グラッパ合宿、2015年秋、ピエモンテ編、その4
新しい一日の始まり。アルコール摂取に備え、たっぷり朝食をいただいて、出発です。
まずは、同行者が、何度かトライしたけれど、結局訪問がかなわなかったというお店屋さん兼生産者さんである、こちら。
Grapperia Artigianale Ali' di Poglio G. E A SNC
Viale Indipendenza 110/116, Canelli (AL)
普通の酒屋さん。
近所の蒸留所のグラッパをたくさん取り扱っています。手前に、ベルタの特徴的なボトルが見えます。
でも、お店の裏に工場があって、瓶詰めしています。
基本、よそから購入したグラッパを瓶詰めして、自分のブランドで売っているスタイル。今回の合宿の、トップバッターで訪ねたサン・トマソさんのようなグラッパ生産者から買っているということです。
ちゃんと試飲もさせていただきました。
オーナーさんご兄弟、とても気さくで、同行者とはサッカーの話題で超盛り上がっていました。そういうところも、ご近所の酒屋さんです。
自社ブランドのグラッパは、おいしいですよ。その上、お値段がかなりリーズナブル。また、店で販売している他生産者さんの品についても、納得値段でした。
近所の生産者さんで、親がなくなって、きょうだい間で相続問題が起こり、結局兄がブランドを引き継ぎ、妹は袂をわかって、別ブランドを立ち上げた一族の話とか、ワイドショー的なお話を聞かせてくれたり、そういうのも面白いもんです。遺産相続、貧乏人にはまったく関係ない話で、引き継ぐもののないきょうだいには、仲たがいする理由もなし、仲良しでよかった、と思いました、笑。
というわけで、ここでも二点、お持ち帰り。もはや、「買わない」自戒はどこへやら、です。
意匠が若干しつこいラベルで、棚にずらずら並んでいるとうるさい感じだったのですが、こうやって二本程度だと、ちょっとレトロな感じで、悪くないですね。
ネッビオーロの方は、正統派ドライなグラッパ。モスカートは、おなじみ。さわやかで香り高く、モスカートがおいしくないってことは、まずありません。樽で熟成させているタイプは、ほぼ必ずおいしくいただけるので、安ければありがたいっていうものです。
このお店の前にある駐車場で、面白いもの発見。
車道との柵なんですが、真ん中の写真。
アップにすると。
トリュフ様…。
カネッリですから、アルバにも近く、この辺りは、とにかくあちこちの町村でトリュフ祭りの真っ最中です、確かに。でも、この絵はないよねぇ。
他のは、教会とか歴史的建造物や観光がらみのイラストや写真で、いたってありがちな普通なものばかりなのに、トリュフの実物写真は、ちょっとフォトジェニックとはいい難く。
それだけ、気合が入っているということなんでしょうけどね、地元では。
でも、今年はトリュフがよくなくて、収穫も少ないし、香りもいまひとつだとか。実際、レストランで、お隣のテーブルで食べているのに、香りがほとんどしない、ということがあり、納得です。レストランでは、パスタなり目玉焼きなりのお皿に、トリュフ卸しを添えた状態で、適当な大きさのトリュフが供されるのですが、すりおろす前から香りが漂うし、すったら、ぶわ~っとトリュフまみれになるような香りとなるんです。
それが、全然。かえって不思議でした。
美しい車窓風景を楽しみながら、次の蒸留所に向かいます。
今回、一部紅葉も楽しめましたが、多くの土地で、まだ緑満載、という状態でした。急激に寒くなった週末ではありましたが、その前もあとも、気温は高めでしたからね~。
途中、バルベラ・ダスティBarbera d'Astiの共同販売所がありましたので、せっかくなので立ち寄り。
Cantina Sociale, Barbera dei Sei Castelli
Societa' Cooperativa Agricola
Reg.Opessina 41, Castelnuovo Calcea (AT)
10時半ごろですが、グラッパに続いて、こちらでは赤ワイン。試飲を頼んだら、なみなみとそぞいでくださいました。
不思議なもので、いや、不思議でもなんでもないですかね。アルコール度40度超のグラッパのあとでは、15度程度のワインは、するすると水のように飲めてしまうので、びっくりしました。危ない危ない!
