ピサ、郊外にも行ってきました。短時間で、簡単にいけるとこ一箇所だけ。車だったら、三つ四つ訪ねたい場所がありますが、それは、いつになるか分からない次回に譲って。
サン・ピエロ・ア・グラード。
ふふ、いきなりロンバルディアに戻ったような眺めです。ピサ様式の原型とも言われているらしい建築です。
凝灰岩と大理石。そうか、ピサの町にある教会の多くも、使われていた砂色の石は凝灰岩ですね。
そしてわたしの大好きな付け柱が、ロンバルディア状態で付けられています。原点回帰、という気持ちになって、ピサの町で見てきたばかりの装飾的ファサードからすっと解放されます。
内部もまた、ああ、よいではないですか。
ここは、大きく三つの様式が混在しています。すごく古い時代に建てられた寺院があって、その上にロマネスクの教会が11,2世紀に建てられて、内部には、古い時代の寺院の名残が残されていて、その上にゴチック時代の祭壇が作られているのです。手前がその姿。
それでいて、全体しっくり。
この太い柱とその基部、いいですよね。こういうの好きです。かなりローマ風というか。
柱頭は植物モチーフです。
そういえば、ほとんど中が見られなかったピサ市内の教会も、柱頭は植物モチーフが主体のような。シンメトリーに表すことが出来て幾何学模様に通じるからでしょうか。普段は、変なフィギュアや顔や獣の姿の彫られた、いかにもロマネスク、という柱頭に惹かれますが、植物系も、じっくりと見ていると面白いものです。ハイ。
側外壁。これがピサ様式、ですかね。北のロマネスクだと、ここはシンプルに付け柱、盲アーチ、だけなんですが、この四角や丸の装飾が、かわいらしい。カタルーニャ、ボイ谷のどっかの後陣に、こんな感じの装飾がありませんでしたっけ?
悪くないでしょ。
全部を整理して、サイトにアップするのがいつになるか分からないけど、いろいろと勉強したら、なんか楽しそうです。だって、ピサ様式って言ったって、やっぱりロンバルディアの石工がかかわってるわけで、そういう職人さんたちのことを考えると、いろいろ物語がふくらむし。
駆け足ピサ一覧。次は、もう一度、奇跡の広場に戻ります。
ちなみに、ここはピサの町からバスで20分くらい、海に向かう幹線道路沿いですから、風情ゼロです。そういう意味では、よくも、これまで長い間、壊されなかったな、と感心します。
道路を挟んだ向かい側に、レストランがあり、安くて感じが良くておいしかったので、お勧めです。お客は、なぜか近所の勤め人風の人ばかりでしたが、一体近所にどれだけ会社があるんだ?というのがなぞでした。
スポンサーサイト
- 2009/08/19(水) 05:13:07|
- トスカーナ・ロマネスク
-
| トラックバック:0
-
| コメント:2
よかっでしょう。外壁にテラコッタ等を埋め込んだのにはピサらしい風情が感じられますね。内部は非常に落着いた雰囲気でロマネスク以前の祭壇部にある遺跡は古さを感じさせます。
昔の写真には鐘楼もあったのですが、これが戦災か落雷での焼失にあったのですが、どちらだったかよくわかりませんでした。これわかりますか? 今は基部だけ残っています。
レストランあったね。まだ食事には早い時間だったのでスルーでしたが、もったいなかったなぁ。
- 2009/08/21(金) 01:52:00 |
- URL |
- クリス #79D/WHSg
- [ 編集 ]
クリスさん
レストラン、スルーは、残念でしたね!
鐘楼の崩れた理由は、建物内に説明ありました。それを読んだのに、すでに記憶にないって、まずいかも、わたし。戦災だったか、ベネチアのサン・マルコの鐘楼のようにある日突然だったか(後者の気がします)。
なんか今、鐘楼のあたり全般を修復中でした。基部だけでも、きれいにするのかも。
- 2009/08/21(金) 22:09:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
- [ 編集 ]