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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

1500年間積もったチリ?を目の当たりにするチャンス

夏休み旅その4、ラベンナ2

ラベンナを、初めて訪ねたのは、今を去ること、えーっと、覚えてないくらい昔ですが、当時はただの田舎の小都市で、観光的には、まったく充実していませんでした。すごいものを持っているのに、正しく評価されておらず、観光都市としての顔が、非常に希薄だったんです。
だから、モザイクの素晴らしい教会も無料で、自由に入れたと記憶しています。間違っているかもしれないけれど。少なくとも、いくつかの教会を組み合わせた共通チケットのようなものはなく、ホテルも数少なく、観光的な観点からは、よそ者に対して、かなりよそよそしい町でした。

2回目に訪ねたときは、ユネスコの世界遺産になったばかりの年で(間違ってなければ1995年)、その頃には既にかなり様子が変わっていたものの(共通チケットが出来て、教会めぐりがしやすいようなシステムが整っていました)、やはり観光的ファシリティはいまひとつ充実しておりませんでした。

さらにその後、ラベンナ出身の人と結婚した友人を訪ねたのが、おそらく、今回の旅の前に、ラベンナの町を訪ねた最後ですが、もはや観光地化が激しく、恐ろしい数のホテルやレストランが林立し、大型の観光バスで到着した団体が町をうろついているために、お土産を売る店まで出来ていて、心底びっくりしました。

このわたしの訪問にかかる時間的スパンは、25年強。確かに短くない期間ではありますが、それにしても、その変貌振りには、目を見張るものがあるかと思います。
前回記事にしたクラッセの教会も、昔は、何もない場所だったのに、今はホテルやレストランが脇を固め、立派な駐車場ができている訳ですから、ほんと、時代とはすごいものです。

今回は、駅前の古い旅館に宿泊して、ゆっくり徒歩で観光。夜も、心行くまで飲めるスケジュールとして、まず訪ねた場所は、駅からも程近い、こちらの洗礼堂アリアーニBattistero degli Ariani。




住宅街に埋もれるようにして、こじんまりと佇むお堂です。

外観は、超地味です。ラベンナの建造物は、起源が古かったりするために、得てして外観が地味なのですが、中に隠されたモザイクとの落差が激しく、それがまた感動や驚きをもたらします。
この洗礼堂も、まさにそういった場所。

ここは、中に入っても、あら、地味じゃん、という一瞬があり。




でも、ちょっと見上げると。




丸いクーポラ全部を覆うように、緑基調の、優しくも美しいモザイクが、我々を見下ろしているのです。
洗礼堂だけあって、中央は、洗礼を受けるキリストの図、ですね。




らくだの皮の洗礼者ヨハネの、らくだの衣。図像では、いつも変な感じですが、ここでも例外ではなく、らくだとは思えない質感(らくだの皮がどういう感じか、知らないとはいえ)。ちょっと間抜けな表情の、頭上の鳩がかわいらしい。
ラベンナらしく、植物モチーフの帯とか、小物まで神経が行き届いていて、アップに耐えます。




絵の中の宝石が、背景の金色よりも、燦然とした様子なのが、やはりラベンナ。図像が勝つんです。

聖人の中で、いつも唯一わたしにも分かりやすいサン・ピエトロ。




オリジナルのモザイクは、勿論、壁一面を覆っていたようです。壁一面に、このレベルのモザイクがあったとしたら、どれだけ光輝いていたことでしょう。このあとに訪ねるもうひとつの洗礼堂は、ここより広い範囲でモザイクが残っているので、ちょっと想像することは出来るのですが、ただし、ここアリアーニ洗礼堂のよさも、逆に感じられたりします。
壁が、修復や再建も含め、すっきりした石積みで、天井だけ華やかなモザイクという状態なので、とても落ち着いた空気で、淡白なよさがあるのです。

その上、ここは、一連のモザイク関連施設と離れていて、無料で入れたのも、びっくりでした。

洗礼堂があるということは、当然、教会があるわけです。それがお隣のこちら、スピリト・サント、つまり聖霊教会Chiesa di Spirito Santo。




今はギリシャ正教の教会になっていると言っていたように記憶します。残念ながら、特別のミサのときしかオープンしないということで、中には入れませんが、モザイクはなくなってしまっているようです。そう、勿論、こちらにもモザイクはバリバリあったはず。オリジナルは5~6世紀ですから、まさにビザンチンの時代。
教会と洗礼堂の間のスペースにある、この古そうな壁も、おそらく当時の建物の一部なのでは、と思われます。




洗礼堂と教会が、ひとつの区切られたスペースに置かれていたのでしょう。教会前の白いナルテックスは、後代の付け足しと思われます。
今は、ちょうどこの一角が、ちょっとした広場になっていて、車も入らない落ち着いた感じのよいスペース。
我々が訪ねたときは、昼も夜もやっていませんでしたが、こんな場所で、夕食をいただきたかったですね~。

夜景、こんなですもん。




5世紀当時の夜は、真っ暗だったでしょうけれど、建物の姿は、ほぼ当時のままと思うと、なんだか、ボーっとしてしまいます。

ちなみに、15世紀分を視覚化しているのが、洗礼堂の周囲。




古い建物を訪ねると、大体今の地面が上がっているのが分かりますが、ここは、さすがに15世紀分ほどの長さだけあって、地面の差がかなり激しいですね。1.5メートルほどはあったような。つまりそれだけの期間に、チリも積もれば、で、これだけ地面が積みあがったということなんですね。

一個見ると、次々見たくなります。すぐにも次のモザイク、と思ったのですが、係員の人が親切にも、この施設は、午前中しか開いてないから、興味があったら行くといいわよ、と教えてくれた場所に向かうことにしました。
続く。

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  1. 2015/09/17(木) 06:03:18|
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