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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

パルマにて、まさかのお仕事オファー

夏休み旅その2、パルマ2

パルマのカテドラル、雨にも負けず、後陣の方へ回ります。
観光客はちらほら来ていますが、後陣まで、わざわざ来る人は、誰もいませんでした。




後代の建物に埋もれつつも、中央後陣と、左右翼廊の先にある後陣円筒が、しっかりと残されているんですねぇ。と言っても、実は内部構造をよく覚えていないのですが、この写真で見る限り、そういう形なのであろうと思います。
上が、南側の後陣。
そして、これが中央後陣。




そして、北側。




中央後陣の両脇には、身廊の後陣があるはずですが、そこは後代の建物で覆われてしまったようです。そこまでしてスペースを設ける必要があったのかどうか知りませんが、本来美しかったはずの後姿が、残念なことになってしまいましたね。

幸いにも、当時の楽しい装飾彫り物はたくさん残っています。と言っても、装飾が残されているのは、相当高い場所なので、肉眼ではよく見えないんですが。




上の方、偽の回廊様式で、小円柱が並び、それぞれの柱頭には彫り物が見られます。また、回廊の下の段も、偽の窓が置かれて、美しい装飾が施されています。




せっかく残されても、こうやって隠されているような姿は、ちょっと忍びないですねぇ。華やかな装飾なんだけどな。
こんな細かい寓話的な彫り物を、狭い窓の上のアーチ似合わせて彫ったりして、その技術は勿論デザイン性もすごいし、出来上がりも上々なんですが、こんな高い場所では、当時だって、よく見えなかったと思うんですよねぇ。




それはよく思うことだけど、飾るというのは、信仰のため、ということになるんでしょうねぇ。信者に見せるためというよりも。




それにしても、レンガ積みだったり、レンガと石をチェッカーにしたり、全体に面白い装飾効果が出ているんですよ、ここ。彫り物も、動物満載、ケンタウロスとか想像上のフィギュアも満載。宝探しの楽しみがある後陣。




特に、レンガと石の市松模様の壁装飾は、すごく気に入りました。




こういう色の違いを利用して、はめ込み細工みたいに壁で遊ぶというのは、ボローニャのサント・ステファノの壁とか、ポンポーザとか、思い出しますが、こうやって、ただ壁を市松で覆うという感じは、思いつかないなぁ。いいですよねぇ。壁のホンの一部ですが、試しにやってみたのか、面倒でやめたのか、なんだろう。




三つ頭のドラゴンがいるかと思えば、わたしとしては見逃せないサムソン!ラブ!




短時間でしたが、カテドラル後陣、すっかり堪能しました。オリジナルのまま残っていたら、もっともっとたくさんの楽しい彫り物があったのでしょうね。

さて、このあと、近くのレストランでランチしたのですが、ちょっと面白かったです。
入り口に比べると、奥に深いレストランで、一番奥の部屋に案内されたのですが、先客は、10人以上でテーブルを囲む東洋人。
団体がいると、料理に時間がかかったりするので、いやな予感がしましたが、引き返すわけにもいかず。仕方ないので、とにかく少しでも早く注文してしまおう、と、早口で一気に頼んだところ、注文取りの女将さん、「…あなた、どこに住んでいるの?」。
あまりに場違いで唐突な質問にびっくり。「ミラノですけど…?」「ああ、それじゃだめねぇ…」。
女将さん、件の東洋人のテーブルに眼をやり、「最近ね、中国人に困っているの。あの人たちって、お客さんだから来てくださってありがたいのだけど、言葉は通じないし、料理も通じないのよねぇ。誰か、言葉の分かる人がいたら、手伝ってほしいのよねぇ。」とひどく困った様子で愚痴り始めたんです。

わたしは日本人だから、いずれにしても役に立ちませんわ、というと、ああ、日本人はね、本当にいいの。料理を分かってくれるしねぇ、と。
彼女によれば、中国人の方々は、イタリア料理にあまり興味もなさそうだし、どうやってオーダーするのかも分からないみたいだし、だから店としても、どうやって対応していいのか分からないことが多いんだそうです。

実際、その団体さんたちを見るともなく見ていると、まず、誰一人、イタリア語も英語も出来ないようで、あとから入ってきたガイドらしき人がいなければ、どうにも仕方ない状態でした。ガイドの人は、そそくさと注文を集めて、店に伝え、ぼくは他に用事があるから、あとで戻ってくるといって消えてしまいました。
何を注文したのか見ていると、とにかくばらばら。パスタが来る、ピザが来る、ステーキが来る、ティラミスが来る…。みんな一緒に、ですよ。
ピザを食べながらティラミスをつつく女の子たち。
それも、誰一人として、お皿を見て歓声を上げるとか、食べていて楽しい様子を見せない。
うーん。これは辛い。

考えたら、中国人の団体旅行って、つい最近までは、どこに行っても中華料理店で食事してたんですよね。結局彼らのほとんどは、中華が世界で一番と思っているんでしょうし、他の料理には興味がなかったんでしょうね(イタリア人とほぼ同じ)。
もしかしたら、最近は、現地料理を食べるのがはやっているのかもしれないけれど、きっと、イタリア料理なんて食べたことのない人も一杯いるのかもしれない。昔の日本人が、アル・デンテなんて知らなかったように。
70年代頃、農協ツアーとかはやった頃の日本人が、こういう感じだったかもしれないし、日本人は勤勉で外国好きだから、当時からそれなりにお行儀がよかったのか分からないけれど、いずれにしても、現地の人からは、困られていたかもしれないですよね。

我々の料理は、中国人の注文がのろのろしていたおかげか、結構早く出てきて、なかなかおいしかったです。最後には、リモンチェッロもサービスしてくれました。

ミラノでは、いまや飲食店の多くが、中国人オーナーになっていますし、ミラノ以外の都市でも、その傾向が強まるばかり。パルマ辺りは、まだそうじゃないということなんでしょうが、きっとこのレストランなども、数年後に行ったら、オーナーが中国人に変わってた、なんてこともありそうな気がしました。
まぁ、あの女将さんががんばっているうちは、それはないでしょうけど。

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  1. 2015/09/13(日) 00:36:15|
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