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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

グリンピース、四人前、とは。

カンタブリア・ロマネスク、その5

前回まで紹介したサンティジャーナの町には、変則的な訪問をしていました。空港に到着した日、アストゥリアスに移動する前に、半端な時間があったため、まず立ち寄って、ざっと教会の見学。そして、旅の最後、空港に向かう前に滞在し、改めて、じっくりと訪問したのです。
ですから、アストゥリアスとの旅の合間に挟まって、わたしの中では、ちょっとカンタブリアから切り離された感じになってしまっています。

実際の旅のルート的には、アストゥリアスから直行した、この村が、カンタブリアの旅の皮切り、ということになります。




Cartesという町で、幹線を直角に曲がった道が、町のメインストリートになっているという、妙にきっぱりと分かりやすい構造になっていました。

しかし、ナビに町名を入れると、Cartesだけでは出てこず、Santiago de Cartesという名前が出てくるのみ。目的の教会の名前はサンチャゴIglesia de Santiagoだから、これでいいのかと走っていると、その地域では比較的大きな町Torrelavegaを出てすぐに、Santiago de Cartesに入りました。
でも、あっという間に通り抜けてしまい、どこが実際に町だったのかも分からないような感じで、次に、このCartesにたどり着きました。

とるものもとりあえず、町の入り口にあった定食屋さんでランチ。有無を言わせず、自動的にメニュが出てきました。強烈な量だったので、印象深いです。
一皿目が、グリンピースをベーコンでいためたものだったのですが、日本人的な感覚では、少なくとも四人分。メインは、小さい赤ピーマンに、クリームコロッケの中身みたいのを詰め込んだ冷たいお皿で、これも3人分くらい。味は、そこそこおいしかったのですが、なんだか山盛り過ぎて、食欲が減退するという矛盾な状態に陥りました。

写真も撮ってないのに、よく覚えていると感心されそうですが、いや、あきれられそうですが、こういうこと、結構日記に書いとくんです。そうすると、意外と周辺のこととか、芋づる式に思い出せることも多いんです。
ちなみに、お値段は9ユーロ。安っ!
あ、ここで、懐かしいデザートに再会。クアハーダ。
フレッシュチーズに、蜂蜜や胡桃を混ぜ混ぜしたさっぱりデザートで、あれば必ずいただくものですが、きっと、アストゥリアスでは出会わなかったのですね。

すっかり満腹して、町に向かうことに。
レストランの人に確認したものの、奥のほうに古い教会はあるけれど、サンチャゴ教会だったかどうかは不明、ということでした。

道は、ただまっすぐです。




すごく立派な門。中世の市壁または城壁の一部だと思われます。二重になっている間には、こんな入り口。




こういう扉って中世っぽい!指輪物語(映画)に出てくるホビットのお家の扉が、こういう木の丸いのでしたよね。
この辺、やはりお城の一部だったみたいで、中に、名残がありました。




そして、歩き進めば、タイム・スリップ気分満載。




基本、すごい石の質感が迫ってくる町並みなんだけど、木製のバルコニーなどがうまく挿入されていて、威圧感を取り除いてます。そして、建物が低いので、覆いかぶさってくる感じがないのもよいのだと思います。




写真の腕が悪いので、絶対に伝わらないと思うのですが、わたし的には、この町、「スペインの美しい村100選」とかランキングがあれば、必ず上位に入る町だと思います。本当に美しいのです。町並みが美しく、また掃除が行き届いているような清々しさがあるのです。
多分、観光的にはまったく無名だと思うのですけれど、それでもこの美しさって、びっくりしますよねぇ。いや、何らかの有名なものがあるかもしれませんが、でも、ナビでも出てこないし、有名だったら、あの定食屋はないでしょうしねえ。




東京の下町のように、家の前にずらりと植木が並べられているのも、おそらく見た目の潤いになっているんでしょうね。ヨーロッパの町は、普通、中庭式で、正面には緑がないものですが、景観上の取り決めなのか、何らかの習慣や文化的なものなのか、この町、珍しいですね。

古いと教えられた教会の前も、まるで花園(または花屋)のようになっていて、おばあさんが熱心に箒を使っていました。




サンチャゴ教会を尋ねてみましたが、ここは、サン・マルティーノだし、それはおそらく、サンチャゴ・デ・カルテスのほうにあるのではないか、ということでした。教会のお世話をしている人が知らないというのも、不思議なことです。おそらく、あまりたいしたものは残っていないということだと思います。

おばあさんに勧められ、道の先にある警察まで行き、尋ねてみたけれど、やはり誰もわかりません。
どっちかといえば、先を急ぎたかったので、潔くあきらめました。
いずれにしても、このような美しい村に立ち寄れたことは、大変嬉しいことだったし。




戻り道は、純粋に町並みを楽しみました。立派なお屋敷がいくつかあり、例によって、立派な紋章が掲げられています。




細部まで細かく彫られた立派な紋章です。
こんな愛嬌のあるものもありました。




紋章の内容は、割とありがちな意匠だと思うのですが、両側から支えるライオン君がね、とってもチャーミング。




特に、この右側、えへへ~!って感じで、全然怖くないですよね。かわいい…!

というわけで、とうとうロマネスク的収穫ゼロでしたが、でも楽しい散策でした。この後、超過酷山道となります。

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  1. 2015/08/20(木) 00:42:40|
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