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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

10年ぶりに再会の、角っこの子(ヴァプリオ・ダッダ)

本格的な、夏休み修行を前にして、ミラノでだらだらとテレビオリンピック観戦の日々。これじゃいかん、っていうか、実はこのところ、ほとんど自分の車に乗っていないことが気になっていて、このままでは、バッテリーやばいんじゃないか、と、車を走らせるためだけに、ちょいと出かけてきました。

というわけで、お得意の寄り道記事となります。




訪ねたのは、おひざ元ロンバルディアのロマネスク、二つ。最初は、ヴァプリオ・ダッダVaprio d'Addaのサン・コロンバーノ教会Basilica di San Colombanoです。

ミラノから2、30キロで、暇な半日に、ちょっと訪ねるに最適な教会なので、今回、三回目。ここは、自分の記録としても、土地の記憶としても、重ねて訪ねたことが、結果として、ちょっと面白いものになったと思います。
一番最初に訪ねたのは、ちょうど10年前らしいんです(この辺は、自分でもちゃんと覚えてなかったりするので、ブログの記録が、役立っています)。つまり、2006年。

当時は、ブログはやってなかったのですが、その代わり、かなりマメに、同時的にサイトにアップしていましたので、下のリンクから、「ロマネスクのおと」に行っていただくと、つたないページにアクセスできると思います。
その次に訪ねたのが、その四年後。それについては、ブログ記事があります。


二度目の訪問の際、周囲の変貌ぶりに、すでに目を見張ったのが、上の記事でわかるのですが、今回さらに目を見張りました!
最初の訪問で、草ぼうぼうの野原だった場所が、2010年、ブログで記事にしているときには、立派に整地されて、駐車場と新しいアパートになっていました。
今回、さらに、その駐車場が有料化して、さらに、教会の裏手(当時、どうなっていたかは記憶なし)に、新しく無料駐車場ができているとともに、教会周囲の草ぼうぼうが一切なくなって、すべて整地されていました!




幹線から、ちょっと入ったところにあるのですが、以前は簡単にアクセスできたところが、ちょっと戸惑いました。そのあたりからも、きっと変わってしまったんだと思います。
この教会前の風景も、かなり違う。でも、帰宅して、以前の写真を確認するまで、どう変わったのか、正確にはわかりませんでした。
2010年には、教会前に木があったりして、自然の草ぼうぼうだったんですよね。
整備された、と言えば、その通りだし、アクセスしやすいのも確かですが、正直、一抹の寂しさはありました。整備されすぎ、というような。

とは言いながら、この教会は、いつ行っても、必ず開いていて、素敵なものを見せてくれますから、もうそれだけは本当に満足度の高い教会です。




全体は、かなり修復されちゃってますけれど、ポイントはしっかりと残されています。




ダニエルさんに、あまり興味なさげなライオンのスタイルが、なかなかに興味深い柱頭。

あ、ここで、初めてビスケット文様って言葉を使ったかも、と思った、後陣に開けられた不思議な窓。




今回初めて気づいたと思うんですが、柱頭、一部、色彩が残っているみたい。




光の関係か、ありえないと思っていたせいか、今まで、まったく気づいてなかったですけれど、確かに、緑や赤のかすかな色がありますね?
細部が、以前以上に、気になりました。本当に面白いし、よく残っています。

さて、この教会、実は後陣側に出ないといけません。ファサード側は、扉口から本堂に入る以外、脇は、鉄柵となっていて、直接アクセスできないので、本堂内部の扉から、後陣に、アクセスする必要があります。

本堂にある扉は、南と北に一つずつ。北側は、どうしても飽きませんので、南側、何度もトライしました。




外から開かないことはあっても、中から開かないはずはない!と強く思わないと、ちょっと開けにくい扉です。気持ちの片隅で、アラームとかしかけられてないよね?という恐れもわずかにあり、ためらいながら、昔のカギ外しにトライ。

上から。一個目。




丸いところを下に引っ張り、上部の引っ掛かりを除きます。
二つ目。




上のは、左にずらせばいいだけだし、下のは、最後に引っ張るもの。

三つ目。




これも、左にずらして。
四つ目。




地面に刺さっている某を上に抜いて、それでも動かないのを、力任せに引っ張ったところ、無事、開門~!
嬉しかった!
でも、過去に来ていて、ここは開けられるはず、と思ってないと、なかなかここまではできないかも!

でも、ここは、絶対に出ないと!
だって、こういうものがあります。

出たところの扉口。




ひや~、懐かしい。お目にかかるの、10年ぶり!
なんせ前回は草ぼうぼうに阻まれて、ゆっくり見てない!

そして、北側扉の上には。




ね。ね。多少扉おかしくしても、出てくるべきって、そういうものがありますでしょ。

それにしても、かつて、草ぼうぼうだった場所が、これこの通り。
10年の時間は、やはりバカにならない。




後陣も、虫に悩まされることなく、じっくりゆっくり、眺めることができます。
だってね、こんなん。
中からは、ちょっとかわいいビスケット文様だけど、外には、人の顔が中心にあったりして、ちょいと不気味なものとなってたり。




上部のアーチの間に、変なフィギュアがいたり。




アーチの下に、こんな小さいスペースに、普通、やらんよね?というようなフィギュアがあったり。




この教会、本当に好きだなぁ。

いったん本堂に戻ってから、あれ?なんか忘れたよね?なんだったっけ?と、再び、かつての草ぼうぼうに戻り、再発見。




そうそう、この子に挨拶してなかったんだよぉ、10年ぶりなのに!
え?どの子って?
角っこのこの子。




なんかいいよ~、この教会、本当に。
あんまり印象的だったから、10年たっても、ちゃんと覚えてた~!

ファサードは、一部、きれいになっていたような気もしますが、前回訪問時と大きな変化はないので、そちらで、確認くださいね。

おそらく、かつてよりは資料も見つけやすそうだし、もっとちゃんと情報詰め込んで、サイトを作り直したいと思います。

それにしても、この周囲の変わりようはすごい、と思い、今回は周囲の写真もしっかりと撮影してきました。マメに行こうと思っても、結局数年単位になっちゃうから、また、次回、とんでもない変化がないとは言えないし、怖いような、楽しみなような。

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  1. 2016/08/15(月) 07:07:25|
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コメント

No title

10年経って訪れられる!

凄い事ですよね?
私も帰国後、10年に為ろうとして居ます。

英国の古代遺跡をもう一度、再訪出来たら・・・・・
夢みたいな話です。
  1. 2016/08/15(月) 04:53:00 |
  2. URL |
  3. 古代遺跡めぐり<山下亭> #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

山下さん
いつか、再訪がかなうといいですね。でも、いい方に変わっていればよいけれど、悪く変わっているケースも、ままありますから、再訪はしない方がよかった、ってなることもありますよね。古代遺跡は、そういうのはないかな。でも、変に観光地化されちゃって、という可能性は、ゼロではないですね?めったにないか。
観光地化されて、よくなることは、あまりないですよね。
  1. 2016/08/15(月) 16:50:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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