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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

ゴシックに埋もれた宝を探せ!サン・ヴィセンテ・デ・ラ・バルケーラ

カンタブリア・ロマネスク、その32

いよいよ、長丁場となってしまったカンタブリア編、最後の訪問地サン・ヴィセンテ・デ・ラ・バルケーラSan Vicente de la Barqueraです。
この町の名前って、なんだかそれだけで、海の童話みたいなイメージが湧いて、わくわく感を覚えます。名前フェチって訳ではないんですが。

さて、まずは、町の作りもよくわからないなりに、旧市街から橋を渡った側に出てしまいました。
駐車場の目印があったので、すかさず入場、停車。この日は時間に限りがあることから、駐車場ごときでうろうろ悩む暇がないのです。
幸いにも、橋を渡ってすぐだったので、旧市街に戻るのは、ちょっとした足慣らし程度で、ちょうどよかったです。




赤い目印のあるのと、反対側の袂から、ちょっと先に行ったところの水色が、わたしの利用した立体駐車場。手前の方にも水色がありますが、こちらはほぼ満杯だったのでした。

車で動いていると、歩くことが少なくなり、土地勘が鈍ります。こういうように、ちょっと離れた場所に車を停めることで歩かざるを得なくなり、ほんのわずかでも、町の雰囲気がつかめるようなところがあるので、時間があまりなくても、個人的には、ちょっとでも歩ける方が嬉しい。

橋から、旧市街の様子が見えます。と言っても、このときは、緑の向こうの高台が旧市街だとは、まったくわかってなかったんですが。




旧市街は、丘にへばりついているような町で、橋をわたりきるとすぐ、結構な坂道が始まります。
道脇のところどころには、こんな岩肌が見られます。




丘ではなく、岩山なんですね。
岩の上には、お城があります。時間的に余裕のある旅だったら、第一の観光スポットは、このお城なのかもしれません。城壁に登ったら、美しい海の風景が広がりそうです。




わたしが目指すのは、こちらです。




サンチャゴ北部巡礼路。
この辺りからだと、サンチャゴ・デ・コンポステラも、かなり近づいてきた感じがあるかも。巡礼路も相当多くのルートが入り乱れています。この北部ルートは、美しい海の眺めも広がりますが、アップダウンも激しく、岩山が途切れ途切れにつながり、内陸と比べても、決して楽な道ではありません。でも、内陸だと、ピコス・デ・エウローパが立ちはだかったりするので、こっちのルートも開発されたのでしょうかね。

坂道を登りきった先に、目指す教会がありますが、その前に、これ。




教会のすぐ前に位置しますが、巡礼救護所Hospital de la Concepcionの門だけが残っているのです。14/16世紀頃に栄えたようですが、様式はそれ以前のものですから、古い建物を再利用していたのかもしれません。

いよいよ目的地に到着。




サンタ・マリアまたは、ヌエストラ・セニョーラ・デ・ロス・アンヘレス教会Iglesia de Santa Maria / Nuestra Senora de los Angelesです。




うっ!?これは何?と思いますよね。どう見てもロマネスクじゃないし。
実は、今ある教会建物全体は、ゴシック時代のもので、外観的には、ほぼロマネスクは感じられないたたずまいになっているのです。
でも、せっかくはるばる、坂まで登ってきたのに、とがっかりするのは早い。一応、一部、古い遺構もあるのですよ。

それが、こちらの門。ポデール門La puerta de Puder。




明らかに門とその周囲の装飾だけ、建物から浮いてしまっています。
気になる側柱の柱頭。右側。




騎馬の人がいたり、何かやってる人がいたり、残念ながら摩滅が激しいですけれど、間違いなく、わたしの大好きな時代です。
左側。




チェッカー帯まで傷んでいるのは、痛々しいです。
右側の一番奥。手前に騎馬の人がいて、門の方は町の姿ですから、エルサレム入場だったりしますかね。

一方、左側の一番奥は、なんだかとても面白いんですが、意味が分かりません。




扉の上にあるひさし部分に施された持ち送りにも、好ましい奴らが並んでいます。




猫科二連。どっちも口をあけて、何か加えていますが、ライオンとは思えない。どう見ても猫。
間に置かれた花の浅浮き彫りもいい感じです。

地味だけど、こんなところにね~、という発見の喜びがあって、結構満足。
扉の先は、小さいテラスになっていて、眼下には、海とつながる湿地帯が広がっています。




もう一回、続きます。

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  1. 2016/02/18(木) 06:53:31|
  2. カンタブリア・ロマネスク
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

No title

帆立て貝の巡礼の道をテレビで見た事が在ります。

あの巡礼の道の一部なのですかね?

巡礼の道と言うのは、四国も海外も変わらない物だなぁ~
と言う感想を感じたのが思い出されました。
  1. 2016/02/18(木) 03:55:00 |
  2. URL |
  3. 古代遺跡めぐり<山下亭> #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

巡礼の道は、何種類もあって、ここも、そのひとつの途上ということだと思います。

サンチャゴ巡礼路は、観光地化もすごくて、そのために歩きやすくなっている面があります。多面的な巡礼路整備により、怖い野犬などの出没もなくなったようなので、宗教関係なく、わたしもいつか歩きたいと思っているくらいです。
そういう意味では、お遍路の方が、もっと原初の何かが残っているような気もしますが、どうなんでしょうね。
  1. 2016/02/19(金) 23:13:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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