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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

お休みだとなんでこんなにがんばれちゃうんだろう(メディナセリ)

カスティーリャ・エ・レオン、その1

今回の旅、例によって、格安エア、Easyjetを活用しました。
まずは安いこと、出発便が金曜夕方にあり、仕事をお休みする必要がなかったことなどが理由だったのですが、今回については、往復ともに遅れが出て、ちょっと大変でした。
格安エアって、同じ路線をピストン輸送していますから、一便に遅れが出ると、遅れが雪だるま式に膨らんで、最終便の遅れが激しくなってしまうんですよね。
行きは、30分程度の遅れで済んだのですが、その理論で、帰り便は、なんと2時間ほどの遅れとなってしまい、本当に参りました。

遅れが嫌だったのは、マドリッドに到着後、レンタカーで150キロほど離れた町に移動する必要があったからなんです。
幸い、レンタカーの手続きは素早く済み、用意されていた車も、申し込んでおいたFiat500だったし(まったく運転したことのない車だと、ライトの位置など確認するのに、時間がかかってしまいます)、希望的な予定では20時半出発のところ、21時には出発できたと思います。

ひたすらドライブ。
スペインは、日が長いので、21時だと、まだ日中そのもの。しかし、走っているうちに、徐々に夕暮れて来ます。夕飯もちゃんといただきたいし、少しでも早く、と思い、郊外に出次第、ついついスピードが出てしまいます。
スペインは、高速道路でも、時速120キロ。イタリアは130キロなので、気を付けないと、結構なスピード違反になりかねません。周囲の様子を見ながら、大丈夫そうな場所ではぐいぐい。

夕間暮れのドライブは、視界が悪くなり、あまり好きではないのですが、しかし、この時の夕暮れは、本当に美しかったです。
スペイン中部の田舎を走ったことのある方には想像がつくと思うのですが、道路の周囲は、限りなく開けていて、ひたすら空が広がります。それが、空色から、徐々に夕焼け色ににじんでいって、黄色や桃色、みかん色…。それぞれの色が、少しずつ濃くなって、本格的な夕焼け色から紺色…。
そうこうするうちに、前方遠くに、ピカッピカッと光るものが。

風力発電の風車が、都会の高層ビルのように、定期的に光を発しているのでした。
一方で夕暮れのごちそう。他方で光の歓迎。「祭りじゃ~!」と叫びながら、運転しておりました。

高速を降りたころは、真っ暗で、そのまますいすい宿のある街に行けるものと思い込んでいたのに、なんと、最後は山道でした。
そういえば、こっちの町の方が、かわいいな、と思って、高速近くにある同名の新市街を避けて、旧市街に宿を取ったんだった。でも、まさか山道とは。




これは、翌朝撮った写真ですが、真っ暗な中、よくぞ登ってきました!
ちょっと大変だったのですが、村の様子が、とてもいい感じなのは、すぐわかりました。
到着は、22時半、回っていたと思います。

Medinaceli
Hotel Baviaca - Calle Campo de San Nicolas 6

ホテルはレストラン併設だったので、気の利くマリオさんという、たぶんオーナーさんが、「もう、サラダくらいしかできないけれど、食べますか」と言ってくださいました。空腹のまま、ベッドに倒れこむと思っていたので、これはうれしかったです。
荷物を部屋に放り込んで、素敵なレストランで、お食事。




マリオさんが、夜の町は、ライトアップでとてもきれいなので、ちょっと散歩などするといいですよ、とわざわざ勧めてくれたので、お食事終わって、すでに23時半でしたが、出ないわけにはいかない気持ちに。




本当に美しい町でした。
中世のままの石積みの家々が残り、黄色のライトアップが、確かに美しくて。そして、私などは全く知りませんでしたが、かなりの観光地と見受けました。小さな町なのに、ホテルやレストランが、Baviaca以外にも数軒あるんです。そして、こんなに遅い時間なのに、お散歩している観光客風が結構いました。




この町にも、ロマネスクがあると思い込んでいたのですが、ここの教会はもっと後の時代のもので、私の興味の範疇外でした。それにしても、こんなところも、さすが観光地、という愛らしさです。




