ミラノ万博、その13
開始前に、パレード先頭の部分で、ジャパン・デー式典がありました。でも、わたしは、列の脇で、観客が紛れ込まないように、ロープを持って、焦っていました。
というのも、最初に指示された場所は、列の反対側。でも、手に持ったロープを一体どうしたらよいのか、どのタイミングで指示された場所に移動すればよいのか、まったくわからなかったからです。
どうもすべてがアバウトな感じで、無駄な動きも多く、この時点で、あっちこち相当引っ張りまわされていて、既に疲れているし、なんだかなぁ、と思っている中で、式典が始まり、式典参加者の名前が聞こえてきます。お祭りの主催者である東北各地の市長さんなどが参加され、それぞれ簡単なスピーチなどをしていましたが、長かった~!
なんか、この大変なときに、現首相の妻まで能天気に参加していたようですが、(幸いにも)彼女のスピーチはなかったようです。今の日本の不穏な状況で、首相妻のスピーチは聞きたくなかったので、ほっとしました。
そんなことはさておき、パレード主体のお祭り当事者たちは、気分も高揚しているようで、見ているだけで、楽しくなってきます。
白装束に、色彩鮮やかな旗を掲げた二本松、木幡の幡祭りの方々。
二本松は、出身高校の寮があったので、思い出深い場所ですが、このようなお祭りがあったことは、まったく知りませんでした。12月第一日曜日に行われるお祭りで、「日本三大旗祭り」のひとつとか。あと、二つはどこなのでしょうか。そもそも、日本に旗祭りがあったんだなぁ、と非常にプリミティブな疑問で、情けない限りです。
写真があまりよくありませんが、この旗の色の美しさは、筆舌に尽くしがたいです。
わたしが、ずっと一緒に歩いた人たちは、こちら。
いわき、じゃんがら念仏踊り。福島県いわき地方に伝わる伝統芸能で、太鼓・かねを打ち鳴らし、それに合わせて、念仏を唱えながら踊るもの。お祈りするような振り付けで、面白かったです。いや、確かにお祈りなんでしょうね。
着物の青、イタリアで言うところのアッズッロが、実に鮮やか。白いたすきも粋です。着物のすそや袖をはしょった着こなしも、いなせです。
毎年お盆の時期に行われるようです。念仏だしね。
郡山、うねめまつり。
この人たちは、あまり見られなかったんですが、元気よくたいこをたたいて、跳ねていました。何でも、郡山最大のお祭りなんだそうです。うねめは、宮中の女官のことで、伝説的なお話に基づいているようなんですが、詳細不明。毎年8月第1週の週末が本番。夏祭りですね。
今回、一番印象深かったのが、こちら。
盛岡さんさ踊り。
鬼退治伝説に基づくお祭りだそうですが、あでやかな着物のお姉さんたちのダイナミックな踊りに釘付けです。お囃子も、衣装が素敵でうっとり。わびさびイメージの強い日本ですが、伝統的にこんな派手やかで美しい色彩のコンビネーションがあるんですよね。こういうのって、外国の人には、驚かれるんじゃないでしょうか。
頭に、お花かぶっているのも、斬新です。元は蓮だったのが、どんどん派手になって、こんなボタンになっちゃったんだよ、と参加者の方がおっしゃっていました。
各地区ごとに、踊りも衣装も異なるんだそうです。今回持ってきたのは、比較的単純な踊りとか。いや、単純と言っても、とても踊れませんて。それも着物であんな動きは、絶対出来ませんわ。
先頭で、5名のミスさんさ踊りのメンバーがエネルギッシュに踊り。皆さん、かわいらしくて、必ず5名で動いているので、絶好の被写体となっていて、踊っているとき以外は、常にカメラに囲まれていました。
本番さんさ踊りは、8月早々に実施されるようです。飛び入り参加もあるんだそうです。なんか、楽しそうだな~!
山形、花笠まつり。
有名ですね~!まさか、こんな有名な祭りを、ミラノで見ることになろうとは、まったく人生って不思議なものです。もちろん、踊りに来た方々も、いつかミラノで踊る日が来るとは思っても見なかったでしょうね。
これまた美しい着物で、ひきつけられます。一方の肩を抜いているのが、またお洒落ですよね。全然違う色が出てくるのに、調和している不思議。派手を重ねて、それでいて破綻しないんだから、着物の感覚ってすごいです。
山笠本番も、8月早々の実施。
今回一番パワーがあったのが、こちらだと思います。
仙台が、七夕の吹流しと一緒に持ってきたのは、すずめ踊り。
男女ともに、すっきり職人さんスタイルで、はねるわ、座り込むわ、一人で、群舞で、くるくる、ばしっ!って感じの切れのいい踊りを、ひたすら延々。イタリア人の観客の方が思わずたじたじと引けるくらいに、ノリノリの踊りで、びっくりです。最後まではねまくっていた男性には、脱帽でした。お囃子も素朴でよかった~!
