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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

一番の目的は、シチズンのtime is TIMEでした。

ミラノ・フオリサローネ2016その1

このところ、比較的さくさく毎日記事をアップできていたのですが、私事で忙しくなったと思った途端に、世界で一番重要なインテリアの見本市サローネが始まってしまい、毎年恒例のフオリサローネめぐりに突入。
で、生活リズムが完全に狂ってしまいました。

展示会初日から毎日、仕事のあと、フオリサローネめぐりをしていたため、夕食の時間はずれるわ、疲れちゃって何も出来ないわ、という1週間。おそらく、それまでの数日、ストレスフルな日々が続いたせいもあり、そういう生活に逃げ込んだ、というのもあるのかな、と思います。
歩き回るため、肉体的には疲れたものの、でも、他の事を考える暇もなく、毎日面白いものや美しいものを途切れることなく見て、そうこうするうちに、考えても仕方のないことを考えることもなくなり、ちょうどよかったと思います。

そんなわけで、例年になく広範囲に、フオリサローネ会場を徘徊しました。
普段中世中心のブログで、現代インテリアや建築やアートへの興味のある方がどれだけいるものか、いつも逡巡があるのですが、せっかくだから、記事にしておこうと思います。

まず初日は、いつもとは違って、こんな場所から。




無印良品の、イタリア上陸一号店となる、ミラノのブエノス・アイレス通り店。今回、増床して、なんとヨーロッパ一番の広さとなったということで、フオリサローネ協賛の、オープニング・パーティが催され、仕事の関係で、お邪魔することになったもの。




考えたら、この店舗には、ずいぶんと長いこと、お邪魔していませんでした。今回増床した3階部分はともかく、もともとあった2階部分も、ずいぶんと広くなっているような気がします。広さに伴って、販売商品の幅も、非常に広くなっており、文具、生活雑貨に加え、男女子供の服飾が充実していました。食器も、萩焼のよさそうなお茶碗など、今度改めて買いに来ようかと思ったり。

ミラノ領事の挨拶とか、デザイナーさんの挨拶などあって、いかにもレセプション。




デザイナーは、Naoto Fukazawaさん、そしてKenya Haraさん。お名前はうっすらと知っている~。
相当数が来店され、押すな押すな状態の盛況振りでした。供されたのは、日本酒だったので、びっくり。
今後の更なる発展をお祈りしたいと思います。

普段は、まず、確実にイベントのパンフレットが入手できるミラノ大学会場に行くことが多いのですが、今回は、この無印のお店で、それを手に入れたので、自宅で急いでチェックして、翌日は、メイン会場であるトルトーナ地区に、いきなり行くことにしました。
というのも、2年前に見て感銘を受けた企画が、再び行われる会場がトルトーナ地区だったからです。

近辺に到着後、メインストリートであるトルトーナ通りに入った途端、かなりの人並み。すぐにも様々な会場が目に付きます。




目的地は、先なのですが、時間的余裕もあることだし、せっかくなので、いくつか寄り道をしました。




こういうの、とってもインテリアな感じで、分かりやすいし、驚きもないんですが、でも灯り関係は、どうしても惹かれてしまいます。
ここは、電気会社関係だったかな。




大きな会場。多分お隣の、今は美術館に改装された、かつての工場跡と同様、工場とか倉庫の建物を、そのままイベント会場になっているってヤツですね。現代美術展示にもぴったりな、高い天井、オープンスペースを、いくつかに区切って、数社の展示が入り乱れています。そういえば、Asusのノートブックが並ぶテーブルがありました。

さっさと切り上げて、先に進みます。




こちらは、今Mudecという美術館になっている工場跡地。確か美術館がオープンしたのは、つい一年前くらいのこと。フオリサローネ関連展示もあるのはわかっていましたが、わたし的なプライオリティは高くないし、人が相当多かったので、残念な気持ちはありましたが、見学せずに通過。

そのすぐ斜向かいくらいにある会場は、チェックしていましたし、ちょうど、雨がぱらぱらと降ってきたので、雨宿り的にも、駆け込みました。目的はこちら。




トヨタは、このトヨタに加え、レクサス・ブランドでも展示を出していますが、今回レクサスの方は行く時間がありませんでした。毎回、しっかりと参加しているし、ただ車を並べるだけではない面白い展示をしています。
今回は、かなり正統派だけど、実験的な、こんな展示。




なんと、ボディから椅子から、すべてが木製の車!