陶器のタイルです。名産品なのかもしれません。

考えたら、今回の旅の象徴のような初日でした。
わき目も降らずに空港からひたすら走り、駆け込んだホテルで駆け込み飯をして、夜中散歩の上、翌朝も、朝ごはん前に散歩。睡眠は、6時間程度。




その後1週間、スタイルは違えど、過酷な日々が続いたことを思うと…。ま、結局いつもそうで、だから修行旅と呼ばざるを得ないわけですが。

朝散歩してよかったのは、周囲の風景を見たくて町はずれまで行ったところ、思わぬものに出会えたことです。




ローマの門。小さいですが、立派なもので、保存状態も良好です。彫り物などは、ほとんど溶けちゃってますけどね。
考えたら、メディナセリっていう町の名前も、なんとなくローマ起源っぽい。町の中心、市庁舎のあるマジョール広場は、昔から中心だったようで、ローマ時代の床モザイクも発見されたと、説明版にありました。

立地がすごく印象的。




わたしも登ってきた幹線道路が目の前。まぁ、もともと町の門としての建造物ですから、入り口にあるのは当たり前なのかもしれませんが。
今の道路の位置とは高低差が付いてしまっていて、門としての用はなしてないのですが、当時は、全体に高かったところを、削り取って道路にしたんでしょうかね。
でも、反対側はすぐに崖なので、ちょっと不思議。門は、実用ではなく、象徴としての門だったのかな。

この場所からの眺め。




スペインは、風力発電、結構早くからやっていました。特にこのあたりは、平地で風が通り抜けるからでしょうか、多いですね。前夜、遠くでピカピカ光って、歓迎してくれたやつら。近くから見ると、巨大でびっくりするけど、遠くから見たら、やっぱり風車。かわいいです。

ホテルに戻って、ジャスト8時。




朝は、マリオのお母さん(たぶん…)の仕事でした。
何でもあるけど、何にする?と言われたと思うのですが、頼み方もわからず、トーストしたパンとカフェ・コン・レチェ。




卵やベーコンも、頼めば用意してくれたようなんで、「ちっ」と思いました。だって、朝ごはん込だったんですよね~、せこいけど!
それにしても、安くて、お部屋はきれいだし、サービスはいいし、実によいホテルです。機会があれば、また来たいし、次回は、ぜひちゃんとご飯を頂いてみたいです。

おっと、いきなりホテル紹介みたいになってしまいましたが、象徴的な、過酷な旅の始まりの一日ということで。

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  1. 2016/07/31(日) 19:10:02|
  2. カスティーリャ・エ・レオン
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

No title

なんかスペインの朝ごはん、ショボいんですよね。ホームステイ先でもクッキーとカフェコンレチェでした。
毎朝それ。
高血圧の患者が多いのも納得です。
夜のお出かけ大丈夫でしたか?私は八時以降は男性が必ずついてくれましたけど治安がいいのかな?
陶器のタイル、素敵だな(≧∇≦)。
  1. 2016/07/31(日) 14:30:00 |
  2. URL |
  3. まーたん #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

イタリアも、朝は基本的に甘いものだから、それで大丈夫なんだけど、でも、旅先では、特に修行旅では、朝ごはんで生きるところがあるので、ちゃんと食べれれば、それに越したことはないかな。ここでも、たんぱく質をいただけばよかったんです。
夜は、真夜中近くでも、怖いことは全くなく。田舎って、いいわよねぇ。まぁ、このご時世、どこで何があるか、もうわからないけども。
  1. 2016/07/31(日) 18:45:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

素敵なブルータイル絵ですね!

お土産品の同じ柄のタイルを売って居たら・・・・・・
私は記念に必ず買うでしょうね?
(これは多少高くとも買うと思います)
  1. 2016/08/01(月) 01:42:00 |
  2. URL |
  3. 古代遺跡めぐり<山下亭> #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

かなり観光客は多かったのですが、お土産屋さん風のお店などは、ほとんどない感じだったんですよ。もちろん、歩いたのが、夜中と早朝だけだから、何とも言えないんですけれど。日中だと、観光地だったのだとしたら、ちょっとそういう時間にも過ごしてみたい村でした。残念。
  1. 2016/08/01(月) 22:30:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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