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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

モダンなセンスの職人さん。サン・ミケーレ・ディ・サルヴェネロ。

サルデーニャ、ミニミニ修行旅、その8

改めて、わかりやすい地図を貼ってみます。




旅の出発点であるオルビアOlbiaが右上の方にあり、オスキリOschiri、サンタンティオコSant'Antiocoを辿り、アルダラArdaraまで訪問してきました。ここに掲載されているのは、最重要な教会だけですが、密集しているのがわかりやすいと思います。
次に向かうのは、アルダラの左上にあるサン・ミケーレ・ディ・サルヴェネロSan Michele di Salveneroとなります。

地図だとわかりやすそうに記載されているし、実際、国道から見えやすい位置にある教会なのですが、しかし、アクセスするのは、意外と難しいのではないか、と思います。
というのも、交通量はそれほどでもないのですが、かなり立派な国道からいきなり、およそわかりやすいとはいえないわき道に入る必要があるからなのです。




この道を、写真でいえば、上の方に向かう感じで走って来たら、前方左側高台に、教会が見えるんですが、この写真を撮影している場所へは、反対車線に入って、戻る感じでわき道に登る必要があります。すぐその場では無理なので、相当先まで進んで、ユーターンして戻りました。わき道には、何の表示もないんですよね。そして、教会がある場所は、教会だけがあり、周囲は草原です。なんとも不思議な場所。

ここは、事前にグーグルのストリートビューで、よく確認しておいたので、比較的簡単にアクセスできましたが、その情報収集を怠っていたら、わたしにはアクセスできなかった可能性も高いです。毎度のことながら、グーグルさまさまです。

目指した教会はこちら、サン・ミケーレ・ディ・サルヴェネロとなります。




この後陣を道に向けていますので、路上から素敵な眺めが見られるのですが、一人だと、そういう際に撮影できないのが悔しいですね。

美しいロンバルディア様式の、三つ後陣スタイル。




後陣部分はほとんど白い石なのに、脇の建物や、トップ部分は、白黒。建造時期が微妙に異なるのかも知れません。
それにしても、シンプルさが産み出す美の典型っていうか、すっきりとした清潔感の漂う後陣。
南側側壁。




扉が閉ざされているのに、黒い石を使われていますね。
そして、先の方に、白黒の建造物が損壊した跡があります。




オリジナルがどうなのか、資料がない上に、まだ全然調べてもいないので、不明なのですが、ここは、元は修道院だったとか、そういうことなのかもしれません。全体的な損壊度は激しいものの、教会部分だけはうまく残って、そこを修復した、みたいな感じ。
本当のところはわからないといいながら、そういう風に思うのは、南側からファサード側に来ると、右側に、やはり崩壊しているものの、相当古そうな壁があったりするからなんです。




ファサード側も、白が強いのですが、上部に、ちらちらと黒を使ったりして、憎いですね。
この、扉口すぐ脇に、ずっと上まで付け柱っていうスタイル、サルデーニャ、多いですね。これで、全体がすごくすっきりする感じです。




シンプルだけど、美しいファサード。黒石の置き方が、微妙ですよね。ランダムだけど、考えているんでしょうよねぇ。トップは、ちゃんと縞々にしているのに、なんか、不思議といえば不思議。この方がお洒落っぽいと思うのですが、当時のスタイルとしては、愚直なまでに縞々積み、という方が当たり前だったように思うんです。

造詣的な装飾は、もともと少なかったものと思いますが、ファサードアーチの根元に、すっかり壊れてしまった、おそらくライオン君。




この他には、後陣アーチの根元に、いくつか花の浮き彫りがあるだけです。これもまた素朴な浮き彫りで、愛らしい。




北側の側壁。




白黒の建物は、後付けでしょうね。本体は、あくまで白、そこに職人さんのセンスで、黒をちりばめる、っていうもの。または、修復?ん、それもありかも。

ここは、残念ながら閉鎖されています。中は、荒れたままなのかもしれないです。ミサすら、行われる様子はなかったし。そういう中、これだけ美しく外観が保たれているというのは、すごいことです。

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  1. 2016/03/14(月) 02:58:48|
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