2015.07.スペインの旅、アラゴン編、その2
日本だと、時差が激しいので、あきらめる向きも多いと思いますが、こちらでは今、ヨーロッパ・カップが絶賛開催中です。地上波で見られるため、ついつい見てしまって、いつもに増して時間がなくなる、という夜が続いております。
テレビだけで夜が終わるのも寂しい話なんですが、根がミーハーなもので、どうしようもないですね。
とはいえ、そんなこと言っていると、一生先に進めないので、今夜は、イタリアの勝利を糧に、記事も一発…。
前回の記事で、過去の記録を添付したつもりなのですが、リンクできてなかったようです。今回は、紙ベースの記録を。
昔は、夏休みの旅をA4の紙にイラスト入りでまとめて、友人知人に近況方向代わりに送っていました。手間はかかったのですが、結果としては、記録として、面白いものとなりました。
10年前は、やはりガードレールもない山道だったようですね~。木1本生えていない山道は、走っていても見晴らしがよくて、本当に怖かったことを思い出しました。今は、緑も随分と茂っています。
さて、年輪を経て、素晴らしい味わいとなっている階段をのぼり、早速教会へ。
階段の中ほど右側に、まず最初の見学ポイント。
クリプタ・デ・サンタ・キテリアCripta de Santa Quiteriaです。聞いたことのない聖人です。クリプタだけが一人の聖人に捧げられているのも珍しいような。ロケーション的にクリプタと呼ばれていますが、もともと礼拝堂的な位置づけだったのかも。
再びメイン・エントランスから伸びる階段に戻り、突き当りまでのぼると、左右に分かれています。その左側の方に、教会入り口があります。
壁が複雑な形、角度で迫ってきます。岩山の岩をも利用した、自然の形に忠実な建築なんですね。教会も、城の中にうまく組み込まれています。
サン・ペドロ教会Iglesia de San Pedro。
こんなにせまぜましい場所であるにも関わらず、きちんとアーチで、側柱にしっかり素敵な柱頭がおかれています。植物モチーフの柱頭は、とても手が細かくて、腕もセンスもある石工さんの作品ですねぇ。
入場!
あ~!
この雰囲気は、記憶にあります。すっきりしつつ、全体に薄暗さが神聖な雰囲気を高めている感じ…。当時はスペイン語のガイドツアーだったので、団体で回ったのですが、それでも、神々しいような雰囲気が感じられました。
今回は、ほとんどの時間、独り占めすることができたので、受ける印象が、また違ったかもしれません。
現役の教会ではないこと、外観からは想像できないような、縦も横も広々としたがらんとしたスペースであることから、なんというか、歴史や時間、「兵どもが夢のあと」的な、諸行無常的な?なんだか、そういう感覚を強く思いました。
それにしても、素敵な…。
教会には、84もの柱頭があり、どれもが一つ一つ異なるモチーフで飾られているのだそうです。それも、すべてオリジナル。
柱頭を結ぶアーチの縁取りは、大好きなチェッカー市松モチーフ。これも、大好物なので、ゾクゾクします。
柱頭は、入り口のもののみならず、どれも相当細かい彫りが施されていますよ。
ダニエルかなぁ?でも、頭はライオンだけど、身体は蛇っぽい動物だから、別かな。
この、植物とライオン頭組み合わせも、斬新だし、細かさが、すごいです。
この後陣部分の柱頭は、背も低くて、かなり間近に見ることができるため、迫力があります。
何度も何度もなめるように、見返してしまい、また、バカみたいにたくさんの写真を撮影してしまいました。
西側は、岩山の岩が、一部露出していて、山の上に建てられた要塞の中にあることを思い出させられます。
壁の高い場所にも、柱頭があるのですが、かなり遠いうえに、自然光があまり当たらないため、撮影は難しかったです。
これは、肉眼ではほとんど判別不可能でしたが、写真で見ると、アダムとイブのようです。
いつも思うのですが、当時の人は、こういう手段もなく、地面から見上げることだけを想定していればよかったのに、それでも、見えないところの作品でも、近くから見ても大丈夫なような完成度のものをちゃんと置くって言うのは、すごいですよね。コストを考えたら、絶対にできないことだと思うんです。教会建築所以ですかね。
見えないところもきっちりしっかりしているから、全体に美しくなるのだろうし、細部が見えなくても、やはり美しさは伝わるものなんだとは思いますが。
そして、忘れてはならないのが、これ。
人の手による美しさをさらに引き立てる、自然の美。
このパノラマは、息をのむ美しさです。この見晴らしのよさだからこそ、ここに城が建てられて理由がわかりますが、敵が迫ってきたら、丸見え。どっちも怖いですねぇ。
続きます。
最近はまっている写真サイト。ロマネスク写真を徐々にアップしています。
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- 2016/06/28(火) 06:22:47|
- アラゴン・ロマネスク
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| コメント:8
素晴らしい場所ですね~(≧∇≦)。
彫刻はその時代の習慣や食べ物、生き物によって変化するようです。身近な生き物だったものが想像の生き物を作り上げたりして彫刻された時代なら通じた意味合いもあるのでしょうね。可愛らしいですね。
- 2016/06/27(月) 22:43:00 |
- URL |
- まーたん #79D/WHSg
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今は、出かけるのでとりあえず自筆メモが素敵だとお伝えして
階段大好き(観るのがもっと好きひざ痛いし)楽しみです
では・・・
- 2016/06/30(木) 00:33:00 |
- URL |
- poetryfish9 #79D/WHSg
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まーたんさん
こういう彫刻って、きっと好みではないかと。
モチーフ様々で、楽しいです。11世紀の石工さんと、趣味が合うって考えると、楽しいよね。
- 2016/06/30(木) 21:57:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
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山下さん
しっかりテレビ観戦されているのですね。
ヨーロッパ・カップは時差がないので、助かります。
イタリアは、明日ドイツと四強争い。スペインには奇跡的に勝ちましたが、ドイツはちょっとどうかなぁ。出かけるので、見ることができなそうで、残念な気持ちと、心穏やかな気持ち、半々です。
今は、ポルトガルが、ポーランド相手に、まさかの苦戦で、延長戦。今回、結構番狂わせ多くて、楽しいです。
- 2016/06/30(木) 21:59:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
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> poetryfish9さん
階段好き、渋いところ、来ましたね、笑。
こういう中世的、登ったら何があるやら的な階段には、とてつもない魅力がありますね。
しかし、石がすり減っているし、気を付けないと、危なくもあります。
- 2016/06/30(木) 22:00:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
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> poetryfish9さん
楽しんでいただけたなら、よかったです!何か、インスピレーションにでもなれば!
最近、消しゴムハンコにはまっているんですけれど、中世のモチーフは、インスピレーションの宝庫です。
- 2016/07/08(金) 22:11:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
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