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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

石垣をよじ登り、不法侵入。というか、正当な権利?シラヌス。

サルデーニャ、ミニミニ修行旅、その26

ボザBosaの町でそろそろランチの時間だったのですが、なんといってもボザは、陸の孤島的な場所でもあり、帰りを考えると、ここで時間を使っている場合ではない、と思い、町に立ち寄ることもなく、内陸方向へ向かいました。目的は、シラヌスSilanusです。
とりあえず町に向かい、簡単ランチをしてから、教会を探そう、という目論見で、走り出して、約1時間。町にたどり着く前に、見つけてしまいました。




サン・サビーナ教会Chiesa di San SabinaとヌラーゲNuragheが並び立っている、歴史が視覚化した一角が、幹線道路から、すっかり見えるんです。これは、見逃しようもないし、ランチどころではありません。
幹線道路を外れて、歴史地区の入り口近くまで、車で入り込みます。




午前中のオープン時間は、13時半までとなっていますが、この時、13時25分。
この看板が目に入った時、小躍りする気持ちでした。たとえ5分しかなくても、何とかアクセスできる!と思ったんです。
ところが、門は、固く閉ざされ、屋台のような受付には、誰もおりません。
誰もいないときは、こちらに電話してください、と手書きの紙に携帯電話の番号。躊躇なく電話したのですが、むなしくベルが鳴るだけで、誰も出ません。

まぁ、よくあることですが、どうにも悔しいです。この、閉ざされた門扉から教会までは結構な距離があるので、ここから見ても、およそ訪ねた、とは言えないんです。
かといって、門扉を乗り越えるというのも…。

門扉の先の方は、教会を取り囲むように、ぐるりと石垣になっています。それも、背は低い。




1メートル程度ですかね。
どうしようかなぁ、と思いながら、ずっと石垣沿いに先に行ってみました。そして、ここなら、という場所で、一応周りと見まわしてから、おもむろに石垣をよじ登り、囲いの中に無事、入り込みました。
一応確認したのですが、侵入禁止などの看板はなかったはず。いや、明らかに、入るな、という意味の石垣ではありますが、でも、開いているはずの時間に開いてなく、いるはずの受付が不在で、電話までしたんだから、私にも理はある!と自ら言い聞かせながら…。

アクセスは、サン・サビーナ教会の後陣から。




いかにも古い構造です。
横から。




なんだか、古代の美しさにワクワクドキドキします。
そして、正面。




横っちょの構造は、後付けの感じもありますね。それにしても、時代も不明な感じの古さ、いいですねぇ。草原のただなかに建っているのも、実に印象的です。




このシンプルさ。
こういうところは、装飾が全くなくても、もうこの石積みやアーチ構造だけで、うれしくなってしまいます。
地味ながら、石色が、相変わらず多様で、きれい。そして、サイズや形が微妙に違う切石の感じも素敵~!




後代の修復によるところもあるのでしょうが、白石の中の黒石の帯などは、やはりオリジナルでしょう。
それにしても、中に入れなかったのは、本当に残念。中には何もないはずで、ただ、丸天井を見ることができるだけなのかもしれないんですが、それでも、入りたかったです。

すぐお隣に、ヌラーゲがあります。




ヌラーゲは、サルデーニャ先史時代の遺跡で、今でも、用途がよくわかっていない構造物なんです。サルデーニャ中あちこちにあり、「先史時代の遺跡を巡る旅」の方が、コンセプトとしては、「中世を巡る旅」より、メジャーな気がするくらいです。

ヌラーゲには、門があるわけではないので、ちょっとのぞいてみます。




なんだか、石の舞台的な。




一歩入ったら真っ暗。何千年と建っているものですから、ここで崩れるはずもないのですが、いるべきではない場所にいることもあって、ちょっと怖くなって、ちゃんと入り込むことなく、引き上げました。蝙蝠とかいそうだったし。

それにしても、古代から、遺跡が集積しているということは、ずっと神聖な場所だったんでしょうねぇ。今のシラヌスの町からは、相当離れているので、おそらく、かつては、もっと近くに集落があったのではないかと思います。石垣も、古いものだと思われますし。
そこここに、大きな石がゴロゴロあったりするのも、いかにももっといろんなものがあったのではないか、と考えさせるものです。

それにしても、見事に何もなくなって、そして、この二つの建造物だけが建っているというのは、実に不思議。シビオラでもそうだったように、かつてあった集落が、すっかり消えてなくなったということなのかしら。
サルデーニャって、歴史のロマンが、そこかしこに、はいて捨てるほどありますねぇ。

ああ、それにしても、ウィンドウズ10になって、日本語入力も、写真の取り扱いも、異常に不便になっています。
そして、インターネット・エクスプローラーが見つからないのも、イライラのもと。慣れるんだろうか、これ。
最近のさぼり癖を助長するような、悲しいアップグレードです。

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  1. 2016/05/25(水) 05:44:52|
  2. サルデーニャ・ロマネスク
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

No title

此の石垣は羊囲いの石で、人の為の石垣では無い!と・・・・・

良い自己判断だと思います。

少なくても私はその様に思いますよ!

わざわざ訪ねたんですから・・・・・
手ぶらで帰る訳には行かない!

その気持ち、良く解りますよ。
  1. 2016/05/25(水) 02:43:00 |
  2. URL |
  3. 古代遺跡めぐり<山下亭> #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

山下さん
確かに羊囲いとも考えられる土地です。そして、よじ登りだめ、とはなかったのも確か。ただ、メインの入り口(チケット売り場)には、「チケットなしでの入場禁止」とはあったんで、やはり、人の侵入も阻むものだったかもね~!
でも、仕方ないですよね。
最近は、どこでもここでもカメラがあって、プライバシー侵害も問題になるイタリアですが、さすがにこういう場所には、なかったと思うし、ま、いいか、ってとこですね。
  1. 2016/05/25(水) 22:02:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

2005年に行ったときは柵はなかったのですが、聖堂の中は係員の姿もなく入れませんでした。隣のヌラーゲは恐る恐る中に入ると階段があり、上に登れました。他に見学の方がいて一緒に上ったので、一人だとやはり躊躇したと思います。
  1. 2016/09/11(日) 06:29:00 |
  2. URL |
  3. alice #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

> aliceさん
お久しぶりです、訪問+コメント、ありがとうございます。
どこに行っても感じますが、この10年とか15年のスパンで考えると、いろいろな場所が、いろいろに変わっていますね。観光的には、進歩しているケースも多いと思うのですが、しかし、こうやってきちんと整備をしているにも関わらず、本来開いているべき時間に人がいないというのは、まったく進歩の逆進です。
まぁ、冬場だから仕方ないところもあるのでしょうけれど。夏のリゾートであるサルデーニャはまだまだ進歩開発の余地が大いにあり、いつまでも海だけじゃだめだよ、と言いたくなります。そういうのは、サルデーニャだけではないですけれどね。
  1. 2016/09/11(日) 17:57:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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