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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

執念で入場、アルダラ。

サルデーニャ、ミニミニ修行旅、その7

アルダラArdara、ノスタラ・シニョーラ・ディ・レーニョ教会Chiesa di Nostra Signora di Regno続きです。




外観をじっくりと見学し終えて、またファサードの方に戻りました。表扉口は、やはり、開いています。
実は、最初に内扉まで入ったときに、そこに張られていた紙に記してある番号に、電話していました。




どちらも携帯の番号ですが、ここはイタリアなので、ローミングの心配もないですから、二つとも電話したんですが、どちらも、散々鳴り続けた挙句留守電になってしまいました。こうやってわざわざ、「本堂を訪ねたい方は、以下の番号に電話してください」とあり、二つも番号を乗っけているということは、教会関係者が、中にいるか、または近所に住んでいるか、ということに他なりませんから、どうにも納得できませんでした。

というわけで、外観見学のあとも、あきらめがつかず、またガラス越しに中を眺めて、5分くらいはぐずぐずしてたでしょうか。さすがに、次もあるし、と歩き出したものの、また、教会前の広場に立てられている説明版などをぐずぐずと読んでいました。

しばらくすると、後ろで音がしたので、振り返ると、なんと教会から人が出てきたところでした。
慌てて走り寄ると、先方もびっくりしていたようですが、かまわず、中を見学したいこと、さっき、数回電話もしていたことを話すと、「え~?いつですか?」と携帯を取り出して、確認しています。そんなことより、中に入れてくれ~!と思ったのですが、念入りに着信履歴を確認して、「もしかして、この番号ですか?そりゃ、申し訳なかった。」と。

感じはよかったものの、多分、ランチに帰るところだったのでしょうから、なんとなくしぶしぶ、という感じも醸し出しながら後戻り、鍵を開けて、「申し訳ないけど、もう余り時間がないので、ちょっとだけね」と中に入れてくださいました。

もしわたしが見学前に電話をしていなかったら、だめ、とにべもなく断られたかも…。




ガラス越しでも感じられた重厚感ですから、実際に入り込むと、相当迫ってくるものがあります。
特に、内壁部分の白黒石積みがとても気になっていたので、近くからみられたのは、嬉しかったです。




これ、すごいですよね。ある意味モダンともいえる石色遊び。柔らかい色をミックスしているのは、既に見て来ていますが、白黒というはっきりした色で、ランダムに積み上げているのって、すごいセンスです。




内壁だけ、時代が下るんでしょうか?調べてみないとわからないのですけれど。でも、外壁でこういう色を使っている教会も、確かあったはず。今回の旅では、わたしは訪ねていませんけれど。
フレスコなどよりは、職人さんが出来る装飾だから、という理由もあるのかな。
それにしても、派手ですよね。

壁がこんなに派手なのに、円柱それぞれに、後代に絵を貼り付けちゃっていますから、収集つかないくらいの装飾量で、若干目がちらちらします。




さらに内陣には、まるでスペインの教会のような、レタブロっていうんですか、黄金の祭壇が、びしっ。




どこまでも、飾り立てたかったんですね。
こういう後代の飾りがなかったら、かなり違うイメージになるんだろうと思います。
円柱の絵が見えない、側廊の方からだと、こういう感じ。




結構地味で、質実系の、どっしりした教会ですよね。




わたしの個人的な好みで言えば、この円柱の絵は、なくてよかったな。
そしたら、壁の白黒がもっと生きる装飾になっているような気がします。
とは言え、これだけごちゃごちゃしていても、決して、バロックの教会に入ったときのような、うへぇ、という気持ちにはならない、何かしっくりした空気があるのは確かなんですよね。不思議。

残念だったのは、鍵を開けてくれたおじさん、多分、神父さんだったと思うんですが、入り口のところに立って、ずっとちらちら時計を見ているんですよね。どうしても気になっちゃって、ひたすら小走りで見学、ちゃっちゃと撮影、時々目が合ったりすると、「素晴らしいですね!」なんて、いちいち言ったりして、気を使ってしまって、それがちょっとね。
入れてくれたことに感謝しつつ、一緒に教会を出て、分かれたときは、どっと疲れた気分でした。

