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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

ダンジョンとか、中世のお城は妄想の宝庫(ロアーレ城)

2015.07.スペインの旅、アラゴン編、その3

ロアーレ城続きです。
城砦内部に隠されたロマネスクの至宝、サン・ペドロ教会を堪能した後、お城見学開始!




中世都市を訪ねると、教会とともにお城との出会いもそれなりにあるのですが、いつもお城まで見学している時間がなく、素通り、ということがほとんど。お城、特に中世の城っていうのは、歴史ロマン満載で、見学すれば楽しいこと間違いないのですが、たいてい無理。
ということで、ロアーレのように、教会と一体化して、見学せざるを得ない、というのは、ある意味得難いです。
特にこの城、ロケーションといい、全体のたたずまいといい、実に中世的で、城好きなら、一度は訪ねなければならない場所の一つでしょうねぇ。中世が舞台の映画のロケにも使われたはず。周囲に何もないので、天然のセット、というところでしょうか。

教会の入り口を出て、上に上ると、扉口を見下ろせる場所がありました。




この眺めだけで、すでにドラマチックな物語が語れそうな…。
すぐに出会うのが、この連続アーチ。




かつての修道院のスペースだったようで、本来は、このアーチがヴォールトとを支えていたのですね。11世紀初頭の建築。屋根があったら、どんな風だったか、妄想が広がります。

そして、構造がどんどん複雑になってきて、方向音痴の私としては、どう進んだら無駄なく、そして余すところなく見学できるんだろう、と、例によって、アワアワしてしまいます。

ドンジョンに続く、高みにあるアーチ橋なんて見ると、絶対あそこは歩く!とソワソワするし。




建物にワクワクするばかりでなく、時々、隙間から眺めることのできるこれも!




ただでさえ、丘の中腹というロケーションなのに、お城内では、どんどん登る一方ですから、眺めの広がりは、半端ありません。

で、今は青天井となってしまった天辺へ。




ここにも、小さな古い礼拝堂がありました。




相当古い建造物ですよね。素朴さが、胸を打ちます。
外観も、同様に、とても素朴。シンプルな入り口のアーチにうっとり。




こういうのって、ポツンと一人で建っていたら、これだけ地味で何もなくても、なんか、来てよかったなぁって、確実に思うタイプの教会です。

同じ場所に、素敵な大きな窓があります。




三重のアーキボルトで囲まれたとても立派な窓で、女王の窓と呼ばれているようです。女王様の居住場所ではありえない高さですが、これを見れば、女王様へのオマージュとしてそう呼ばれているのかと納得。




女王の窓からの眺めは、まさに絶景。

このレベルが、しかし居住空間であったのは確からしく、井戸の設備があります。




全体に新しくされていますが、もともと井戸があり、屋根を伝う雨水を、8万リットルまで貯水できるようになっていたのだそうです。お城も修道院も、結局立地のポイントは水ですよね。

そして、女王の塔と呼ばれる区画。




究極のシンプルさだけど、それが美を生み出している小さなアーチの窓。これは、感動的な美しさで、印象的でした。ここには、彫り物装飾、いらないです。

このアーチの間から、教会のトップを見ることができます。




そして、先ほど見上げた渡橋へ。




見落としなく回っている達成感に襲われたり。バカみたいですけどね。
この後、塔にある台所などの設備を見て、見学終了。
相当端折って紹介していますが、教会とお城の見学で、1時間半ほど、たっぷり時間をかけました。クローズ時間ぎりぎりまで。まさに堪能です。

最後は、また同じ入り口から出ることとなるので、教会にもう一度より、あちこちの石をすりすりして、とうとう入り口、というか出口に。




夕暮れが迫りつつある空を背景に、名残惜しく全景撮影。




こちらの側からしか見えないのが残念です。
一歩離れるごろに、振り返って一枚。




なんて、印象的なたたずまいなんでしょうね。
もっとひくと、城壁も。




修復もよくされていると思いますが、それにしても、全体の残り方が素晴らしいです。
特に、10年前と比べると、確実に、見学できる場所が増えたと思います。日々、修復がなされた結果なのでしょうね。

最後の一枚。




空港で慌てた甲斐がありました。もう間に合わないかも、と思ったけれど、本当に来られてよかったです。

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  1. 2016/07/01(金) 05:52:16|
  2. アラゴン・ロマネスク
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

No title

城内の石壁を見ると、当時は居住の部屋は大きな絵画の絨毯が壁に掛かって居たようですね?

家具やテーブル、床に敷かれた絨毯や、大きな壁掛けの絵画絨毯など想像すると・・・・・

石だけ残る古城も、当時のロマンを感じますね?

フランスやイギリスの古城めぐりの折は、そんな古代ロマンに浸って居ました。

最後の一枚の写真は素敵ですね!
右上の雲一つ。

雲ですよね?
有明の月!では無いですよね?

月でしたら・・・・・
決まり過ぎですよね?
  1. 2016/07/01(金) 01:06:00 |
  2. URL |
  3. 古代遺跡めぐり<山下亭> #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

山下さん
しっかり食いついていただき、ありがとうございます~!お城は、やはりロマンがありますね。ここは特に戦う城で、このロケーション。そして、教会。映画の舞台になったのもうなずける保存状態の良さ。テンション上がります。
あ、雲だと思います。夕方の雲。ロマンなくて。
  1. 2016/07/04(月) 22:58:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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