これは、七夕祭りとセットになっているようで、8月早々が本番。
そういえば、中学生の頃に、遠い親戚の住んでいる仙台に行って、七夕祭りの飾りつけは見た記憶がありますが、「なんだ、飾りつけだけじゃん」と、ちょっとがっかりした記憶があるんですが、本当は、いろいろあるんですかね。
びっくりしてばかりですが、これも、また。
福島わらじまつり。
わらじ祭りって聞いたとき、なんとなく知っている気はしたんですが、おいてある大わらじを見て、「は?なぜわらじ?で?」と、正直言えば、少々馬鹿にしていたきらいがあるんです。しかし、実際に見て、ごめんなさい、という気持ちになりました。
だって、この大わらじ、半端ないんです。
本当にでかい!
時々、沿道の人々に向かって、こうやってわらじを持ち上げるんですが、これ、目の前でやられると、なんだかわからないけれど、興奮もの。
本物は、長さ12メートル、重さはなんと2トン(今回のは、7メートル)。地元羽黒神社に奉納されるものなんだそうです。
何だろう、その意味のないような大きさと重さの迫力なんでしょうかね。
一番期待していたねぶた。
ちっちゃい。
本物を縮小したヤツも、小さい。
とは言え、これでも、引き手の人たちは、結構大変だったと聞きました。
やはり、これは夜じゃないと、インパクトないのかもね。跳人も、ボランティア80人を含む100人近い人たちがいたのですが、やはりボランティアの人たちには無理があって、ほとんど最初の数分しか、本気で跳ねていられなかったのでは、という感じでした。
わたしが、仕事から解放される行列のおしまいの頃には、みな、ほぼヘロヘロで、ただ歩いているという状態。
やはり本物を見に行きたいものです。エネルギーは感じます。
跳人は、この衣装をお土産にもらえたようですが、この派手な笠は、どうなるんでしょうね。
このほか、秋田の竿灯と、会津の彼岸獅子舞というのがあったのですが、残念ながら、見ることが出来ませんでした。
パレードは、日本館前から出発し、1キロ程度の地点で終了し、帰りはばらばら適当に出発点まで戻る、というパターンで2回行われました。帰りの、お祭りが適当に混ざった混沌とした様子が、いい感じでした。
なんとなく、ざわざわした、折り返しの先頭部分。
アバウトでリラックスした感じが、イタリアでやってる~って感じ?
しかし、やっぱり、着物を着ると、腹の出たおっさんも、粋だよねぇ。なんだろうねぇ。
とまぁ、こんな感じでした。
最後も、非常にアバウトな終わり方で解散。それはそれでね。
振り返っても、やはり楽しい気分がふつふつと思い出され、つくづく、参加で来てよかったな、と思っています。
いつか、ひとつでも二つでも、本当に地元を訪ねてみたい。そんな風に思えるのも幸せっていうか。
でもやっぱり、アレですね。「踊る阿呆と見る阿呆、同じアホならおどらにゃ損そん」。踊りたかったなぁ、やっぱりね。
最近はまっている写真サイト。ロマネスク写真を徐々にアップしています。
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- 2015/07/16(木) 06:07:09|
- ミラノ徒然
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| コメント:2
日本人でも、東北の祭りを此れだけ一つの会場で見られる事は無いのではないでしょうか?
東北人の私も知らない踊りが一杯在りました。
仙台の雀踊りもそうですね!
- 2015/07/15(水) 22:24:00 |
- URL |
- 古代遺跡めぐり<山下亭> #79D/WHSg
- [ 編集 ]
> 山下亭さん
東北のご出身なんですね。それでは、思い入れのあるお祭りもあるのでしょうね。
すずめ踊り、知らないですよねぇ。すずめ踊りというのは昔からあるようですが、今やっているお祭りでの踊りは、比較的新しいようです。すずめのようにちょんちょんしたしぐさが、なんともよかったですよ。
ミニ、だけど、本当に、楽しかったです。
- 2015/07/18(土) 20:59:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
- [ 編集 ]