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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

後陣まで行列とはびっくり、花の聖母寺

夏休み旅その18、フィレンツェその3




フィレンツェには、わたしの好きなロマネスク時代のものはほとんどないので、ここからは、普通の観光旅行。時間を気にしたり、撮影に没頭したりする必要もないので、ある意味実に気楽。何にも捉われる必要のないこういう旅っていうのも、たまにはいいなぁ。

そして、これだけ何度も訪れているフィレンツェで、最も著名な観光地のひとつでもあるこちら、実は今回初めて訪ねることとなりました。

メディチ家礼拝堂、今は博物館になっているので、メディチ家礼拝堂博物館Museo delle Cappelle Medicee。




別に計算した見学ではなく、人の少ない早朝にドゥオモを訪ねるつもりで歩いていたところ、途上にあったのと、行列もなかったので、とりあえず入っとく?みたいな気軽な感じで入場したのです。

既に中世脳で、ルネサンス以降が苦手になっている身に、入ってすぐこれ。




若干辛い~!
とは言え、なんか、この色とりどりの石壁見ると、しみじみメディチの財産とか感じちゃいますわ。すべての装飾が、わたしにとってはただのゴテゴテだけど、でもある時期のメディチの人たちは、確実に芸術を理解して投資したわけだから、やっぱり歴史を実際に感じるためには、とても重要な場所ではあるわけですけどね。

目的は、勿論こちら、ミケランジェロの作品がある祭具室。




美術の教科書に出てきた彫刻だよ~!今更本物に面会する日がこようとはね~!っていうか、散々フィレンツェに来ていたシエナ時代、なぜ一度も来てないかね、ミケランジェロは好きなのに。
皆さんご存知かと思いますが、ジュリアーノ・デ・メディチの墓所。昼(男性)と夜(女性)を、擬人化したものですね~。
女性の胸が異常なのが、さすがにミケランジェロというか、この人、ヌードの女性、ほとんどだめです。バチカンの着衣のマリアは美しいですが、アレは若い時代だったこともあるのかな。
向かいにはロレンツォ・デ・メディチの墓所で、やはり男女のフィギュアで、夜明けと夕暮れが現されています。




でも仕事が遅くて、結局石棺は間に合わなかったんだそうですね。いくらよいものを作ってもねぇ、ミケランジェロ。それでも、こうしてきちんと今に残っているんだから、作らせた甲斐はありましたっていうところでしょうか。

美少年には力が入っています。




ジュリアーノって、こんな美しかった?知らないけども、確実に美化してますよねぇ。

同じ祭具室の一角に、こんなものも展示されていました。




なんだろうと思ったら、これ、屋根の天辺の飾り。こんなもんまでミケランジェロ作。なんか、普通に十字架を支えの上に置く形がいやだったんだろうな。で、十字架の下の球体、60もの三角面からなるんだそうな。底辺が五角形となるような12のピラミッド型が出来ることで、太陽光を反射して、よりキラキラするような構造になっているとか何とか。
作ったのは勿論職人さんで、ミケランジェロが設計したらしい。もしかして、レオナルドの影響があったか?とか、つい考えてしまいますね。
ミケランジェロが、こういう作品まで残していること、知りませんでしたわ。

実際どうかと言うと。




今置かれている方が、勿論レプリカですけどね。ズームアップ!




そりゃ、ただの球体や四角や三角よりは、確実に光を反射して、輝くよね。この日は大要強すぎて、乱反射も何も、何もなくてもぎらぎらだから、効果があまり分かりませんでした。

暑くても、さすがフィレンツェの旧市街で、この辺りは、団体客がそこかしこ。何も持たなくても、断片的にガイドを聞くことが出来ますね。この、左の建物は、ストロッツィ宮とかでしたか?いずれにしろルネサンス期の大金持ちのお館。




通りすがりに耳に入ったガイドさんの説明だと、一般人に目のつく下部は、あまり手を加えず華美な装飾もせず、上階だけをきれいにするのが、庶民の反感を買わないようにする知恵でしたとか何とか。
ええ~?それって逆に反感買わないか?庶民、馬鹿にしてますよねぇ。びっくり。

そして、やっとドゥオモに到着。




既に11時半。そして、既に長蛇の列。
ただ、入るだけなのに、列。ウフィッツィすら行列などしたことのない20数年昔、ドゥオモに入るために行列する日が来るなんて、誰が想像したでしょうか。




後陣を取り巻くように行列が出来ています。この辺りは、クーポラに登るための入り口もあり、そちらの行列もあるので、かなりカオス。
あまりこんでいなければ、二重数年ぶりにクーポラ登山もいいな、とちょっと思っていたのですが、即断念です。でも、前回時間切れでドゥオモに入れなかった姉を、本堂にはどうしても連れて行かねばならないので、長蛇の列の最後尾に着きました。




遠そうに見えた道のりですが、所詮は教会に入るだけの列なので、結構スムーズに進んでくれました。それでも20分ほど並んだようです。
そして、これだけの行列で入るわけですから、内部も大混雑で、教会の敬虔なムードゼロ。まぁこれは昔からそうでしたが。
がっかりなのは、通路が出来ていて、そこしか歩くことが出来ず、後陣は、かなり手前に柵が立てられて、奥の方には近寄ることも出来なかったことです。
パッツィ家の陰謀の舞台、祭具室などに近寄ってみたかったですけれども、かないませんでした。




ロレンツォが逃げ込んだ祭具室は、ここかと。ロッビアの陶器装飾で、リュネッタが飾られているようですね。




なんか、でかいけど、無愛想だし、サン・ミニアートの静謐と人間らしいサイズが恋しくなります。
唯一よかったといえるのは、お土産屋さんでしょうか。地下のサンタ・レパラータ教会入場口の隣に新設されていて、結構充実していました。お勧め。

というわけで、並んだ割にはさっさと見学終了。
やはりここは、外からの眺めがベターです。




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  1. 2015/10/30(金) 06:47:54|
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