カンタブリア・ロマネスク、その29
とてもステキなランチに大満足して、次に向かったのは、サンタ・マリア・デ・カジョンSanta Maria de Cayonという村にあるサンタンドレス教会Iglesia de San Andresです。
住宅地にあります。まん前にバールがあり、外のテーブルには、地元のオヤジ鈴なり。例によって、アワアワした感じで視界に飛び込んだであろうわたしに、視線が突き刺さります。
このあたり、基本的にみな親切で人懐っこいですが、無遠慮にべたべたするような文化はないので、特に声をかけてくるような人はいないのですが、ラテンの人たちは、興味のあるものを、遠慮なく凝視しますよね。
日本の、日本人の旅行者すらめったに来ないようなど田舎に、金髪碧眼とか、ブラック・アフリカ系の人とかが、アワアワやってきたら、やっぱり注目されちゃうと思いますが、日本だったら、きっと見て見ぬ振りをする人も多いように思います。
さて、一見、ちょっとがっかりした、というのが正直なところ。結構わざわざ来た、という気持ちだったんですが、どう見てもクローズだし、来た甲斐がなかったかも、といきなり意気消沈。視線が痛い。
正面扉、近寄ります。
すごい~。きれいさっぱりすっきり、装飾ゼロ!いっそ潔い清潔感です。何連ものアーキボルト、気合を感じますが、それで気合と石工の技量、使い果たしちゃったかな。
実際、シンプルだけど、ここまでアーチを重ねると、単純な美しさが産み出されるものですね。目からうろこ。
後付で残念感が高まったのは、ガイド本で、内部の写真を見たときです。
中も、すっきりさっぱり系ですが、こういう石だけ系アーチ多用、かなり好み。素敵ですよねぇ。この現場で写真を見ていたら、少なくともバールの人には、鍵のありかを尋ねたと思うのですが、この時点では、中はたいしたこともなかろう、と決め付けちゃったんです。だめですよ、こういう思い込みは。
何はともあれ、入れませんので(例によって、ミサのときだけオープンするようでした)、周囲の見学はきっちりしてきました。
後陣の方に移動しつつ、嬉しい発見!(シンプルもいいですが、やっぱり、何かあると嬉しい。)
円筒形じゃない角々のある変則後陣ですが、こちらは、ちゃんと装飾があるんです。特に持ち送り彫刻、かなりの数が目視で楽しめます。
ズームすると、軒送りにご丁寧にチェッカー帯まであります。これも好みです。
彫り物は、磨耗も激しいのですが、一目見て、怪しい感じがありあり。
付け柱の柱頭ですが、二羽の鳥に、鼻をつままれているようです。初めて見るモチーフ!
こちらは、教会の入り口で、人や羊を抱え込んでいるライオンと同じモチーフですが、それを数百倍かわいらしくしたバージョンで、その上、ライオンは猫にしか見えないし、抱え込んでいるものも、人ではなく獣、それも子猫にしか見えないっていうのは、不思議っていうか、かわいすぎ~!
これも、一見すると、普段はあまり目に留めない鳥モチーフなんだけど、足が発達してペンギン化してるバージョン!
こちらも、面白いのが並んでいます。
真ん中の三人オヤジぎっちり寄り添い系は、マギかな?と一瞬思えますが、でも、一人バージョンもあるんですよねぇ。
手の彫り方が一緒で、顔も似ているし、同じ石工さんだと思うけれど、単に持っているものが違うから、やっぱりマギかしらん。
これも、すっごくなぞ。
顔が、水のようなうねうねなんですよね。よく、洗礼をするキリストを表すフレスコ画やモザイクであるような表現方法で、顔に水のうねうねが走ってるのです。だから、アップで見ると、ただの荒削りの石みたいな。こうやって遠めにすると、やっぱり顔ですよね。
面白いし、こうやって見ると素敵な後陣。がっかりして悪かった~!
最近はまっている写真サイト。ロマネスク写真を徐々にアップしています。
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- 2016/02/13(土) 23:52:52|
- カンタブリア・ロマネスク
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| コメント:2
> コテツコロコロさん
訪問+コメント、有難うございます。
そーですねー。ヘタウマの漫画系にあるかもしれないですけど、笑、彫刻はねー。
- 2016/02/14(日) 14:14:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
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