2016ベネチア建築ビエンナーレ、その7
ごみの山のてっぺんから見えた、かわいい一角。
何つながり?と思ったら、こういうことだった。
ROCK GARDEN / ANUJ SAINI
「廃品自転車のハンドル再利用で作られた熊、廃品自転車のハンドルから作られた人形、廃自動車部品で作られた狼」
上の写真の、犬とも何ともつかない、タイル張り状のが、その狼だと思うんだけど、めっちゃくちゃかわいい。
民芸品にも、プリミティブ・アートにも見えます。
ロック・ガーデンというプロジェクトで、インドに、こういう造形を並べたスペースがあるらしいのでした。超有名建築家ル・コルビジェがかかわったもんらしいです。
ヨーロッパ的なモダニズムをインドに移植する的な、若干押しつけがましい感じもありますが、そういう時代かもね。
この辺は、なんとなくエコ的な?そういう展示が続いた。
あと、限られたスペースを、「限られた」ではなくて、「十分な」と捉える発想の転換からのデザインみたいな?
そしてまた、そういう土地の足りない都市空間で、いかに自然と共存していくのか、というような?
そうすると、やはり上に伸びるしかないのか、と。
どうしても、疑問符付きになってしまうのは、実際に見学しているときは、キャプションがあっても、タイトルをざっと見るくらいで、展示物に集中してしまうので、実は、コンセプトもわからずに、ふーん、という感じで流し見しているんですよね。
で、改めて、キャプションを読みながら見ていると、なるほど、とも思うのですが、どれがどうなんだろうということが、実はよくわからなかったりしてね。
でも、通してみていると、全体のトレンドみたいなものが、少しわかるような気はしている、という意味での疑問符。いい加減ですみません。
また、ジオラマ的な!
これ、楽しかったな。外見はこんななんですよ。
大きく開いていて、全体が見えるようになっているところと、こちら側の、小さな穴からのぞき込むようになっているところがあって、この小さい穴からののぞき込みが、楽しいんです。
街並みが見えたり、部屋の中だったり。細かい切り絵のようなのが、かわいいし、楽しい。どうしても、こういう細工物には、惹かれちゃう。建築云々を忘れて。
でも、建築って、モデルづくりとかするし、手先の器用さも重要なんでしょうね。大御所になれば、自分でやる必要はないんだけど、でも、やはり図面だけでは、素人は説得できませんもんね~。足りないから、引っ張って無理やりくっつけちゃえ、的ないい加減な作業しかできない私には、絶対無理な世界だな~。
と言いつつ、上の門扉のゆがみは、わざと?デザイン?
こんなのも、緻密な設計に基づいているのかな?ちょっといい加減さも漂うんですが。
これ見て、そういえば、子供の時、図工の時間に、こういう木のきれっぱし、要は割りばしみたいなもの使って、ミニ建築物作りをした記憶が、かすかに湧き上がってきました。
日本の学校教育はダメ、みたいな理論、近年常にあるけれど、でも、義務教育の中で、きちんと、体育も図工も家庭科もあって、それなりにいろんなことのベースを教われるって、すごいことだと思うし、こんなことまでやってたんだな、っていうのは、改めて、感心しました。イタリアなんかは、教科以外のことは、プライベートでやるしかないんで、だから、突出した専門家は出るけど、平均点は低いっていうか、そういう感じ。結果はいいけれど、つまり、本当に好きだったり、経済的に恵まれていたりしない限りは、なんとなく出会って、こういうこと好きだな、ってことが希薄な社会。
日本人にゼネラリストが多いのは、そういう結果でもあるかもね~。
こういうの、絶対ダメ。そして、こういうのを作れる人って、粘着質な感じがして、それもだめ。失礼ですが。
これが何だったか、まったく覚えてないけど。
このあたりが、ちょうど中間くらい。
一旦外に出て、一息。
この、前にある建物は、数年前から改装して展示室にしている場所ですが、毎年、展示スペースが広がっています。今回は、さらに広がっていたようですが、時間切れでパスしてしまいました。残念。
改めて会場に戻り、ふと見上げた天井。
すごい梁ですね。ここは相当何度も修復されているのでしょう。それでも、石の壁は、びくともしない。地震がないからこそではありますが、それでも老朽化する建物を、壊さずにずっと使い続けることで生かす、というのは、素晴らしいことだと思います。
ゆらゆらするメタルの針金状の上に、木片がたくさん。揺らして、木片同士が触れ合うと、木琴的なかすかな音がします。
お家の模型も並んでいるので、これもプロジェクトなんでしょうね。水上とかそういう特殊な土地のイメージなのかなぁ。
これはたぶん、Losing Myselfという展示だと思うのですが、実は、キャプションを読んでも、よくわからなかった。アイルランドはダブリンでの、アルツハイマーの人たちの居住ということでのプロジェクトなんだそうですが、過去も未来もなく、現在だけに生きているアルツハイマーの人たちの記憶を云々、というような説明が、なにかアルツハイマーについて、よく知らない私だからなのか、ちょっと違うのではないか、そういうもんではないのではないか、という気がして。
この、展示されているものが、いったいどういう役割を持つのかもわからないんですが、上から、ぶら下がっているスピーカーから、何か聞こえてきていました。何か、としかわかりません。
www.losingmyself.ieというウェブサイトに行くと、いろいろわかるらしいので、ご興味のある方は、どうぞ。
もう一回だけ続きます。
最近はまっている写真サイト。ロマネスク写真を徐々にアップしています。
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- 2016/10/15(土) 23:31:44|
- ヴェネチア・ビエンナーレ
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