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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

犬掻き(?)で逃げる豚3匹…。

夏休み旅その7、ラベンナ5

サンタッポリナーレ・ヌオヴォ教会Basilica di Sant'Apollinare Nuovo続きです。

ここでは、イケメン含め、本当に美しいモザイクとともに、びっくりするくらいかわいらしい独創的な作品も見つけることが出来ます。
いや、当時は教会装飾ですから、かわいいとか美しいという見方は、本来的外れだと思うのですが、でも、そうなんだから仕方ないですね。

聖書エピソードが並んだ、最上段、各エピソードの間には、同じ装飾的なモチーフが挿入されています。




これ。天辺に十字架があって、両脇に鳩がカップルで描かれています。
そして、各エピソードの下にも、鳥のカップルが。こちらの鳥は、色も形も、実にいろんな種類。




ラベンナのモザイクの中には、そういえば、動物や植物が、ふんだんに使われています。それにしても、ここの鳥たちは、今まで注目してなかったと思うんです。かわいいし、種類がすごいのにびっくりします。




最後の方に、気付いたので、あまりちゃんと写真が撮れませんでしたが(なんせ、遠い上に小さい…)、でも、結構写実的できちんと描かれているのが分かると思います。野鳥の会の人だったら、種類が分かるくらい、多分。




周囲の帯模様も、とてもきれいです。




これらモザイクに目を奪われて、そのほかの装飾に気付かないということも多いと思うのですが、それはもったいないことです。この教会でも、必ず内陣部分に注目してほしいです。

全体の造りは、ちょっと、どうかなって感じもあるんですが、チボリオの名残。




蛇紋岩とか斑岩とか、そういう石ですかねぇ、ワインカラーの柱に乗っかっている柱頭が、とてもラベンナ的なレース・モチーフなんです。




こういうすかしっぽい柱頭は、ビザンチンなんでしょうか。他ではここまで透かし風は、あまり見ないモチーフです。




そして、内陣の障壁。




内陣と本堂を分割する壁構造は、ロンゴバルト辺りまでの古い教会で見られるもので、その壁装飾も、わたしはロンゴバルド風の浮き彫りが好みですが、ここのは、柱頭の流れというか、本物の透かしになっているから、びっくりです。おっされ~!




最後に、細かくかわいかったシリーズ。




さて、どこにあるでしょう。




犬のようなしぐさの羊。

次は、これ、なんだろう?と思ったら、キリストが悪魔つきの男性を救った場面で、悪魔に飼われていた豚が逃げ出すとかそういったエピソードらしいんです。豚。湖に逃げ込んで、必至に犬掻きしている犬にしか見えないんですけどね。ちょっと情けない顔してるのが、面白い。




ラベンナへ行く際は、必ずオペラグラスや望遠鏡持参のこと。
旅行者情報としては、中庭に立ち寄り、回廊を前景とした美しい鐘楼と堪能するとともに、おトイレを借りるとよいですよ。




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  1. 2015/09/23(水) 06:02:29|
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