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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

芳しい?牛糞臭漂う教会の、不思議な生き物たち。アルゴミジャ。

カンタブリア・ロマネスク、その30

元気なときだと、まだまだこれから、という17時近くでしたが、やはり旅も後半になると疲労が押し寄せてきて、ホテルに向かおうと思う時間が早くなる傾向にあります。この日も、正直、サンタ・マリア・デ・カジョンから直帰したい気持ちだったのですが、せっかく通り道にあるものはやはり無視できません。身にも心にも鞭打つ感じで停車したのは、アルゴミジャArgomillaという村。




こういうときに限って、すごく探しているわけでもないのに、道端にこんなわかりやすい表示があって、ますます「無視するなよ」と言われている気分になります。
0.6とあるので、幹線から入ってすぐの道端に車を置いて、歩き出しました。

ところが、その辺は普通の住宅街で、教会の影も形もなし。100メートルほど歩いて、結局車に引き返して、改めて目指すこととなりました。600メートルなら徒歩でも10分もかからないし、と思ったのですが、実は、町をはずれた丘の上にあったので、すぐに引き返して大正解でした。丘の上だから、直線距離にしたら600メートルくらいのもの?




でも、丘の上から町のほうを見るとこんな感じですから、600メートルは間違っていると思います。マイル表示だったり?謎です。

丘には、牧畜農家があり、牛がたくさん。そして、例の田舎のにおい(牛糞系)が激しく漂っています。緑は美しく整備されており、においさえ気にしなければ、美しいたたずまいの教会、サン・アンドレスIglesia de San Andresがありました。




見るからに、いろんな時代に、いろんなものがくっつけられてしまった結果、こんな形になっちゃいました、というような複雑な建物になっています。
手前にどーんと建っている塔も、基部は教会創建時12世紀のものですが、上部は、15世紀以降に付け足されてもののようです。

この教会の向かいに、その頃の貴族の館のような建物があり、今はすっかり農家となっているのでびっくりですが、その貴族が、プライベートな教会のように使っていた時代があったのかもしれません。「丘の上にお館」って、まるで童話のようなたたずまいでしたが、今は、牛糞に取り囲まれて、ちょっと荒れた雰囲気でした。
というのも、酪農なのか肉牛農家なのかわかりませんが、泥と牛糞で辺りがぐちゃぐちゃで、正直言って、もう少し清潔に保てるのにそうしていないのではないか、という様子なんです。せっかく建物が素晴らしいのに、落魄というか、寂しい雰囲気っていうのかな。ここのミルクは飲みたくない、と思うような。

塔の下に隠されたポルタイユ。




ここも、アーキボルトへの気合は相当入ってますね。ここでは、柱頭彫り物があり、サンタ・マリア・デ・カジョンよりは、かなり装飾的です。




赤味がかった石と、白い石を、混ぜて使っているのが面白いです。彫り物はかわいらしいのですが、残念ながら、ちょっと放置されている様子が寂しいですね。それでも、雨風が直接当たらない場所だから、何とか完全磨耗を免れているような感じです。
しかし、ここ、鉄柵があり、近づけないのは残念でした。
後ろの方も、ポーチのようになっている場所に鉄柵があり、中には入れません。が、一部見られるようになっています。




何かしら心惹かれるものがあったので、入れるものなら入りたいと思い、向かいの貴族の館を訪ねてみたのですが、誰も出てきてくれませんでした。車があったので、人はいたはずなんですが、面倒だったのでしょうね、きっと。

さて、見るべきは、後陣側の装飾です。




後陣側が斜面となっていて、全体をうまく撮影できる場所がなかったので、こんな半端に姿。シンプルな付け柱三分割で、装飾が施された開口部あり。




大好物なチェッカー帯があります。これだけで嬉しくなっちゃうわたしですが、ここの持ち送り彫刻、楽しいですから、さらに嬉しかったです。










動物モチーフが多いと思うのですけれど、個性的です。動物以外のモチーフも、なんだかとっても不思議。チェッカー模様のお化けみたいなの、初めて見ます。
ライオンも、各種並んでいて、楽しい!




人もいます。




後陣の方向から考えると、理論的には北壁、そちらの持ち送りも面白いです。




普通、装飾は南壁に施されることが多いので、もしかすると後陣の方向が違うのかも。

それにしても、まさかの楽しさ。鞭打って来た甲斐、大いにありました。
この日は、数はあまり見られなかったのですが、終わりよければすべてよし、というのはあります。かなり満足して、ホテルに向かうことが出来ました。

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  1. 2016/02/14(日) 22:13:03|
  2. カンタブリア・ロマネスク
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

No title

壁画の装飾模様や動物や人物像等、魔除けや其れなりの意味の在る物なのでしょうね?

信仰や宗教、歴史など地方によっても違うようですし、奥が深そうですね?
  1. 2016/02/15(月) 02:54:00 |
  2. URL |
  3. 古代遺跡めぐり<山下亭> #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

山下さん
色々意味があるはずですが、そのほとんどは、今ではわからないんですよ。研究者も、それぞれが勝手なことをいっている感じで、笑。
そういうところも、ロマネスクの魅力だと思っています。ほんとのところはわからない以上、自分も勝手なこと言えちゃうわけですからね。
  1. 2016/02/16(火) 21:56:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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