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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

高低差をものともせず(ソリア5)

カスティーリャ・エ・レオン、その23

ラバネラ教会のミサの時間まで、他の教会の見学をしました。緩やかに下る道を東に進むと、ちょっとした広場が広がり、そこに面して、ロマネスクを目指していると、危うく見逃しそうな教会があります。




ヌエストラ・セニョーラ・デ・ラ・マヨール教会Iglesia de Nuestra Senora de la Mayor。

ここもまたロマネスク起源の教会、サン・ジルSan Gilの上に建てられた教会で、一部にそのサン・ジル教会の遺構が見られるのです。つまり、私が見るべきは、ヌエストラ・セニョーラ教会というよりも、サン・ジル教会、ということになります。
今の姿は、16世紀以降のものです。

ロマネスク時代の遺構の一つがこの、南側の扉です。




建物から飛び出したスタイルで、上部に軒送り、そしてタンパンなしのアーキボルト構造と側柱に柱頭、と全体にスペインらしく、またこの地域らしくもある扉です。
全体にはかなりすっきりとした装飾のイメージですが、柱頭にはぎっしりと彫りが施されています。
向かって左。




摩耗の激しいのは残念ですが、ストーリー的なものと、奥は非常に装飾的なあみあみスタイルです。副柱頭も、アラベスク的な繊細な帯彫りです。

右。




より装飾的な感じです。扉に最も違い柱頭は、グリーンマン、いや、動物のようですが、角っこにライオン風が置かれて、つる草をはいていますね。真ん中のは、ハーピーっぽいですが、フクロウにも見えます。
でも、私には、鶏肉に顔がついているように見えちゃう。もしかして、羽根をむしった鳥を参考に彫ってないかしら、なんて…。

幸いにもここはオープンしていましたので、内部も見学しました。しかし、ほとんどは、後代のものとなっていて、面白みはありません。
ただ、確か右側の後陣だったと思うのですが、サン・ジルの遺構がありました。




例によって、床はフローリングになっています。水盤は、違うと思いますが、アーチと柱頭は古いですね。何もなさそうな中で、こういうものに出会うと、すごく嬉しく感じます。

右は、あみあみ組紐。




左は、アカンサスっぽいです。




傷んでいるけど、それだけに、よくぞ残りました、と、すりすりしたい気持ちになります。

実は、いま説明を読んでいて、鐘楼もロマネスク時代のもの、とありましたが、撮影をしていないようです。ただ、下の写真に、鐘が写っているので、建物の一部全体が鐘楼になっているような構造だったのかしら。記憶が…。




この教会のあたりから、また町は一気に高度を下げます。下がりながら、ドゥエロ川へと続くのです。
限られた時間を無駄にせず、オープン時間を逃さないよう、こういう階段や坂道の上り下りをものともせず、行ったり来たりしてたということで、なんだかあきれつつ、自分に感心しつつ、写真を見ています。

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  1. 2016/09/25(日) 01:38:55|
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