土曜日の午後、珍しく町に出ました。というのも、在外選挙の投票のため、ミラノ領事館へ行ったのです。
領事館は、ミラノの町の中心部に近いことだし、週末に町に出ることがめったのにないので、特に目的もなかったのですが、本屋でも行こうかな、と思って、カテドラル近くへ向かいました。
で、スカラ座前でバスを降りた途端に、目に入ったのが、マリーニ宮の垂れ幕。マリーに宮はスカラ座の向かいにあるミラノ市庁舎で、以前にもカラバッジョの絵を無料公開していた場所です。何だろう、と近づいてみると、なんとなんと、レオナルドのアトランティック・コード、とあるではないですか。
混んでもいませんので、迷いなく入場。
無料と書いてあるので、奥まで突入。無料だっていうのに、案内嬢はにこやかでとても親切。こんなパンフレットまでいただけてしまいました。
ここへ来て、そういえばニュースで言ってたような気もする、って感じでした。
公開していたのは、有名なアトランティック・コードのオリジナル2枚と、あとは電子図書というんですか、画面で見られるものが3,4冊。9月10日から、ミラノの美術館および最後の晩餐のある教会で、多くが公開されるらしく、その宣伝的な意味で、ミラノ市の協力を得て、ここで無料公開が企画されたようです。
電子図書というのは、初めてでしたが、他の人はすいすいやっているページめくりが、なぜかわたしは出来ず、いらいらしてしまいました。でも、原寸大で、詳細まで見られる手段としては、あれはすごいもんですね。
オリジナルは、たった2枚でしたが、間にガラスがあるとは言え至近距離。やはり迫力が違います。
出口で販売していたポスターを、思わず、購入しました(ちょうど最近、家の装飾を考えているところだし、レオナルドの素描は好きなので、ちょうどよかったのです。それに激安)。
やはり町には出てみるものです。
ミラノには、トリブルツィオ・コードというのもあるし、確かそれ以外にも見に行ったことがあるな、と昔の記録をひっくり返してみたところ、記録はしとくもんですね~。9年前に、やはりこのアトランティック・コードの公開があり、しっかり見に行っていました。当時は、ちょっとした展覧会はすべてチェックしていましたしね。
アトランティック・コードは、レオナルドのコードの中で、最もスケールが大きく、紙数も多いものです。トリブルツィオもミラノ市所有で、以前オリジナルをみたことありますが、小さな手帳程度の大きさで、このアトランティックとは、迫力が全然違います
ミラノになぜコードが二つもあるかというと、レオナルドが人生で最も長い期間を過ごした土地だから、だと思います。これも、当時調べるまで、実は知らなかったんですが、彼は、30から50歳近くまで、そして54歳から60過ぎまで、通算して25年間もミラノで過ごしているんですよね。
今回アトランティック・コードが公開されたマリーニ宮前の広場の中心に立っている彫像は、まさにレオナルド。
ミラノに来た当初、そういうレオナルドの人生を知らなかったので、え、なぜここにレオナルド?と思っていたのですけどね。
それにしても、500年以上昔のものと思うと、なんか感激します。そんなすごいものに、なんとなく出会えてしまうミラノ、それはまたそれで、なんかよいですよねぇ。
選挙で義務を果たしたと同時に権利の行使をした満足感を得て、そしてご褒美みたいにレオナルドに出会えて、なんか充実の土曜日でした。
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- 2009/08/23(日) 05:53:10|
- アートの旅
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