夏休み旅その14、ラベンナ12
サン・ヴィターレと同じ敷地内にある、ガラ・プラチディアの霊廟Mausoleo di Galla Placidiaに移動です。
ここはもう、なんだかこのたたずまいだけで泣けるくらいに、清純で無垢なプラチディアそのものって感じがするよね。
入ってすぐの天井部分に広がる、この雪の結晶モザイク!
初めて訪ねたときと同じ驚きって無理だけど、それでも、やっぱり同じように美しいなって、そういう感動はあります。
初めてラベンナに来たときって、何が自分を待っているか知らないことが多かったし、ここなんて、本当にびっくりしたかすかな記憶があるな~。初めての出会いっていいよねぇ。
写真を含めて、多くの情報をネットで簡単に入手できるって言うのは、とても便利だし、訪ねたくても訪ねることができない人にとっては、素晴らしいことでもあるのだろうけれど、でも、そういう手段がない時代に生きる時間が持てて、しあわせだったような気はする。
建物は、ラテン十字型で、雪の結晶のアーチをくぐって中に入ると、中央部のクーポラの下に出ます。
正面のくぼみ部分に、ガッラ・プラチディアの石棺と言われている石棺がドカンと置かれていますが、彼女は、ここには眠っていないはず。ずっとローマで過ごしていたような。そういえば、バチカン博物館にも、彼女の石棺があったような?
とにかく、この霊廟は、小さいけれども、建物内側の半分から上は、すべて、隙間なくモザイクで覆われています。これだけ見事に往時の様子を残している建物は、他にありません。
解説によれば、シンボリズムでいっぱいということらしいですよ。ここは、ゆっくりと解説を読みたいところですが、それは、今度、「ロマネスクのおと」更新の際にでも…。
今は、美しいモザイクを堪能したいです。
先に進むと、中央部になり、天井のクーポラ部分には、星空が広がります。
ちょっと前に紹介した、博物館内にあるサンタンドレア礼拝堂の小さな後陣と同じモチーフ。あちらは、金銀が混ざっていましたが、こちらは金色だけで、キラキラ輝いています。四隅には、有翼のフィギュアに姿を変えた四福音書家の姿が描かれています。
縁取りが、渋い赤を背景としたリボン模様というのも、とてもオリジナリティが高くて、ラベンナですねぇ。
クーポラのさがってきた壁部分まで入れると、こういう状態です。
窓には、オリジナルではないでしょうが、アラバスターの板がはめ込まれているので、外光の入り方がかなり穏やか。それでも真夏だったので、薄ぼんやりとしたいい感じの光が入ってきます。
それぞれ、窓の下に、同じ杯から水を飲むペアの鳩がおり、両側には、使徒が、やはりペアで立っています。
さらに下、十字の腕の奥の方の半円には、もっと物語的な絵があり、よき羊飼いとか。
こちらは、拷問というか殉教の絵。網で焼かれて殺されちゃうのは、サン・ロレンツォでしたか?
怖い~!
そしてこちらはキラキラの中に鹿のペア。
やはり仲良く水を飲む図なのですが、水は生命の象徴なのだそうです。全体に対比的に、死を想起させる図像となっているとか。
ここでも色がすごいですね。氾濫していますが、いやらしく派手にならない色使いが、すごいです。
モチーフにしても、ここの壁と、アーチの下と、つながっている場所なのに、それも、かなりハデハデな縁取りでつながっているというのに、全体としてはまったく違和感なく、しっくりしちゃってる。
なんだろう?モザイク・マジック的な?
外観から想像つくように、本当に小さい建物です。そして、すぐお隣のサン・ヴィターレには観光客がわんさか。でも、その割には、意外と大丈夫。というのも、モザイクが上部だけだからかな。実は、かなりの人がいたりします。
春、修学旅行とかが多い時期が最も混むようで、その一時期は予約必至とありましたが、それ以外はフリーで大丈夫です。
入り口に、「狭いので、10分程度で出てください」、みたいな注意書きがありましたが、ほとんどの人は、そんなに滞在しません。だから、結構ちゃんと流れるみたいです。
結構長くいたように思っていましたが、今、写真でみると、貪欲な我々ですら、せいぜい15分程度過ごしただけだったようです。
やはり狭いので、どうしようもなくなっちゃうんですね。
そして、写真も意外と撮っていませんでした。どうしても、見てしまって、写真を忘れるというか、自分の腕では撮りきれないので、あきらめてしまうというか、ちょっとそういう感じ。
それでいて、今改めて写真を見直していると、どのモザイクも、見れば見るほど美しくて、もっと撮影してくればよかった、などと思ってしまいます。
ここもまた、後ろ髪を引かれる思いで後にしました。
この、いかにも初期キリスト教的な、単純で美しい建築スタイルを見ながら、しばしモザイクを反芻し、そしてサン・ヴィターレとこの霊廟の美しすぎるモザイクにあてられてしまった気分を立て直して、次に出発。
ラベンナ・モザイク・ツアーは、ほんとに、果てしなく、どこまでもモザイクです。
最近はまっている写真サイト。ロマネスク写真を徐々にアップしています。
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- 2015/10/20(火) 06:10:03|
- エミリア・ロマーニャ・ロマネスク
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| コメント:2
う~~ん 美しいです。
実際おとずれてみたい。
可能性ないから写真を見せていただいてうれしいです。
- 2015/10/20(火) 04:44:00 |
- URL |
- ガビィ #79D/WHSg
- [ 編集 ]
> ガビィさん
モザイクお好きでしたね。是非訪れてほしいものですけれど、誰でもがいけるわけじゃないですもんね。
今回の写真も使って、サイトの方を、キチンと再構成したいと思いますので、いつになるか分かりませんが、またそちらの方でも楽しんでいただけるように、がんばります!
- 2015/10/21(水) 22:06:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
- [ 編集 ]