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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

名前フェチって、ありでしょうか。

夏休み旅その12、ラベンナ10

いよいよ、メインエベント、的な、サン・ヴィターレ教会Basilica di San Vitaleです。久しぶり~。近所の雰囲気も忘れているし、こんな入り口だったことも、まったく記憶にありませんでした。




教会そのものの姿は記憶になりましたが、周囲にあるラベンナ特有の円筒形の塔とか、石棺等は、まったく記憶になし、といういつものパターン。




この教会一帯は、鉄柵で囲まれて、公園のようになっていますが、石棺、ざくざくと並んでいました。多分、気にしたことなかった…。幸いというかなんというか、見るべき装飾のある石棺は、ほとんどなかったんですけどね。

そんな、過去の訪問との対話を脳内で繰り広げつつ、サン・ヴィターレ、入場です!




しゅごい~!
と言っても、ここも、完璧に往時のモザイクが残っているのは、今となっては、教会一部のみ。おそらくですが、もっと広い範囲にあった可能性を思うと、ますます開いた口がふさがらないというか、あ、これ、多分、間違った日本語って感じ。

とにかく、まずはこれ、これをしっかりと見なければ!




ビザンチンのテオドラ妃。目一杯着飾っているのに、マントは地味(実は裏とか裾にしっかり装飾があるという江戸の粋的お洒落満載)なのが、たまりませんね。

テオドラって、一瞬ロンゴバルドのテオドリンダと混ざってしまいました。
ちょっと名前フェチなところがあって、特にお伽話的なロンゴバルド起源の名前は、それだけで何かをかきたてられてしまうものが多いのですが、そういう中では、テオドリンダは、かなり普通の、かきたてられにくい名前。
テオドラ、テオドリンダって、似ていますし、起源は一緒なのかな、とか思ったんですが、そこが、LとRの区別できない日本人の悲しさ。TeodoraとTeodolinda、似ているようで似ていないかも。
でも、似ているかも、というところで、「テオ」起源に、フェチの血がちょっと騒ぐかも。




宝石満艦飾です。さぞや重かったのではないでしょうか。頭もイヤリングもすべて宝石、それも本物。ポニーテールにしただけで、頭痛がしてくるわたしには、想像もつかない…。
眉毛がつながっているのが、ビザンチンって感じします。
それにしても、並んでいる侍女たちの衣装も、どれも大変豪華な感じが出ています。

対面にあるのは、皇帝。こちらのモザイクも有名ですね。




皇帝だけをクローズアップするのでなく、従者を一緒の縮尺で横並びに表すところが、逆に皇帝の自信を強調するような、そんな図像です。
絵の縁取りのモザイクにも注目してほしいです。なんと装飾的で、そして、なんと独創的な色使いをしていることか。

黄金の背景も素晴らしいのですが、キリストのシンボルの入った楯の、このターコイズ・ブルー的な青が、大変好きです。




楯は勿論として、縁取りも宝石満載ですね。モザイクなのに、宝石と同じくらいの輝きを放つというか、宝石と同じような美しさを感じてしまいます。

とにかく素晴らしいモザイクがびっしり。でも、この皇帝と皇妃のモザイクと、それ以外の、聖書エピソードなどを描くモザイクでは、人の顔の表現などがかなり違うので、複数のマエストロがかかわっているものだと思われます。

あちこちでおなじみの緑を基調としたモザイク。ね、絶対に違う人の絵が元になっていますよね。




それにしても、あまりのすごさに目移りしちゃって、アワアワ状態。




目が留まる、すべてのモザイクが、とにかく美しくて素晴らしいんですから。
これもいいでしょう。
濃紺の背景で、二人の天使が支えるキリストの印。




その青が、さっきの青とも微妙に違う夕暮れ時の青にも近い色で。うっとりしますねぇ。その下は、やさしい緑の背景だし。

ふと、目をそらすと、アーチに沿って描かれた、聖人や預言者の肖像画。




この細かいテッセラでのモザイク、すごい技術なんでしょうねぇ。
細かいからこそ、びっくりするくらい繊細なモチーフや色使いが出来るということですから。肖像画の縁取りや、アーチそのものの縁取りのモチーフの多色はすごいですよね。
そして、キリストの顔は怖いけど、各肖像を支えるモチーフの愛らしさには、ついにんまりとしてしまいませんか。




お魚モチーフなのは、やはりキリストのシンボルだからかしらん。それにしてもこのお魚、深海魚風なのが、なんともいえません。尻尾はイソギンチャクみたいだし。
そして、絡まりお魚ペアの下には、鳥のペア。どこまでラベンナなんだか!

細部をみていけばきりがないのですが、鳥・魚シリーズでは、こういったものも。




余白的な場所に表された装飾的モザイクも、聖書エピソードや、歴史上の有名人物などに引けをとらない豪華さでなされていて、ラベンナの面白さは、こういうところにあるかと思うのです。パレルモやローマに残されたモザイクは、そういうモザイクが少ないので、実に貴重です。

ここでも、四大天使がキリストを支える図像があります。




どひゃ~、なんと装飾的な!
中心の神の子羊は、きらきらの装飾的な植物リングで囲まれているし、各四大天使も、背景がキラキラ!サンタンドレアや、ローマのサンタ・プラッセーデなんて、ふん!って鼻で笑われてしまいそうな豪華さですね。
個人的には、こうなるともう、ちょっと、ですけれど。

続きます。

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  1. 2015/10/18(日) 06:07:18|
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