fc2ブログ

イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

お花見、フライング。ミラノの週末。

朝っぱらから用事で出かけた帰り、昨年発見した、近所の花見スポットの脇を通ったので、立ち寄ってみることにしました。




小高い丘の斜面に、桜系の樹木が、数種類植えられているのですが、アクセスした場所の方々は、まだ三部咲きというところ。




上の方は結構開花していますが、下の方はほとんど蕾で、それもかっちりと閉じている感じでした。
それよりも、足元の雑草の方が華やかに咲き誇っていました。

小さな野生のスミレ系。




これ、去年来たときは気付かなかった。もう終わっていたのかも。
おなじみさん。




ここのタンポポは大きくて、すごくきれいな黄色。
それにしても、アスファルトに覆われた隙間から出てくるタンポポの、なんとたくさんあることよ。そういう厳しい場所にあえて咲き出るのが好きな、M系の方々なんでしょうか。
そして、開花している一方で既に綿毛になって、再生に努めていたりもして、この人たちの生産性って、ウサギさん以上にすごいんじゃないか?豊穣のシンボルになってもいいのではないか?
でも、タンポポって、中世的シンボリズムには出てこない植物…。結構図案化やりやすそうなのに。中世にはヨーロッパになかったのかな。千年単位で見ると、地球の気候変動は結構大きくあるので、植生もずいぶんと変わって来ているのでしょうねぇ。
などと、雑草と見ながらも、妙に壮大なことを考えつつ散歩。




この小さいマーガレット系の花、目に沁みる白さ。
この青の人たちは、どこでも元気。近づくと、実に美しいけど、とにかくミクロで、全体で楽しむカスミソウタイプね~。




この、急な階段を登ると、視界が開けます。




この丘の公園は、この近辺の再開発で出た土砂を盛って、作ったもの、と思います。イタリアって、そういうの多い。ミラノの西の方にも、世界大戦のあとの瓦礫を持ったという丘があります。自宅前の公園も、瓦礫を盛って、全体をならしたとか聞いたことあります。確かに、道路よりわずかに高い。
日本って、震災後や戦後の瓦礫は、どうやって片付けたんだろう?田舎の方にわざわざ運んだ?
あまり考えたことのない土地の成り立ち。




丘の西側には、昔ながらの一軒家地区が見下ろせます。昔は、ミラノの中心部とは一線を画す、郊外の住宅地で、周期には畑とか牧草地とかが広がっていた場所なのだと思います。
そういえば、この一角に、11世紀頃の小さな礼拝堂があるはずなんですが、いまだ場所が特定できていません。




ちなみに、こちらが丘の反対側の再開発地域、ビコッカ。
大学や、大企業の大きなビルがずらりと並んでいます。外国企業もたくさん。
以前は、車がないとどうしようもない地区でしたが、今は、地下鉄も通って、かなり便利になっています。

一番見晴らしのいい場所に到達。スカイラインを眺めて、あれ?




ミラノにも、構想建築が増えたようなぁ、とびっくりする思いでしたが、昨年にはなかった建築が見えたので、あれ、と思ったんです。この写真ではわかりにくいかも、ですが、右端の奥の方にかすかに見えるやつ。




まだ完成していない再開発地域、シティ・ライフのビル、二棟。左側が、完成済みのアリアンツ・タワーで、保険会社アリアンツが入居予定となっています。設計は、磯崎新さん。
幅が非常に狭いビルで、大丈夫か?と思うような細さです。
お隣の、絶賛工事中は、ライバル保険会社ジェネラリ・ビル。シティ・ライフは、ジェネラリが意気込んで投資したものの、同地区に建設されている一般住宅が売れなかったり、そのせいで工事が一時停止したり、と色々大変なようです。
ちなみに、磯崎さん設計のビルは、ミラノ一番の高さを誇る、つまりイタリア一の高層建築となります。そりゃ、見えるわけですね。

左の方に見える一群は、中央駅近くにある再開発地区に完成済みのビルたち。




作ったはいいけど、入居者が集まらず、投資した会社が入居せざるを得なかったといわれているウニクレディト・ビル(一番右端の、ちょっとかっこいいビル)とか、どうもさえない投資物件の多い、ミラノの高層ビル。

そうは言いながらも、やはり新しいビルの建設や再開発は増えていて、知らないうちに町並みというのは変化しているものなんですよね。
真下に見える、ミラノの古いタイプの、リンギエラと呼ばれる建築も、近い将来には、なくなっている可能性が高いように思います。




お花が全然まだだったので、お花見とは関係ない思いに捉われたお散歩となってしまいましたが、いつもと違う高さで、違う風景を見るのも、たまには面白いもんですね。
このお天気が続けば、来週、イースターごろには、ずいぶんと咲き始めるかもしれませんので、また行ってみようと思います。





おなじみのロマネスクは、こちらへどうぞ。
ロマネスクのおと

ブログ・ランキングに参加してます。よろしかったら、ポチッとお願いします。


にほんブログ村 美術ブログへ(文字をクリック)
ブログ村美術ブログ


にほんブログ村 海外生活ブログへ(文字をクリック)

最近はまっている写真サイト。ロマネスク写真を徐々にアップしています。
インスタグラム
スポンサーサイト



  1. 2016/03/20(日) 00:13:21|
  2. ミラノ徒然
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
<<少年の言葉を信じて、ひたすら待つという修行。ポルト・トッレス。 | ホーム | まずは、サルデーニャらしいご飯から。ポルト・トッレス。>>

コメント

No title

春爛漫!

路傍の野草の花も良いですね。

西洋タンポポは黄色の色が鮮やかで綺麗ですね。

ミラノにも春の訪れですね!
良い陽気に為りましたね。

東京は春分の日です。
今日あたり昨夜の開花宣言が・・・・

東京は花見の季節が参りました。
  1. 2016/03/19(土) 23:55:00 |
  2. URL |
  3. 古代遺跡めぐり<山下亭> #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

山下さん
そうですね、春分の日だ。そういう日がお休みになっている日本って、やはり風流だなぁ、と思います。
お花見いいですね。東京は、どこでもサクラがありますもんね。楽しんでくださいね。
  1. 2016/03/20(日) 12:01:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
https://notaromanica.blog.fc2.com/tb.php/1556-810afb90
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)