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  1. 2016/03/11(金) 07:14:19|
  2. サルデーニャ・ロマネスク
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:8
<<モダンなセンスの職人さん。サン・ミケーレ・ディ・サルヴェネロ。 | ホーム | 高低差に注目(タモリ倶楽部的?)アルダラ。>>

コメント

No title

> さらに内陣には、まるでスペインの教会のような、レタブロっていうんですか、黄金の祭壇が、びしっ。

ロシアで煌びやかな教会内部の豪華さを見て居る所為か・・・・
私には素朴な感じもするのですが、この教会の内部の雰囲気からすると、豪華に見えそうですね?

見所の多い教会内部が見学出来て良かったですね?
  1. 2016/03/11(金) 00:25:00 |
  2. URL |
  3. 古代遺跡めぐり<山下亭> #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

すごいですね!

白黒の壁!聖人の画、腐らない聖人。祭壇の画。

4枚目、どなたでしょう!
たいていの腐らない聖人は、有名でネット上に写真も残っているれど、このようにあまり知られていなく
普通の教会にもあるのですねー!イタリアでは。

画は一枚だけでも相当の迫力ありますね。
部屋に貼ることを想像してみたら。

聖母子のご像をみてほっとしました、ヨーロッパでは
たくさんの剣で心臓を貫かれているマリアさまのご像が多いから。
  1. 2016/03/11(金) 00:27:00 |
  2. URL |
  3. ガビィ #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

山下さん
確かに黄金キラキラ系の教会に比べたら、祭壇もすすけた感じがあります。だから、派手な装飾の割には、落ち着いているのでしょうね。
ほんと、入れて嬉しかったです。
  1. 2016/03/13(日) 19:00:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

ガヴィさん
コメント、面白いです。さすが見所が専門的~。腐らない聖人って?すっごく気になります。
剣で貫かれたマリア様を祭壇におくのですか?イタリアやスペインでは、優しい聖母子像がとっても多いように思うのですが。
  1. 2016/03/13(日) 19:02:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

あら!腐らない聖人って 遺骸 っていうみたいです。

ダイヒョウテキナカタハ、ルルドのベルナデッタでしょうか、カトリックではたくさんいらっしゃるのですけど。
http://yonohikari.sakura.ne.jp/lourdes.html


http://yonohikari.sakura.ne.jp/lourdes.html


こちら、
ご像なんかとっても迫力ありますよ。
  1. 2016/03/14(月) 08:12:00 |
  2. URL |
  3. ガビィ #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

ガヴィさん
教えてくださって有難う。早速ベルナデット見てしまいました。すごいですね。何で?やはり、奇跡?
キリスト教の面白いところは色々あると思うのですが、聖人として認められるための奇跡のことと、エクソシスト(悪魔祓い)については、大変興味があります。どちらも、人のメンタルの部分に根ざしていると思うし、決して非科学的なばかりでもないですしね。
信仰をされている方には、そういう見方って失礼なのかしら。だとしたらごめんなさい。
  1. 2016/03/16(水) 23:04:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

あら!ご像の迫力のあるのは何を張り付けたのかしら?

ベルナデッタとはちがうみたい。

ルルドとヌベールに友人と行きました、ベルナデッタのところでも祈ってきました。
全然失礼じゃないですよ、私も興味が大いにあります。
  1. 2016/03/19(土) 07:48:00 |
  2. URL |
  3. ガビィ #79D/WHSg
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No title

ガヴィさん、失礼じゃなくてよかった。
ルルドのあたりは、ロマネスク的に、一度行きたい地域なんですが、飛行機になったら信者さんばかり、というイメージがあって、なんとなくしり込みしています。笑。
  1. 2016/03/19(土) 16:18:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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