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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

たまにははずれもあり(エル・ブルゴ・デ・オズマ)

カスティーリャ・エ・レオン、その9

夏休み第二弾が入ったりして、間が開いてしまいましたが、例によって、何事もなかったかのように、カスティーリャ・エ・レオン地域、今年の夏休み第一弾の修行旅記事、続けます。

人口5人のアンダルスの町で、ロサマリさんのお世話になった後は、暑さと空腹で倒れそうになっていたので、興味は薄かったけれども、地図で見る限りは、その近辺では最もランチにありつけそうな規模の町と考えられた、エル・ブルゴ・デ・オズマEl Burgo de Osmaへと向かいました。
ここにも、一応中世の教会があるはずだけど、事前の調査でも、おそらく、あまり好みではないだろう、ということはわかっていました。




カテドラルです。やっぱり~!
起源は12世紀とありますが、もうどっからどう見ても、その後の改築や付け足しやなんかの方が圧倒的で、こうやって見ると、ゴシック以降の壮大なカテドラル、というようにしか見えません。

ただし、さして大きくない町の中だというのに、かなりのスペースを周囲に持つたたずまいは、堂々として、気持ちの良い建物です。

長い時代にわたって、常に建築が繰り返されてきた建物の常で、全体の形など、まったく把握しかねる複雑な状況になっていて、周囲をぐるりと回るだけでも、大変なことです。

今や、そのように壮大なカテドラルですが、オリジナルの建物は、1101年に、ロマネスク様式で創建されたもの。でも、ゴシックの到来とともに、すぐゴシック様式にされたということらしいので、要はそのころ、この町はお金があったのでしょうね。その後も、新しい様式ができるたびに採用してきたところを見ると、そして、今でも、地域では規模が大きいところを見ると、どういった産業があるのかは知らないのですが、ずっとずーっと、この町はお金持ちであり続けたということなのでしょう。

全体が、新しい様式になっているものの、半円等のスタイルは保っている後陣の一つには、こんな立派な紋章がつけられていました。




15時前後、最も暑い時間だったせいもあり、あまり歩き回る気力もなくて、離れて全体を眺める、という余裕もなかったので、全体をとらえたよい写真がないのですが、後陣、こんな感じになっています。




お昼休みで、中に入ることはできなかったのですが、悔しい気持ちは、みじんもありませんでした。
実際、ランチのために来た町に過ぎないとはいえ、いつもの癖で、なにかあるかも、と、宝探し気分で、食後の腹ごなしも兼ねて、周囲を上から下まで、眺めた倒すことだけは、しました。
と、やはりかすかな名残はあるもんなんですねぇ。

側壁の、すごく上の方、日差しの強さもあって、肉眼ではほとんど細部が見えない場所に。




すべて、ロマネスクよりは後の時代っぽいテイストですが、この位置にこういう装飾彫り物を置くのは、明らかにロマネスクのスタイルです。
思わず、持参の双眼鏡で眺めると、あら、これなんかはちょいとロマネスクです。




隣には、もっと愛らしいやつらも~!




私が、ひたすら上を見上げて宝探しをしていた広場には、にぎわったカフェがありましたが、地元の人ばかりだし、たぶん、変な東洋人が何を見てるんだろう、くらいに思われたでしょう。せっかくのライオンちゃんたちも、注目されることはめったにないんだろうねぇ。




正面わきの小さな扉も、そこはかとなく、テイストだけは残っていると思いました。




いかにも牛然としたリアルな頭部が、こんな場所に置かれるのは、珍しいですね。リアルさが、やはり時代の下がっているのを感じさせます。

そんなわけで、ま、こんなもんか、と車を駐車した住宅街の路肩に戻ると、停めた先に、こんなシルエットが。




初期キリスト教的な、相当古い教会のスタイルと思い、ファサード側に回ってみたところ、すっきり超新しいものとなっていたうえに、結婚式たけなわだったので、もう極めることもなく、そそくさと失礼しました。

小休止的に立ち止まった町で、やはり予想通りに、教会は得るものがなかったのですが、修行にはこういうこともつきもの。そして、7日間の旅で、朝昼晩と、内容はともかくとしてきちんと三食いただいたのは、とうとう、この到着翌日、つまり修行初日だけとなりました。
どういうこと、って?それ以外の日は、ほとんどランチ抜き、またはディナー抜きの一日二食だったんです。だから、4キロもやせたんですね。あきれますね~。

さて、この地味な土地の後は、一気に、県を移動して、超有名重要サイトに向かいます。

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  1. 2016/08/31(水) 05:37:21|
  2. カスティーリャ・エ・レオン
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

No title

外れがあるから・・・・・

当たりが有るんですよね?


世の習いです!
  1. 2016/08/31(水) 09:42:00 |
  2. URL |
  3. 古代遺跡めぐり<山下亭> #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

山下さん
おっしゃる通りですね!フリマの教訓でしょうか、笑。
はずれがあるから、あたりがぐっと嬉しくなりますね。
  1. 2016/08/31(水) 22:15:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

オスマ、3年前の10月に行きました。
外観、ロマネスクファンにとっては全く興味をもてませんよね。元のロマネスク部分は回廊に観られるので中に入れなかったのは残念でしたね。柱頭彫刻、かなりゴシックに近いのでお好みではないかもしれませんが。私のHPには載せてります)ここはベアトゥス本の一つオスマ写本で有名ですが、展示されているのはファクシミリ本、それでもカメラ禁止。売店の修道士のおじさんも感じ悪かったし。尊大でいい印象はうけなかったです。この町はドミニコ会の聖ドメニコの出身地です。比留間人っ子一人見当たらない町をそぞろ歩きしました。カステーィリヤの乾いた大地 懐かしいです。
  1. 2016/09/04(日) 23:02:00 |
  2. URL |
  3. yk #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

> ykさん
そうですか、こんなところにもいかれたのですね。まぁ、このあたりでは、結構大きい町なので、通り道的には、行きやすい立地かもしれないですし。
そう、回廊は、私もチェックしてあったのですが、時間的に、どうしても午後のオープン(確か、16時とかだったとおもいます)までは待てませんでした。後日、寄ろうと思えば寄れたのですが、まぁ、ああいう外観を見る
と、いいか、という気になっちゃいますね。
貴サイトで、お写真、見させてもらいます。ありがとうございます。
  1. 2016/09/05(月) 22:46:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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