fc2ブログ

イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

美しい猫の親子と養い親マリオに感激。オスキリ。

サルデーニャ、ミニミニ修行旅、その4

現地にあった地図を貼り付けて見ます。ロマネスク・ルートが記載されているので、わかりやすいです。右上の方にあるのが、私の旅の出発点、オルビア。




このオスキリくらいから、ロマネスクが密集する土地となるのがわかると思います。町の中の教会もありますが、今は何もないような場所に佇む教会も多く、本来はどういうものだったのか、土地の歴史を知りたくなるような場所ばかり。

さて、昨日の記事に続く、オスキリのもうひとつの目的地は、町の外にあることはわかっていました。25万分の1の地図でみると、ちゃんと独立して、記載されています。
でも、こういう場所って住所がないから、ナビも役に立たないんですよねぇ。
で、オスキリ墓地の、墓参り帰りのおばあさんに訪ねてみました。
そしたら、驚くくらいきちんと正確に教えてくれて、走り出したら、ところどころに表示もあったりして、わたしにしては驚くくらい、スムーズにたどり着くことが出来ました。
こんな、緑の中の、なだらかな坂道を、ゆるゆると登っていきます。




丘を登りきったところに、古い壁に囲まれた聖地、ノストラ・シニョーラ・ディ・カストロIl Santuario di Nostra Signora di Castroがあり、目的の教会は、その中です。




聖地、という名称が使われているのは、この土地が、先史時代から聖所として存在していたことからだそうです。
門をくぐると、芝生が整備された、とても清々しい中庭のようなつくりになっています。壁の一部は登れるようになっています。

ちょっと高い場所から眺める教会。




手前に見える横付けナルテックスのような部分は、オリジナルでは、反対側、つまり南側にあったそうですが、祭具室を作るために、こっち側に移築されたということです。




近づくと、本体とこの部分との時代が違うような様子がわかります。
本体は、オスキリ墓地の小さな礼拝堂と同様に、多色の石使いで、装飾は少ないのですが、その石の色がさらに鮮やかで、十分装飾的なんです。




ピンクというか紫というか、赤味がかった石が多く、またグレーの種類も様々。面白いですよね。
正面も、同様です。




色身の違いは、光の当たり方の違いです。
小さなファサードですが、上部には立派なアーチが並んでいます。扉脇には、かなり太目の付け柱があったようですが、途中で壊れてしまっているのが残念。

ちょっとわかりにくいですが、半円の付け柱、これです。




扉と同じ背丈くらいのものだと思いますが、これが完全にあるとないでは、イメージが変わりそうです。

さて、この聖地。門をくぐったら、二人のおじさんが立ち働いていました。
どちらもいかにも地元の人で、歯の抜けた人のよさそうな笑顔満載で、話しかけてきました。マリオと名乗ったおじさんの方が、すぐに鍵を取ってきて、教会を開けてくださいました。
ナルテックス状の部分に扉が開けられています。




教会のサイズ同様に、小さな入り口です。
中は、修復されていて、表面もきれいに整えられた石壁で、後陣は、外から見るよりも浅いような。いずれにしても、後代の妙に立派な祭壇がしつけられているのが、信仰でなく、美術趣味で訪ねるものには、ちょっと残念です。
でも、マリオが、熱心にマリア像の説明などをしてくださるので、熱心に見学しました。




内部でも、やはり石色が美しいです。




こうやって、装飾もない、平積みででこぼこすらない壁を鑑賞することって、あまりないですが、色が美しいと、それだけで惹かれるものなんですね。
マリオからカードまでもらってしまったので、マリアさんもパチリ。




結構現代的美人のマリアです。

私以外、誰も訪ねてこなかったので、見学もゆったり出来たし、おじさんたちとおしゃべりも出来て、楽しいひと時でした。
そのひと時を、さらに楽しくしてくれたのが、こいつら。




猫がたくさんいたんです。猫好きなもので、すっごく嬉しかった。どうやらおじさんたちが、大切に育てているらしく、どの猫も清潔で美しく、おとなしくて、素晴らしかった~!




古い建造物と猫って合いますよね。
都合、何匹いたかなぁ。




この親子には感激。
寒いせいか、三匹で寄り添って、じっとしてたんですが、その美しさと言ったら!屋外で生活しているとは思えないほどの毛並みで、どれだけ大切に面倒見てるんだ、マリオ!と思いました。そして、わたしが近づいても、別に逃げることもなく、じっとしていて。人を信頼しているんですねぇ。

マリオは、「ぼくはここでうまれて育ったから、他の世界は全然知らないんだ。ここがぼくの家。」と言っていました。文字通り、そこで生まれたのか?確かに、元は巡礼宿だったという建物があり、生活感は漂っていたのですけれど。




アペ(軽三輪)で、野良仕事している風でもあったし、煙突から煙が出ていたし。
わたしの名前を聞いて、「どっから来たの~?オルビア?」って言うのには、なんかもしかして、本当にそういう世界で生きているのか~、と思わされました。

教会の鍵を開けに行ってくれたマリオ。




再訪する日まで、マリオも猫も元気でいますように。

おなじみのロマネスクは、こちらへどうぞ。
ロマネスクのおと

ブログ・ランキングに参加してます。よろしかったら、ポチッとお願いします。


にほんブログ村 美術ブログへ(文字をクリック)
ブログ村美術ブログ


にほんブログ村 海外生活ブログへ(文字をクリック)

最近はまっている写真サイト。ロマネスク写真を徐々にアップしています。
インスタグラム
スポンサーサイト



  1. 2016/03/06(日) 03:00:45|
  2. サルデーニャ・ロマネスク
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
<<粗面岩だけど、つるつるすべすべねっとり系。サンタンティオコ・ディ・ビサルチョ。 | ホーム | 墓地脇で、羊の朝ごはんに遭遇。オスキリ。>>

コメント

No title

マリオ、素敵な方ですね。石の色が印象的です。
猫ちゃん達が幸せそう…(≧∇≦)。マリア像が美しいですね。
  1. 2016/03/05(土) 23:10:00 |
  2. URL |
  3. はなさん #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

マリオ、本当に素朴でよい人でした。そういう人の存在が、教会を美しくしているのかもしれません。
大切にしてるって感じが、伝わってきました、教会も、猫も。勿論、マリア様も。
  1. 2016/03/06(日) 23:10:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
https://notaromanica.blog.fc2.com/tb.php/1549-cf4df6e6
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)