階に移動。いきなりスペクタクルな作りになります。




円筒状のスペースになっていて、中心に塔のような形のスクリーン。訪問者は、ゆったりしたスロープとなっている周囲を回りながら降りてゆくことになっています。スクリーンには、いろんな映像が映し出されます。
でも、ゆったりしているとはいってもスロープになっているし、暗闇の中を歩かなければならないし、意外と映像を見ることが困難だったりして、若干アイディア倒れ感あり。

これで終わりかと思うと、地上階では、職人さんたちのお部屋があって、籠を編んだり、魚網をつくろったり、マジで仕事をしていました。




ヘンナで、手足に絵を描いてくれたり、いろんなサービスもありました。レストランも。
そうか、ここにもレストランあったんだ。
選択肢、結構あったのにね。ただ、広いから、ご飯を食べようと思っても、結構必ずしも近くに何かがあるわけじゃないんですよね。それに、どのパヴィリオンでも、レストランがあるのかどうか、正面からはよくわからなかったりします。

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  1. 2015/06/22(月) 05:50:03|
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