5月に、ミラノ恒例の本の市があり、かなり大量に日本語本をゲットしたのですが、とにかく読むのが遅い。というわけで、この時期も、量は少ないです。
でも、少ない読書量ながら、予期せぬ出会いもあり、やっぱり、少しでも興味がある本は、購入しておくもんだ、といううれしい喜びもありました。
「よその子―見放された子供たちの物語」トリイ・ヘイデン(早川書房)
「日々平安」山本周五郎(新潮文庫)
「七人の証人」西村京太郎(実業之日本社)
「おろしや国粋夢譚」井上靖(文春文庫)
「夢見の旅人」ジェイン・アン・クレンツ(二見書房)
「夕やけ小やけでまだ日は暮れぬ」佐藤愛子(角川文庫)
「水の中のふたつの月」乃南アサ(角川文庫)
「ピリオド」乃南アサ(角川文庫)
「聖断」半藤一利(PHP文庫)
「白銀ジャック」東野圭吾(実業之日本社)
「花の鎖」湊かなえ(文春文庫)
買っといてよかった、という喜びは、「聖断」です(いつ買ったのかも覚えておらず、かなりの期間、積読になっていました)。
近代史にまったく弱い私にして、これは、第二次世界大戦にかかわる、昭和天皇と、首相、鈴木貫太郎を物語るノンフィクション。自分の世代の、左寄りの人間は、天皇とか日の丸とか君が代に対して、一歩引けてしまうところがあると思うのですが、それでいて、昨今、最も戦争反対や平和を、積極的に口にしているのが現行天皇であるという現実に、戸惑うものがあるわけで、そういう戸惑いを、多少なりとも、すっきりとしてくれたっていうか。
今の天皇は、昭和天皇の、戦争に対する忸怩たる思いを、しっかりと受け止めて、発言されているということなんですね、たぶん。
どんな組織であっても、トップが重要なのは同じ。それが、会社であれ、国家であれ。
今、個人的矮小レベルでいえば、自分の職場の、一部の使えないトップの人たちの、明らかに間違った政策の下にいても、結局下々のものは、トップの政策に従って、右往左往するほかない、という現実に生きていて、そういう視点からみると、国家的レベルであっても、結局そういうことで、下々がいくら何をどうしようと思っても、トップの決断に従う以外はない、という現実が、初めてわかるっていうか。戦争時でも、結局そういうことだったんだろうな、と。
一方で、トップにいたからといって、誰もがやりたいようにやりたいことをできるわけでもないわけで、そういう不自由な中で、国家というマクロな未来を、より良いものにしていきたいというだけを目的に戦った、そういう一人が、鈴木貫太郎であり、昭和天皇であった、という、まぁ、そういうノンフィクションだったわけです。
ノンフィクションくくりでは、大黒屋光大夫の人生を物語る「おろしあ」もまた、面白かったです。ロシアに漂着して、苦しい異国の生活の後、日本に帰国しながらも苦労する一生。異国に暮らすだけに、何か、身に迫るものがあるというのか。
ノンフィクションの凄みを感じた読書でありました。
とにかく、興味があるとかないじゃなくて、選挙には行ってほしいよね。
なんだかわからんけど。
最近はまっている写真サイト。ロマネスク写真を徐々にアップしています。
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- 2016/06/11(土) 05:57:58|
- 読書、備忘録
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| コメント:2
私此の「備忘録シリーズ?」結構楽しく拝見させて戴いて居ます。
日本は図書館が充実していて、本当に読書好きには満足感が有りますね。
読者好きで良かった!
リタイヤしてから特に其れを感じます。
- 2016/06/11(土) 02:31:00 |
- URL |
- 古代遺跡めぐり<山下亭> #79D/WHSg
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山下さん
読書好きって、いいですよね。図書館利用すれば、お金もかからないし、笑。老後、動けなくなったら、ひたすら読書かな、と思っています。
でも、現実には、読書をしない人が、本当に増えていますね。寂しいことだと思います。
あ、ちなみに、ほとんどくだらない本ばかりで恐縮です。基本、おやじ趣味なので、共通するものがあるかと、笑。
- 2016/06/15(水) 22:10:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
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