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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

ロマネスク復帰へのプロローブとして、サン・マルコの間抜け面

2016ベネチア建築ビエンナーレ、その8(最終回)

なんか、疲れてきたな~、のころに、入ったスペース。ここの展示は印象的だった~。




薄い素材が、微風でフワフワしているのが、とっても優しい雰囲気を醸し出しているんです。
なんだろう、とよく見て、驚いた!




スーパーとかで使う薄手のポリ袋!それが、何百枚か何千枚かつなぎ合わされて、カーテンみたいになってるの。だからって、これが、実用建材にはならないんだろうけれど、でも、発想の転換みたいのがあるよね。

ずらずら系(?)では、これもきれいだった。




Christina Kim
Textile collection 2016
4 fields of color - ancient art, yellow, indigo, caracol/tyrian purple

お洋服のカバーが、まるで多色の色鉛筆箱のように並んでる。近くから見ると、どれ一つとして、同じ色、同じモチーフの布がないので、またびっくり。これだけの数を集めるだけで大変だろうなぁ。そして、色名が素敵。エインシェント・アートとか。




その先には、がらりと違う展示。




THE WORK OF SHIGERU BAN AND JAEEUN-CHOI
EXPANDING THE FIELD OF ARCHITECTURE
Humanitarian crisis, unconventional materials, and structual mastery.

日本人建築家、坂茂さん、お名前は知っているけど、たぶん、ミラノのフオリ・サローネとかで、何か見ていると思うけど、具体的なお仕事が浮かばない。

キャプションによれば、建築を災害復旧的分野に広げていることで、非常に著名で、災害時シェルター、避難所、倒壊家屋復旧、災害時プロジェクトなどで活躍している、とあります。
きっと、緊急時に、あるだけのもので、何をどうできるのか、というようなことを、建築視点からやられているんですね。東北以前からきっとされていたんだろうなぁ。
確かに大型災害時に、建築の果たす役割って、大きいし、重要ですよね。後もそうだし、もちろん、前もそうだし。
東北後に作られた、みんなの家のプロジェクトで、確か日本館は賞をもらいました。あれも建築の一つの力だけど、災害直後の住む場所がなくなった人々の住まいの問題というのは、本当はもっと深刻かつ必要なことなので、建築や建築家にできることは、きっとまだまだたくさんあるような気がします。
この夏、イタリア中部で地震が起こりましたが、避難所の様子を見ていると、どうしてもいろいろ考えてしまいます。
そういう意味で、そういった部分に注力されている建築家って素晴らしいです。




これで、ほぼアルセナーレのおしまい部分まで来ました。上の写真も、展示です。運河に開けた、ある意味一等地。

AN IMMIGRANT MARKET IN BELGIUM BY ALEXANDER D'HOOGHE AND ORGANIZATION FOR PERMANENT MODERNITY
Addresing immigration's civic (not residential) dimention

大量に押し寄せてくる移民難民の宿泊をどうするのか、という提起。これは、ヨーロッパの多くの国における、切実な問題です。
プレハブの簡易住宅的な構造物を提案しているようなんですけれど、この展示だけでは、具体的な居住性までは、よくわかりませんでした。




災害とか、難民問題とか。建築って、社会と、現在進行形ですごくかかわる分野なんですねぇ。視野が広がる気がします。

この先に、造船所時代の小ぶりなドッグがあり、その奥がイタリア館。




地味で真面目な展示が展開されておりました。
そのため、ほとんど写真も撮っていないのですが、これはかわいかったかも。




ピクトグラム的なものなのかな。無表情なのが、やけに愛らしい~。

というわけで、今回の建築ビエンナーレ、終了です。
帰りは、やはり歩きで、サンタ・ルチア駅に向かいました。いつもの習慣で、サン・マルコの前を通りながら、おなじみにご挨拶。




この子たちのいる一角は、中世初期の空気濃厚で、いつ立ち寄っても、観光客の巣窟でうっとうしいことを除けば、本当に好きな場所です。

観光客を避けるために、アップで撮影していて、ふと、頭に開いている穴に気付きました。




この子たち、もともとここにいたわけじゃないのは、確かですが、それにしても、この穴は…?今までも見ていたはずだけど、特に疑問に思ったこともなかったと思う。
みんな開いてるし、よく見ると、耳も不思議だね~!




何度も見ていても、ある日突然気づくことってあるもんだぁ、とちょっとびっくりでしたわ。
そういう意味では、こいつも。




サン・マルコ寺院の扉ですけれど、これも、ちゃんと見たことなかった~。
なんて、間抜けなの~?!
それも、四連発~!




かわいすぎやろ?(なぜか関西弁に~)

この人は、記憶にある。




でも、よく見たら、双頭どころか、四頭、ってか、なんつうの、これ?でも頭一つに身体四つだよねぇ。それは認識してなかったわぁ。

というわけで、次回はロマネスクに戻りますので、そのプロローグとして。
こんないろいろに今更気づいて、久しぶりにベネチア中世巡りもしたくなってきました。冬の間に、日帰りツアー、しようかなぁ。

では、次回からのロマネスク、お楽しみに。

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  1. 2016/10/16(日) 06:08:52|
  2. ヴェネチア・ビエンナーレ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

No title

息子の卒業式でダーラム大学に行った時、大きな木のドアの「ドア・ベル?」と言う感じで、このライオンの様な像を発見しました。

気に入って写真に撮って来て居ます。

もう少し威厳のある像でしたよ!
写真探したが見つからず残念です。
  1. 2016/10/18(火) 11:08:00 |
  2. URL |
  3. 古代遺跡めぐり<山下亭> #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

ダーラムって古い教会がある町ではなかったですか。でも大学だと、きっと18世紀以降のものになるでしょうから、こんな間抜けなライオンはいないでしょうねえ。笑。
これは、12世紀~13世紀のものと思います。サン・マルコは、いろいろ手が入っているので、意外ときちんと見てなくて、こうやって毎度発見があります。私はこの間抜けさが大好き。四連発はすごすぎ。というか、両扉で八連発。
  1. 2016/10/18(火) 21:58:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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