数々の賞をとっているワインも、かなり安いお値段でしたので、何かの折のお遣い物として、二本購入。
もっと買ってもいいのですが、なんせ、小さい車に三人のりで移動しているので、スペースの問題もあるんです。その上我が家には、適切な保管場所がないので、買いすぎると困る事情もあるんですよね。残念でした。
ここは、まさに地元の酒屋さんですから、地元の方々は、量り売りで買うんじゃないでしょうか。
我々が訪ねたときも、大きなポリタンクで、リットル買いしている先客がいました。
いくらか忘れましたが、リットル2ユーロとか3ユーロだと思います。
さて、やってきたのは、大好きなベッカリスです。
Distilleria Beccaris Elio di Beccaris Carlo & C Snc
Piazza Cora 1, Fraz.Boglietto, Costigliole d'Asti
www.distilleriabeccaris.it
最初にここを訪ねたのは、本当の偶然でしたが、コスパがめちゃくちゃいいんです。すっごくおいしい。そして、昨年再訪したときに接客してくれた彼女、キアラさんの情熱で、さらにファンになりました。
我々のことを覚えていてくださり、それも相当飲むし、しっかり買う人たち、という記憶があったようで、すぐにビアンコから並べてくれます。
迷いなく、あてを用意してくれるところなども、超気が利いています。
蒸留酒には、チョコレートなど甘いものがぴったり。ということで、オレンジピールにブラックチョコをかけたもの、地元産ヘーゼルナッツ、他のタイプのチョコレート。こんなに気の利く蒸留所さん、他にないです。
上の、一番右側が、昨年彼女の勧めあって購入したアルネイスのグラッパ。
これ、今年の春にあけたとき、あまりのおいしさにびっくりしたのです。彼女に報告したら、大変喜んでくれました。ね、おいしかったでしょう!と。
ビアンコのあとも、リゼルバを数種類いただきました。
おしげなく、次々と飲ませてくれます。勿論、ちゃんと試飲用のグラスで、たっぷりとついでくれて。そして、押し付けでなく、わたしはこれのこういうところが好き、といった素直な自分の意見を言ってくれるのも、好感度高いです。
やはり、生産現場での、情熱に勝るものはないですよねぇ。
同じような年代の若い女性の案内でも、たとえば大手シボーナなどには、こういう情熱がまったく感じられなかったです。ベルタもだな~。そういうとこでは、こっちのテンションも下がってしまいます。
ここでは、買うまい、という気持ちは微塵もなく、結局以下、購入。
昨年同じシリーズの別の葡萄種を購入しましたが、今回は、新作というシャルドネを。試飲でおいしかったので。そして、なぜか今回は気になっているマルバジア。
香り系では、昨年はブラケットの年で、今回はマルバジア。不思議なもので、こちらの認識なのか、現地マーケットのトレンドなのか、年毎の主力葡萄種というのがあるみたいですね。
そして、もう一本はリゼルバ。
写真が暗いですね。真っ黒なほっそりボトルなのですが、スタイリッシュなデザインです。これも試飲でおいしかったやつ。
あけるのが楽しみだけど、おいしいのわかっているから、もったいなくて開けられない気分もあります。実際、最初の年に購入したリゼルバ、開けられてない。同行者が、最近開けたら、やっぱりびっくりするくらいおいしいよ、と言ってました。あれは、まだグラッパをほとんど知らない時代だったにもかかわらず、試飲でびっくりしたもんな~。
ということで、長くなってしまったので、続きは次回。
最近はまっている写真サイト。ロマネスク写真を徐々にアップしています。
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- 2015/11/17(火) 07:12:20|
- グラッパ
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おおっ!トリュフだったんだ(≧∇≦)!私、ごめんなさい、犬のアレかと思ってびっくりしちゃった(≧∇≦)。
ラベルもそうですが瓶にもこだわりを感じます。
キノコの味、湿度とか関係があるのかしら?
不思議ですね。
- 2015/11/17(火) 00:34:00 |
- URL |
- はなさん #79D/WHSg
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洋吉ちゃん、まさに!わたしもそう思って、確かめちゃったんですよ、トリュフ!
絶対フォトジェニックじゃないのに、ね~。
いくら自慢と言ってもね~。
きのこは、やはり天候とかてきめんに関係あるんでしょうね。こちらでは、多くのきのこは、いまだに自分でとりに行くものなのも(スーパーなど店で売っている種類はとても少なくて、日本のスーパーでいつもびっくりしちゃうわたしです)、自然任せっていう感じなのかな。
- 2015/11/18(水) 23:10:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
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