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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

約十年ぶりに再会!意外とよく覚えているもんだ~。ガッリアーノ1

ご近所ふらりシリーズ、っていうシリーズ、今勝手に作りましたけど、今日は、ロマネスクふらり編。

お天気もいいし、車あまり乗らないでいるとバッテリーへたるし、タイヤは傷むし、ということで、ガッリアーノGallianoを訪ねる気になりました。




カントゥCantu'郊外にある、サン・ヴィンチェンツォ教会Basilica di San Vincenzoと、サン・ジョバンニ洗礼堂Battistero di San Giovanniです。

ここは、ロマネスクを意識して訪ねだした、かなり初期の頃に、相当苦労して探し当てた場所。ナビもなく、スマホもなく、教会の住所もわからず、ひたすら紙の地図だけが頼りだった時代。わたしも、車に乗りだして数年目で、常にびくびくしながら運転していた時代でもありました。

このあたりの土地は、アップダウンも激しく、カントゥの町に行っても、全然わからないし、もうあきらめかけた頃、この、町郊外にある丘に、なぜかたどり着けたこと、今でも鮮明に覚えています。

今では、ナビの言うとおりに走っていけば、それなりに着いてしまうんですから、便利な時代になったものです。
と言っても、わたしのナビは、買ってから5年ほどたちますが、全然アップデートしていないので、実は、今日は新しいSuper Strada(高速道路に準じる道路)を認識してくれなくて、ずいぶん遠回りをする羽目になりましたけど。

それはともかく、相変わらず美しいたたずまいで、嬉しくなりました。




丘の麓に車を停めて、この草原の縁を、登っていきます。車道ではありますが、素敵なアプローチ。

教会側からだと、こんな感じ。町の遥か向こうの方には、雪をかぶったアルプスの山々が見えます。




ミラノからだと、コモ方向になるので、結構北で、アルプスも近いのです。

それにしても、かつてはどういう環境だったのかな、と考えてしまいます。
最初の教会が建てられたのは、カロリング朝の時代とされていますが、そういった場所は、おそらく古代から神聖な場所だった可能性が高いので、昔々は、森だったのではないかと思うのです。
今の町を見下ろすように森が広がる神聖な場所。脳内トリップです。

今は、教会と洗礼堂が並んでいますが、もともとあったのは、教会だけです。




超地味なファサード。装飾らしいものはほとんどなし。オリジナルから、こういうスタイルだったようです。
それも、右側の身廊が、ありません。
これは、19世紀に、取り去られちゃったもの。その当時、ここは、地元の農家が家畜用の小屋に使っていたらしいんです。使い勝手をよくするために、身廊を取り払って、建物をオープンにしていたのではないでしょうか。

5世紀後半に建てられたという最初の教会の痕跡は、内部にちょこっと残っていますが、外観は10世紀の建物がベースです。




横も地味なのですが、窓の部分が、開口とアーチのみの交互並べ、その間に、ひし形のくりぬき模様があるのが、珍しいです。ロンゴバルド起源ではないか、と解説書にありますが、さて。
あ、ちなみに、北側の方が、装飾的というのは、珍しいですね。10世紀に、古い教会を改築改装した際に、同時に洗礼堂が作られたのではないか、と考えられている理由のひとつかもしれないですね。洗礼堂側は、南側の身廊があったとすると、ほぼくっつくくらいに近いので。
身廊があったはずの基礎が、敷石で、示されています。




後陣。




超ロンバルディア!いいなぁ。
シンプルだけど、実に正確なアーチ、付け柱。このスタイルが用いられた、ほぼ最初の例とされているようです。すっごく貴重ってことですよね。




先述したように、19世紀初頭に、この教会は民間に払い下げされてしまい、その期間に、南側の身廊および、鐘楼も取り払われてしまいました。20世紀初頭に市が買い上げて、1970年代から大規模な修復を実施して、今の姿が取り戻されたもの。鐘楼まで壊されてしまったとは、まったく残念なことですが、そういう時代があったのですよね。

さて、中に入りましょう。




家畜小屋とかに使われていたらしいのに、よくぞ残ってくれました、というフレスコ画たくさんあります。それに加えて、好物のクリプタも。
まずは、クリプタ。

高く持ち上げられた内陣部分の両脇にある階段から降ります。




今の本堂の床は、全部新しいタイルになってしまっているのが、残念。ところどころ、古い床面が見えるようにガラス張りになっていますが、しかし相当深いので、床面よりもっと低い場所かな。説明がなかったんですよねぇ。




ほっそりした優美な円柱に支えられたヴォルト構造、三身廊で祭壇ありのスタイル。

柱頭は、シンプルなアーカンサス・モチーフですが、カロリング時代の再利用品らしいです。9世紀の大理石製。雰囲気ありますよね。古い教会の時代にも、このクリプタはあったようです。壁に残されたフレスコ画は、13世紀らしいです。




ヴォルト部分に見られる、星型のモチーフ、覚えておいてくださいね。洗礼堂の方でも見られます。モザイクのモチーフ風のような気もしますね。
実は、後陣フレスコにも、ビザンチン風が見られたり、特に幾何学的な部分は、モチーフがモザイク風なのですよ。

この、掌を広げた祝福スタイルも、もしかするとビザンチン?




それにしても、これ、マリアですよね?違うのかな。なんで、ピエロみたいな縞々衣装?
続きます。

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  1. 2016/02/22(月) 01:45:52|
  2. ロンバルディア・ロマネスク
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

No title

この様な思い出の地に、10年ぶりに訪れられると言うのは幸運ですよね?

この様な探しながら訪れた所は、本当に鮮明に覚えて居る物ですね!

教会と違い古代遺跡のストーンサークルや立石は、地図にも載って居ないのが普通で、村で聞きながら訪ねる訳で、結構苦労しますが、辿り着けたその達成感は・・・・・

外壁の石積は見事ですね!
その労働は一個づつ積み上げたと思われます。
石工だけで無く庶民の祈りの労働奉仕は、まさに信仰の祈りの石積の姿だったと思いますね?
  1. 2016/02/22(月) 02:50:00 |
  2. URL |
  3. 古代遺跡めぐり<山下亭> #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

山下さん
本当におっしゃるとおりで、苦労しながら訪ねた場所は、結果としてたいしたものではなくても、記憶に深く刻まれますよね。そういう場所って、結構あります。教会のことは忘れていても、迷ったことばかりを鮮明に覚えていたりして…笑。
石積み、感動的ですよね。勿論、相当修復が入っているのだと思うのですけれど。でも修復も地元の石工さんたちが、何年もかけて、丁寧に行ったようなので、オリジナルと同じような精神が宿っているように思います。
  1. 2016/02/25(木) 23:08:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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