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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

高低差に注目(タモリ倶楽部的?)アルダラ。

サルデーニャ、ミニミニ修行旅、その6

このあたり、本当に密集しています。どこも、15~20分くらいでたどり着く距離。
このアルダラArdaraも、前回のサンタンティオコSant'Antiocoから、15分弱で到着しました。町には。

町は、丘の上にあります。住所にしたがっていくと、目的の教会は、どうやら町の中にありそうだったので、道なりに、町の中心部に坂道を登っていくと、途中左側に、教会の姿の一端と、案内表示を認めました。しかし!曲がるとか、路肩に寄るとか、とっさの動きが出来ないんですよねぇ、特に登り道だと。

仕方ないので、さらに道なりに進むと、幸い、すぐに道は平らになり、バール前の道端で人々がおしゃべりしているところにたどり着きました。車を停め窓を開けると、そういう時、この国の人々っていいですよねぇ、必ず誰かが寄ってきてくれるんですよね。大体年配、というより、お年寄りの方が多いですけれどね。
このときも、ヤナセタカシさん風のおじいさんが寄ってきて、「教会?今通ってきた道の途中にあったじゃろう?駐車?どこでも停めたらいいがな。」みたいな、とってもざっくばらんなアドバイスをくださいました。

言われたままに戻り、首尾よく道端に駐車して、無事、目的地に到着。
ノスタラ・シニョーラ・ディ・レーニョ教会Chiesa di Nostra Signora di Regno。




ここは、創建当時、比類ないほどに重要な聖堂でした。というのも、この一帯、トッレス国を治める首長宅付礼拝堂という位置づけだったからです。
サルデーニャの歴史は、まだこれから勉強しないといけないんですけれどね。相当早い時期に、島が、今の国組織のような四つの地域に分割されて、それぞれ治められていたということらしいんです。当時の情勢の中では、統治組織的に、進んでいたということになるのかもしれません。その時代の、キーパーソン的な人物というのは知らないのですが、交易も盛んだったりすることで、人々の往来とともに、情報の流通や進取の気性みたいなものが、他の土地よりも普通にあったのかもしれませんね。

という薀蓄や自分勝手な考えはともかく、到着時、既に11時半過ぎ。午前中の見学時間としては、そろそろやばい時間です。
遠目にも、入り口の扉が開いているようでしたので、とるものもとりあえず、小走りで飛び込みました。




おお!なんかすごい重量感!
本来の自分の好みとは違うものだけれど、重厚な感じ、時代を経た感じが、何か訴えてくるっていうか、この空気に沈み込んで見たい気にさせますよね。
ところが!本堂へのガラス扉は、しっかりと閉ざされているんです。

おっかしいなぁ。木製扉が開いている以上、その中扉だけが閉まっている、というのは、なんだか間尺に合わないような。

しばらく、ガラス越しに撮影をしていたのですが、中にも誰も見えないし、まぁ、好物とはいえないわけだからこれはこれでいいか、とすっぱい葡萄的な合理化を図り、外観見学に気持ちを切り替えました。




改めて、後ろに下がって、ファサード全体を鑑賞。
全体にシンプルですが、なんとも味のあるファサードです。石の色が、かなり濃い目なので、粗面岩ではなさそうですが、やっぱり色合いが多様です。右下の方は、後代の修復の石でしょうが。
地味な中で、扉上の二連窓の開口部は、装飾のポイントかも。




かわいいアーキボルトの間には、ピサ風にお皿がはめ込まれていたような穴がありました。でもちょっと小さいし、たった一個とは?

わたしの好きな付け柱は、下から上にスーッと。こういう、文字通り四角四面な付け柱よりは、円形のものの方が好きなんですが、ここでは、やはり四角が合っていますね。
細部まで計算された美しさ、みたいなものを感じます。すっごく数学的な…。

最初の写真で、わかるかどうか、教会正面右側は、鉄柵で閉ざされています。そして左側は、工事中のオレンジの幕というか柵のようなものがめぐらされていたのですが、一部、入れるように開いていました。
一瞬躊躇したのですが、本堂にも入れないし、ま、いいか、と知らん顔で侵入。




ということで、これは、北壁となります。
屋根の下の小さい連続アーチと、ここでも四角い付け柱が装飾。そして、やはり、石色の遊びですね~。
そして後陣。




側壁とまったく同じタイプの装飾で、柱頭も軒送り彫刻もなし。すっきり。
ぐるりと回って、南壁へ。




この、床面の高さは、こうならざるを得なかったということなんでしょうかね。
正面は、地面の高さと教会のファサードは、同じレベルにあるとういことは、後陣に向かって、下り坂の土地ということになるのかな。

後陣の後ろ側は、いきなりぐっと断崖のようになっています。




町の中心は丘の上にありますが、どうやら、相当狭い土地で、教会前も、聖堂前の広場以外は、正面も右も左も高低差。




なんか、タモリ倶楽部みたいになってきたな。
いずれにしても、坂道ドライブの苦手なわたしには、かなり鬼門の土地です。

小刻みにして申し訳ないですが、続きます。

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  1. 2016/03/09(水) 06:40:39|
  2. サルデーニャ・ロマネスク
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