夏休み旅その17、フィレンツェその2
サン・ミニアート・アル・モンテ教会San Miniato al Monte続きです。
今回、この教会の印象がいつも以上に強かったのは、訪問の最中にオルガンが演奏されていたこともあります。
祭壇に向かって左手の方に、立派なパイプ・オルガンがあり、どうやら練習をしていたようです。
素晴らしい音で、しばらくうっとりと楽しみました。
柵があるので近づけませんが、ミサや演奏会の最中であれば、これほど身近に演奏風景を見ることはできないので、興味深々で見てしまいました。演奏者はいやだったかもな~。
この近くの壁に、古いフレスコ画がありますが、わたし好み。
確か12世紀頃のものだと思いますが、これほど古いのは、この部分だけ。かつては、もっと広い範囲が、フレスコで飾られていたのでしょう。
色は褪せていますが、褪せ具合が渋くてよろしいですね。
必見ポイントが尽きないサン・ミニアート、クリプタもそのひとつです。
ロケーションも、ファサードも、本堂も、常に多くの観光客がいるのですが、意外とクリプタにまでは降りてこないもんです。そしてこのクリプタ、そういう教会にありながら、常に薄暗くて、祈りの場所であることが、ひしひしと感じられる空気が、いつも張り詰めている気がします。
本堂に戻り、説教壇のライオン君に挨拶。
目が合うと、ちょっと怖いやつですが、かすかににっこりしている様子もありますね。
外に出ると、ファサードにも、やっぱりかわいいやつがいますよ。
舌をペロッと出しているの、分かりますか。
ファサード、よく観察したら、上の方に、本堂床面のはめ込みと同じペア・モチーフのはめ込みが並んでいました。
ルッカのサン・ミケーレとかドゥオモに通じる面白さがあります。そう、ルッカ系列ですね。
見ていれば見ているほど発見があって、飽きない教会ですが、いつまでもここにいるわけには行かないので、町に戻ることとしました。のぼりはバスで着ましたが、戻りはぶらぶらと歩くことにしました。
坂道を下っていくと、中世の市壁。今でも、途切れながら、結構続いています。
旧市街に入り、アルノ川を右手にしながら、散歩しました。18世紀以降の町並みがほとんどとなっているミラノとは異なる、中世の雰囲気を残した都会の町並みは、お散歩していると、やはり楽しい。重厚な石積みや、何のためにこれほど小さいのか、というような扉、古い呼び鈴。歩いてこそ目に付くものがたくさんあります。
フィレンツェを訪ねても、めったに行くことのないサント・スピリト地区を歩いていたら、なんと、中世に遭遇。
サン・イアコポ・ソプラルノ修道院Convento di San Iacopo Soprarno、11世紀の修道院教会でした。残念ながら閉まっていましたが、ファサードの軒下に、しっかりこんなものを発見。
人の頭に食らいついている姿なので、かなり怖いんですが、でも、あ、見つかっちゃったぁ?と無邪気なフリをして首をかしげている様子が、愛らしい~!
白と深緑の石は、サン・ミニアートと同じで、幾何学モチーフの装飾となっていますので、同じ頃の建築なんでしょうね。
ポンテ・ヴェッキオからのアルノ川。
いつも同様すごい人ごみで、橋のちょうど中央辺り、建物が途切れた撮影スポットは、ごった返していますが、探すのが習い性になっているので、中世から古代もの、つい見つけてしまいます。
だからなんだよ、って代物ですけど。それも、レプリカの可能性も高いですけど。
何の碑文か不明ですが、冒頭の「1000年」は判読できました。意味ないけど!でも、ということは中世の碑文。
本当にだからなんだよ、なんですが、こういうの見つけると、嬉しくなっちゃうんですよね。特に、フィレンツェのように、ルネサンス中心の町なんかでね。ローマで中世に出会うのが嬉しいように、いかにも、じゃない場所でなじみに出会うと、ほっとするような嬉しさがあるんですよ。
それも、このように、既に何度来たか分からない場所で、何か見つけちゃうとね。きっと、過去にも見ていると思うんですが、特に気にも留めなかったに違いないんです。興味によって、そこにあるものが、まったく違って見えるというのは、なんというか、感動的なことだと思うんですよねぇ。なんか哲学的でもあるし。大げさか。
橋をわたりきって、シニョリア広場。
本格的観光モード、入ります。
最近はまっている写真サイト。ロマネスク写真を徐々にアップしています。
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- 2015/10/29(木) 06:56:23|
- トスカーナ・ロマネスク
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