ピサの町って、かなり大きいですが、今まで、カテドラルや斜塔のある「奇跡の広場」以外の場所って、ほとんど行ったことありませんでした。今回は、地図にチェックを入れて、ロマネスクしらみつぶし、で、確実に5キロ以上歩いたと思います。炎天下、厳しかったですが、がんばって道をたどっていくと、他の建物にくっついたり、狭い見通しの聞かない道端だったり、場合によっては小さな広場に面していたり、といろいろなロケーションに、ひっそりとロマネスクがありまして、宝探し?オリエンテーリング?スタンプ・ラリー?みたいな楽しさは覚えました。
ピサ様式といっても、基本は共通するものの、すべてが、わたしのイメージする白と緑のしましまの装飾的なもの、でもなく、あ、基本はこういうものなんだ、ということが、数を見ていると見えてきて、なんだかとても面白い散策でした。
ずらずら並べます。
まずは、アルノ川近く、王宮博物館の裏にひっそりと建つサン・ニコラ教会。ひっそりといっても、塔は結構派手で自己主張してるかも。
自己主張している塔も、以外にも12世紀のものだそうです。灯台みたいな。
そしてこれがファサード。
オリジナル部分のディテールです。ここからしてすでに、あれ、派手派手じゃないし。適当にかわいいし。幾何学的装飾が、シンメトリーの建築の中でアシンメトリー。という事実に、興味を覚えてきました。
次は、観光ガイドの中でも比較的大きく取り上げられているサン・パオロ・ア・リーパ・ダルノ教会。
ここは、広場の中にあり、ピサには珍しくぐるりと後陣まで見ることの出来る教会(多くは建物に埋もれて、全体を見られない状況でした)。
オリジナルのディテールは、しましま、装飾ですが、派手派手ではないです。そして、やはり、装飾はすべてアシンメトリー。盲アーチの下の幾何学模様のモザイクは、すべて異なっているのです。
次。サン・ピエリーノ教会。
ここは、周囲が割りとお店のあるゾーンで、感じのよさそうなレストランや居酒屋に囲まれた地域。ファサードと脇の壁は見えますが、後陣は他の建物に囲まれて埋もれてしまっています。
白と緑でなく、砂岩っぽい素材が、素朴な感じで、これもあり?と驚きます。装飾もやはりアシンメトリーで、なんかだんだんなじんできます。
そして、すぐ近くにあるサン・パオロ・アッロルト教会。これはファサード以外は完全に町並みに埋もれています。
でも紛れもないピサ様式の教会。ファサードの下部ね。
そしてまた町の中心部に近づいて、サン・フレディアーノ教会。
ほとんど、通常はオープンしていないのですが、ここは完全に現役。教会前もちょっとした広場になっていて、感じの良いロケーションです。ファサードは、やはり大理石じゃなくて、あれ?ピサ?って感じですが、要は、これはピサなんですね。多分。
幾何学模様よりも、ヘタウマ彫刻に魅かれるわたくしですが、ピサに関しては、このファサードのモザイクや幾何学模様のモチーフ、結構良いと思いました。砂色だったりすると、妙に味もあったりしてね。
最後に、サン・シスト教会。ここはガイド/ブックにも出てないのですが、歩いている途中でぶち当たりました。ピサ様式のファサードじゃないロマネスク様式で、妙に目立っていました(わたしの目には、ですけどね)。実はちょっとほっとしたりして。
これらは、整理してからサイトにアップしますが、どうでしょう。ピサ様式。いろいろでしょう。
これだけまとめてみることもなかなかないと思いますが、まとめて見ると、見えるもの、ありませんでしょうか。
続きます。
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- 2009/08/14(金) 06:04:22|
- トスカーナ・ロマネスク
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| トラックバック:0
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| コメント:2
ほんと、最後の正面写真が一番和みました。わたしはどうしてもプリミティブなものの引力に吸い寄せられるものですから…。
でも、仰っておられるとおり、まとめて見せていただいているうちにははーんこれがピサ様式というものらしさなのかぁと納得した次第。
豊富な大理石はイタリアならではの特質ですよね。
- 2009/08/14(金) 00:18:00 |
- URL |
- otebox #79D/WHSg
- [ 編集 ]
大理石の産地が近いですからね。でも深緑の石は、北の方から運んだとかちらりと。いろいろ調べてみたいことがたくさんあります。
このあと、ピサ郊外のロマネスクも一つ行きますよ。そこはロンバルディア風で、多分Oteboxさんも好きなタイプだと思います。
- 2009/08/15(土) 22:37:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
- [ 編集 ]