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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

お楽しみは、壁のみならず。

夏休み旅その13、ラベンナ11

サン・ヴィターレ教会Basilica di San Vitale、続きです。

本堂に入ると、どうしたって、まずは壁や天井モザイクに目が行ってしまいますが、それら以外にも、しっかりチェックすべき素晴らしい芸術が、ここには、たっくさんあります。
たとえば、同じモザイクとしては、かなり地味ですが、やはりレベルの高い床モザイク。




時代が、いろいろだと思うのですが、たとえば、この上のは、比較的新しいように思いますが、それでも、いずれも素晴らしいことには違いなし。
作品としても素晴らしいし、保存状態も文句なし。




これは、かなり中世っぽいタイプ。
床モザイクも、やはりテッセラが細かくて、デザイン的なモチーフでも、びっくりするほど繊細なイメージが描き出されています。
壁モザイクとも呼応しているような。




実は、床モザイクについては、過去にきちんと見た記憶がないのですが、おそらく十数年前は、今のように、立ち入り禁止などにはなってなかったんじゃないかと思います。だから、逆に、注目することもなく、何の気なしに踏みしめていたんじゃないか、と。




または、きちんと修復されていない状態であったかもしれません。今は、メインのモザイク・スペースは、柵で囲まれて、踏みしめることが出来なくなっていますが、その代わり、注目しますので、きちんと意識して、鑑賞できるようになったわけです。




やはり、オリジナリティ、高いです。テッセラがここまで細かくなくてもいいんじゃないのか、というくらい小さいのですが、一片一片が小さいからこそ、繊細な図像が描き出せるのでしょうね。

その他、柱頭にも注目です。




この、透かし彫り風、レース風の柱頭こそ、ビザンチン起源で、イタリアでは、ビザンチンのラベンナやベネチアでしか見られなかったタイプなのだと思います。

副柱頭も、同じ時代かどうか不明ですが、透かしのバックに、赤とか色が入っているんですよね。本当にレースみたい。




マットな彩色は、フランス・ロマネスクで今でも見ることが出来ますけれど、ロマネスクでもオリジナルでは彩色されていたというのは、こういうところに起源があるのかな、と思わされます。




完璧なレース。
上の壁モザイクの派手な彩色との対比がすごく印象的。







というわけで、サン・ヴィターレ、やはりすごいです。見ても見ても、なかなか堪能した気分になれず、何度も同じところを行ったり来たり、ぐるぐる。

時代とともに、かなり手が入っている様子も分かり、そんな中で、ビザンチンのいろいろなものが、よくこれだけ残ったな、と感心しつつ。

だって、建物構造や要素はそのままながら、今ある装飾の大半は、バロックですよ、こんな。




おそらく、柱頭も、黄金に塗りたくられた時代など、あったのかもしれません。いっそ、表面的な装飾が剥げ落ちちゃっている場所の方が、ほっとしたりもします。




そういうもろもろも含めて、本当に素晴らしい。
いつまで見ていても、やはり名残惜しいけれど、次に行くべき場所があるので、そろそろ移動します。




次訪ねるのはいつになるか、また次があるのかどうかも分かりませんが、そのとき、何を覚えているのか、楽しみです。

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  1. 2015/10/19(月) 04:45:33|
  2. エミリア・ロマーニャ・ロマネスク
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:6
<<濃紺の雪の結晶にうっとり。 | ホーム | 名前フェチって、ありでしょうか。>>

コメント

No title

おはようございます。
ランダム・ブログより勝手ながら訪問させて頂きました。
貴方のブログを拝見致しましたが、とても素敵なブログですね。
実は私もブログを公開しています。
貴方ほど素敵なブログではありませんが、もしよろしければ見に来て下さい。
内容は四コマ漫画でして、タイトルは「ボクら川越の警備員でーす!」と言います。
きっとストレス解消になると思いますので、是非見に来て下さい。
どうかよろしくお願い致します。
  1. 2015/10/18(日) 21:06:00 |
  2. URL |
  3. kei***** #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

ここはクラッセの次に行ったせいか、豪華させまってくるようで息詰まるほどでした(人もいっぱい)。当然床は見ていない。ここも再訪すべきでしょうね。ラベンナで心残りは司教座博物館をみなかったことで、ここはリベンジ予定ですが サン・ヴィターレも行った方がよさそうですね。
ブレシアまで足をのばしたいしポンポーザ行くもり。ここはラヴェンナからタクシーでしょうね。帰りはコディゴロ、フェッラーラ経由。Veronaのサン・ゼノも。 Veronaは一日とりたいし。ヴェネツィアに行くなら、 トルチェッロ島ももう一度行きたい、日数が足りません。今必死になって予定をくんでいるところです。ノナントラは冬季休みでしょうか。
  1. 2015/10/19(月) 09:07:00 |
  2. URL |
  3. yk #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

> kei*****さん
訪問有難うございます。
川越ですか。今度、遊びに行かせてくださいね。
  1. 2015/10/19(月) 22:11:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

> ykさん
ラベンナは、久しぶりにじっくりと見学して、やはりすごい、と感心しましたが、あらためて写真を見ながら、また感心しているところです。
訪ねたい場所が満載ですね。ボローニャ拠点だったら、サン・レオは、どうでしょうか。また、ブリジゲッラの近くのPieve di Thoとか?この時期だと、週末しか開けない教会も増えるとは思いますが、エミリア・ロマーニャやマルケには、勿論言わずもがなでしょうが、そして既に行かれているかも知れませんが、よい場所がたくさんあるので、トルチェッロまで足を伸ばすのは、もったいないような気もします。
  1. 2015/10/19(月) 22:15:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

Pieve di Thoいいですねえ。こういう素朴な感じのするロマネスクが好き。でもここは冬期は開いていないらしいです。それにポツン一つに時間をかける余裕がなくて、まとめていくつか見られる方がいいのです。同じように鄙びた?所なら西に行ってカステッラルクアート、ヴィゴロ・マルケーゼもいいかしら、ここはkikuko様もいらしているし、と 考えてもいます。そうなると ヴぇネツィアはカット、8連泊といっても実質7日、ブレシアとヴェローナを一日にまとめられるといいのですが、日が短い時期ですので時間も厳しいです。毎日貴ブログ、それにkikuko様やアリーチェ様のブログを拝見しながら行程を考えています。サン・レオはリミニですか?。リミニもいくつかあるようですね。
  1. 2015/10/21(水) 12:07:00 |
  2. URL |
  3. yk #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

> ykさん
Pieve di Thoは、わたしもまだ行けてないのですけれど、素敵ですよねぇ。あの辺りは、訪ねたい小さな場所がいくつかあるのですが、冬は開いてないところが多いので、悩ましいです(夏は、海で混む場所なので)。
Castell'arquato,Vigolo Marchese,Vigoleno辺りは、ロマネスク初期の頃に何度も訪ねた場所で、でもいつ行ってもいいところと思います。車がないと、足がちょっと不便なのかと思いますけれど。
サン・レオは、リミニからバスがあるのかと思います。Kikuko様の情報にあったかしら。彼女の記録、すごく役立ちますよね。
サン・レオ、小さな村に二つも立派な教会があって、圧倒的ですよ。
素敵なご予定が立つとよいですね。
  1. 2015/10/21(水) 22:05:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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