夏休み旅その6、ラベンナ4
テオドリコ宮殿と同じ並びにあるサンタッポリナーレ・ヌオヴォ教会Basilica di Sant'Apollinare Nuovo。
ラベンナ特有の、円形の鐘楼が、とても印象的。円形でも、窓の並べ方は四角い場合と同様で、一連窓から、二連、三連、と上に行くほど、区切りの数が増え、区切りの小円柱がほっそりして、縦長に、優美に見えるような工夫がされています。
この教会も、ラベンナの他のもの同様、外観は、地味。ファサード前にナルテックスがおかれて、古いイメージは共通しています。
しかし、ここも、この地味な外観からは想像できない、すごいモザイクがあります。
ここのモザイクは、中央身廊と側廊を区切る壁上部にびっしり。左。
そして、右。
一番下に、女性と男性がずらりと並び、窓のある場所は、聖人か預言者、一番上部、一番小さいスペースに、聖書エピソードが並んでいるという構成です。今回、時間もたっぷりあったので、細部までゆっくりじっくりと堪能できました。
何度もしつこいようですが、ここも、基本的には背景に金を使っているんです。それもふんだんに。でも、全体としてみたときに、目に入ってくるのは、金色というよりも、もっとずっと落ち着いた淡い色彩。ラベンナ、なんですよねぇ、これが。
近寄ると、でも確かに金です。
この教会のイメージとして、おそらく最も有名なマギ。
いい色使いですよね。発色のよい派手な色を使うのですが、組み合わせがよいというのか、ぎらぎらしたいやらしさが一切ないんです。背景も、緑がふんだんに入っているから、金が抑えられているんですね。
とても細かいガラス片を使っているので、相当のアップでも、崩れることがありません。
ほっぺたに、ちょん、と赤を入れたりする技術が憎いっていうか。こういう小さなポイントが、遠めで見たときに、きっと生きるんだろうなと思います。
あまりにもたくさんの人物が描かれているので、ちょっとイケメン探しなどもして見ました。
大天使の一人。
そしてこちらは、ちょっとオリエント入っているような。
やはりビザンチンだから、入っているんでしょうかね。目はパッチリ大きいけど、全体には結構あっさりしてるし、頭が、後光あるけど、ちょっと仏陀系の感じもあって、面白い。
女性の方も、なんかちょっと東洋的な雰囲気あります。
東洋のバタ臭い女、みたいな。
はっ。バタ臭い、なんて、もしかすると、死語?
多分、これまではあまりちゃんと見てこなかった、最上段の小さな絵を、一生懸命撮影してきました。現場で、オペラグラスでも見たんですが、やはり写真の方が見やすい。とにかく、信じられない細かさ。
その上、色がやっぱりびっくりするくらい美しい。
ラザロかな~。包帯ぐるぐる巻き。
この下のも、よくアップで使われる一枚。
すっごく斬新。青と赤って、激しいけど、こんな小さいから、強すぎない。
キリストも、ちゃんと年をとってる。若い頃のエピソードでは、かわいらしい好青年。だんだん渋いオヤジに。
ユダっち。右は聖職者、左は俗人ということで、色もきっと考えてたんだろうなぁ、と思わされます。
最後の晩餐。この構図は、面白い。ぎちぎちで、小さなお魚集団、めざし的な。中央にはお魚だしね。
次回は、かわいいものをフューチャーしたいと思います。
最近はまっている写真サイト。ロマネスク写真を徐々にアップしています。
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- 2015/09/22(火) 02:55:23|
- エミリア・ロマーニャ・ロマネスク
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| コメント:2
> ガビィさん
よかった~、楽しんでくれる人がいて~。有難うございます。
写真のアップで、あらためて細部を見ていて、あらためてすごく感心しています。本当に素晴らしい。またすぐに行きたくなってしまいました。
でも、現場では、上を向く姿勢ばかりで、首が痛くなっちゃって、長時間見るのはきついんですよねぇ。
- 2015/09/22(火) 22:04:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
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