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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

興奮の軒送り、水木先生もびっくり的な?

カンタブリア・ロマネスク、その17

サン・マルティン・デ・エリネスSan Martin de Elinesの参事会教会Colegiata、続きです。
無事、内部の見学を終え、外観をじっくり。




まずは、南壁の軒送り。




この感じ、既にわくわくしますよ~!
びっしり、いかにも変な形が並んでいます。




やっば~い!




きてますよね~!
まじめな天使がいたりするのが、また印象深い。




これ見て、面白い~!と思わない人がいるでしょうか!?
今の時代では、ゆるキャラ的で、逆に驚きがないのかもしれないけれど、あの当時に、何で、こういうゆるキャラ的な、ヘタウマを三次元に表しちゃうような、そういう流れが出来たんでしょう。こういうすごい創造物を見ると、そういうロマネスクの造詣の不思議を、どうしても考えちゃいます。

フランスの多くの教会装飾で見られるような、聖書のエピソードを忠実に彫りこむ人がいた一方で、こういう得体の知れないものを形にしてしまう石工さんたちがいて、それらが、ロマネスクとして括られた同時期に両立していたんです。なんか、すごくないですか。

わたしは、具象よりも抽象が好きなのですが、基本的には、抽象も、ちゃんとデッサンが描ける人じゃないと許せん!と思うタイプなんですけれど、こういうの見ていると、さて、ゆるキャラ的彫り物を彫っていた石工さんは、まじめな表現も出来る人だったのかどうか、などと考えたりしてしまいます。こういうのを彫る一方で、まじめ一方のキリスト像やマリア像を彫っていたとしたら…。聖書のエピソードをどうやってひとつの柱頭に表そうかと考えていたら…。
それって、面白くないですか。




この間抜けな表情、たまりません。
フォルムが美しい後陣側にきても、軒送りの面白さは止まりません。




ちょっと妖怪的なこいつ。




水木先生も好きだったかもしれないですね~。
動物らしきフィギュアも、独特の表現です。




びっしり~!
すべて、近くから見てみたい!




上の方にあるもの。
わたしのデジカメは、20倍ズームですが、最大の望遠にして、やっとこの大きさ。肉眼では、ほとんどちゃんと見ることが出来ない場所です。




そんな場所にまで、それぞれ意味があるような彫り物を施しているんですから、お金をかけたということでしょうし、それぞれが違うモチーフであることから、石工たちも、腕の見せ所、的にがんばったんでしょうか。
ここには、セルヴァトスのような、セクシャルなモチーフが見られますね。




北側は、ちょっと雰囲気が違うかも。




あまりに面白くて、このときは、興奮してしまいました。一人で、すごいすごいと、多分自覚なく独り言をもらしていたと思います。

さらりと流した後陣の窓の側柱も、楽しいですよ。

二段重ねライオン。




チェッカー市松モチーフも、この地域にはよく見られます。これもまた、わたしが好む幾何学装飾のひとつなので、嬉しい。




それぞれがあんまり面白いくて、一つ一つ意味など考える余裕もなく、ただ、楽しく見て、撮影して、時間が過ぎていきました。
今、改めて見ても、やはりこれは面白い、というだけで、意味を考えようとも思えないボリュームですよね。

ロマネスク初心者も、ベテランも、興味のない人にも、ここは強烈にお勧め。中も外も面白いです。そして、村もかわいらしいです。

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  1. 2015/12/17(木) 06:29:45|
  2. カンタブリア・ロマネスク
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:7
<<こんな地味な場所に行く人はいないだろうなってくらい、地味なロマネスク連続。 | ホーム | ライオン尽くし、またもや!>>

コメント

No title

可愛らしいですね~!
ベトナムなども可愛らしい彫刻がされた寺院がありましてなかなか素敵でしたが、これだけの数を一体何人でどのくらいの時間をかけて作ったんでしょうね。
  1. 2015/12/17(木) 00:34:00 |
  2. URL |
  3. はなさん #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

先人の信仰心のフォルムと言うより、人間の内なる想像力の産物の様に、毎回拝見して感じています。
  1. 2015/12/17(木) 02:36:00 |
  2. URL |
  3. 古代遺跡めぐり<山下亭> #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

まず、コメントの入力の仕方が変わったのですね。苦労しました。持ち送りの彫刻、こういう楽しいもの、けったいさはイタリアにはないですね。またスペインに行きたくなりました。お願いがあるのですが地図がはっきりしなくて 場所が特定できません。アギラール・デル・カンポは 行ったことがあるのでそこらあたりから地図を隈なくみてもでてきません。googl mapだとppいくつとかまで分かるので道路の番号を入れていただけると、ストリートヴューを楽しむこともできるのですが、、。yk
  1. 2015/12/18(金) 08:03:00 |
  2. URL |
  3. nytmoaaa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

monasteriosを開いてこの教会見つけました場所も特定出来ました。。すみません調査不足で。でもcorsaさんの方が持ち送りの写真が大きく数もおおくて楽しめました。yahooのパスワードとかかなり前に造ったものなのでこれまでと名前が違ってしまいましたが、ykことkharukaです。今後はこの変な名前になってしまいますが、よろしく。
  1. 2015/12/18(金) 08:26:00 |
  2. URL |
  3. nytmoaaa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

洋吉ちゃん
こういうの、いいでしょう~。中世の石工さんのセンス、愛しいですよね~。
石工さんが、どういうバックグラウンドを持って、こういう形を彫ったのかって、とても興味があります。
  1. 2015/12/19(土) 00:26:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

山下さん
まさに、こういうフィギュアというのは、信仰というよりもアニミズム的な、異教的な怪しさがあります。キリスト教信者ではないので、その辺りが中世の面白いところと思っているんです。
  1. 2015/12/19(土) 00:28:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

ykさん
コメント、管理人も、ログインしないと見られないようになったみたいで、不便です。ご迷惑をおかけしているようで、恐縮です。
このロケーション、見つけられて何よりです。のんびりした、いい場所ですよ。
ちなみに、つい最近訪ねたサルデーニャで、スペインの影響なのか、面白い軒送りをたくさん見ることが出来たんです。サルデーニャはアラゴン下にあった時代も長いし、地理的に影響があったのでしょうけれど、面白いものです。
  1. 2015/12/19(土) 00:30:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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