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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

経済効率より土地の歴史を残すこと優先(ソリア6)

カスティーリャ・エ・レオン、その24

ソリアの町、続きとなります。
前回紹介した場所からさらに川に向かって、緩やかに下り坂になっている、住宅地とも商店街ともつかないような半端な通りの中ほどに、いきなり、変にスタイリッシュに修復された遺構があるんで、びっくりしました。




サン・ニコラス教会跡地Ruinas de Iglesia de San Nicolasです。

道に面した部分は、ガラス張りとなっていて、素通しなんですが、こんな風に説明版を兼ねていたりして、妙にオサレ感がある展示となっています。




12世紀から13世紀にかけて、その当時のソリアの町の中心部に建てられたロマネスク教会、とありますので、やはり、このあたりが、もともとの町の中心地に近かったことがわかります。
最初にアクセスしたラバネラ教会は、おそらく当時は街はずれだったのであろうという予想が、ばっちり的中した感があります。

この教会は、今世紀に入ってからは、カルチャーセンターのような機能を持つようになったようなので、つまり、教会として保存されているわけではなく、カルチャーセンターとして、利用している以上、休日はクローズである、ということだったようです(実は、今、わかったです)。

ガラス越しなので、うまくは取れないのですが、後陣部分。




本堂の、天井が、すっかり落ちてしまっていて、外郭の骨組みの一部が残っている、という状態なのですね。
ここは、外側は、ガラスなしで、アクセスできます。というか、撮影は可能。むき出しになっているので。




地味だけど、でも、ラバネラ教会とも共通する後陣スタイルという様子です。石の色味が同じだし、すっきりしたスタイルは共通性が感じられます。窓装飾も、ここでもビザンチンの風味があるのかも。
アップにすると、こういう感じ。




ブラインドにしている部分の装飾は、やっぱりそういう感じかも。
側壁の方も。南側の側壁で、北側は屋根とともに、なくなっています。




こんなじゃ、本堂は相当暗かったのではないでしょうかね。
全体は、こういう感じ。




こんな町中に、よく残したもんだよね。
ちょいと素敵な柱頭とか、うっすらと残っているフレスコ画なんかもあるんだけど、それにしても、半分も残っていない建物と、わずかな芸術品だけだったら、そして、それが、商業的には結構一等地だったら、芸術品だけこそげて、整地しちゃうよな、と思いますけれど、それが、こうやって、堂々と残されている。




そういうところが、スペインらしさでもあるのかな。
それほど、経済効率優先でやってこなかったということなんだろうけど。

その上、その、半端に残った部分を、カルチャーセンターのようにして、再利用している。なんかすごいなぁ。こういうところ、日本は大いに見習わなくちゃいけないと思います。
石の文化だから、壊すよりも残す方が効率が良いとかどうとか、そういうことではなくて、何に優先順位を置くのか、という話だと思うからです。

違いますかね?

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