薀蓄をおいといても、発想が面白いと思いました。木を扱う巧みの技がたくさん盛り込まれているんだろうと思ったし、同時に、原点回帰でもあるわけだし。展示としては、とても地味だけど、発想として、インテリアの見本市に出る意味がとてもあると。

そして、いよいよ目的地に到着です。
スーパーステュディオSuperStudioPiu'というトルトーナ地区のメイン会場。ちなみに、イタリア語風に発音すると、スーペルステュディオとなり、昔はそういうのが恥ずかしかったものですが、今では、英語風発音の方が、しょってるみたいな気恥ずかしさを感じるって、なんなんでしょうね。

このスーペルステュディオは、とても大きく、やはりいくつかの企業が大小色々なスペースを使って、比較的大掛かりなインスタレーションを行います。そのため、話題になることも多い場所です。




他の場所と違って、入り口が一箇所で、過去にも、氏名や住所などを登録するか、名詞を置くかというシステムで、一応のブロックを行っていましたが、今回はさらに厳しく、入り口で、招待状を持っているか、業界関係者以外は入れません、一般開放日の週末に来てください、と言われてしまいました。
このために来たのにそれはなかろう、という気持ちがあったので、招待客でもなく業界人でもないけれど、実はお客さんの展示があるから来た、と言ってみたら、案外あっさり、じゃ、どうぞ、と入れてくれましたとさ。仕事上のお客さんの展示があるのは、嘘じゃないんですけどね。それにしても、それで入れてくれるなら、ブロックするなよ、と若干腹立たしい。
実際、ブロックしているにもかかわらず、すごい人混みで、とても関係者だけとは思えない…。
まぁ、それはともかく、早速目的地へ。入ってすぐにありました。




シチズンの展示、time is TIMEです。
これは、二年前、2014年フオリサローネで、カドルナ近くのトリエンナーレ美術館で展示しており、その時は、たまたまその場で行われたイベント(ダンス)を見る機会を得たこともあるのか、大変印象的だったのです。




とにかく美しい。




この、きらきらの一つ一つが、時計の部品なんですよ。それが、ピアノ線でつながって、無数に張り巡らされています。そのきらきらで閉ざされたスペースが二つ。今回もピアノ演奏などのイベントがあったようですが、残念ながらそれを見る機会はありませんでした。




初めて見た前回のような驚きはありませんが、それでも同じように美しさに打たれました。冷静な分、構造などを観察したりしてね。




縦横無尽に張り巡らされ、ランダムに見える糸が、ある場所からは、すっと見通せるようになっているとか。突然、とてもすっきり幾何学的に配列されていることが見えるんです。
いや、面白い。




時計も多数展示してあったんだけど、こっちの部品ばっかり見て、そっちは全然見なかった。それもどうよ、と思いますが、シチズンとしては、高級イメージとか、デザイン性、洗練されたお洒落なイメージを売ろうとしているんだと思うので、それでよいのかと。

水曜日の夜だというのに、相当の人出だったので、やはり最初に来てよかったと思いました。週末など、きっと混雑で、身動き取れないことだったでしょう。

続きます。

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  1. 2016/04/18(月) 06:25:55|
  2. ミラノ・フオリサローネ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

No title

木製の車は日本でも新聞記事に為って居ましたよ!


其れより何より・・・・・・

日本では九州の熊本の連続の大地震の発生!

熊本から大分と横断的な広範囲の地震で、死者も50人近くで家屋の損壊で避難民は、11万人と言う多さです。まだ余震は続いています。

早く地震は治まってほしい物です。
  1. 2016/04/17(日) 23:05:00 |
  2. URL |
  3. 古代遺跡めぐり<山下亭> #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

山下さん
そうなんですね。

熊本、大変ですよね。フェースブック等で、みています。友人が支援に走ったりしているので、それもまた心配ですし。
日本はどうなっちゃうんですかね。せめて、原発を止めてほしいと祈るような気持ちです。
  1. 2016/04/18(月) 20:31:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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