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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

これだけ同じポーズをリピートされると…。(トサルモロ2)

カスティーリャ・エ・レオン、その29

トサルモロTozalmoroの、サン・フアン・バウティスタ教会Iglesia de San Juan Bautista、続きです。今回は、本来の目的をチェック。




それは、この南側に開いている扉周りの装飾です。
この距離でも、すでにワクワク感が募ってくるような扉です。




タンパンに、一気にズームイン!




優しい石色、どのフィギュアも丸みを帯びた柔らかい表現、とってもほんわかとします。
中央には、聖母子です。変形だけど、周りを取り囲むのは、アーモンドなのかしら。




石の強そうな聖母。そして、まるで紅茶のポットカバーのような、どすこい的体系が、非常な安定感で、すっぽりと幼いキリストを守っていますね。
そして、ここでも、キリストの手に、聖母が手を添えています。前回の記事では、後陣の腕組み彫刻を三つアップしましたが、同じトレンドなんですよね。
アップにしたら、キリストが、何か挟んでいます。




それにしても、左手の位置、絶対無理!

聖母子の右側。天使二人と、聖人二人?いや後輩がないから、一般聖職者?




みんな、胸の前に手を置いています。一様に、何か持っている感じです。手のひらを外向けだったら、祝福ポーズなんでしょうけれど、内向きで抱え込む様子は、やはり意味があるんでしょうねぇ。ビザンチン的な?
それにしても、この翼!オレンジピールのような重量感と、それでいてとても固そうな…。




聖母子の向かって左側。




こっちも構成は同じで、二人の天使と、二人のフィギュア。あ、こっちの人たちは、後背を背負っているから、聖人ですね?ということは、右側にいる人たちは、やはり一般人か?

あ~、もう!絶対意味ある!すっごく訴えられている気になってしまいます。




ところで、この左側の写真で、タンパンを取り囲むアーキボルトの変な姿、気になりませんか?




にょろにょろっとね。軒送りに比べれば、そこらのトカゲとかヤモリを参考したフィギュアっぽくて、比較的普通な感じですけれど、聖人たちの上に置かれているから、やはりちょっと目立っています。

タンパンの下に並ぶ柱頭も、ちょっとウォーってなります。




右側のは、摩耗してます、結構。タンパンに比べると、ちょっと新しいテイストを感じますが、いかがでしょうか。ベースは同じだけど、何かちょっと違うみたいな。手は違うのかな。
左側。




こっちはもっと新しい感。でも、一番手前のは、やはり手を交差したり組んだり、後陣柱頭を模倣しているモチーフなのは明らかですよね。
なんといっても、ここで彫り物を施されている石色が好き。うっすらピンクで、本堂の建材とは違います。砂岩系ですかね?

この扉周りに加えて、どうやら内部にも素敵な柱頭があるようだったので、村の方に行き、玄関先のお掃除をしていた女性に、カギのありかを尋ねてみました。
その先の家よ、と簡単に教えてくださったのですが、いるかどうかわからない、と。ちょっと不思議でした。
その一角には、家が、彼女の自宅を含めて4,5軒隣り合っていて、そもそも村全体でもその三倍程度の家でしょうか。目と鼻の先の住人が、いるかいないかって、わかりそうなもんだと思うんですけれど。
ま、どうでもいいけど、と思いながら、教えられた家の玄関に回り込むと、犬が道端に~!犬は鬼門~!基本、怖い。こんな住宅地なんだから、大丈夫だろうけれど、怖いから仕方ないです。近づいてきたらお手上げなので、なるべく気づかれないよう、挑発しないよう、玄関口によりましたが、ぴっちりと窓も扉も閉まっているので、不在なのは明らか。
犬のこともあるので、思い切りよく、あきらめました。
実は、チャーミングな後陣と、想像以上に素敵なタンパンで、朝一番で見る教会としては、予想以上の収穫という気持ちだったんで、仲が見られないことがさほど辛くはなかったんです。

いないようでした、と先の女性に挨拶をして教会に戻り、別れの一瞥。




端から一つ一つ軒送り彫刻を確認して、村を後にしました。

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  1. 2016/10/19(水) 05:45:42|
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  4. | コメント:4
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コメント

No title

残念でしたね~いつか内部を見てみたい!
corsaさんは犬が苦手ですか?私は犬猫両方大丈夫です。ヨーロッパは圧倒的に猫が多い気がします。
素敵なフィギュア達ですね。本当にこういう場所の説明や本がないのが残念です。
近くにいるとあまり村人もその価値には気付かないのかしら。もったいないですね。
  1. 2016/10/18(火) 22:28:00 |
  2. URL |
  3. まーたん #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

手の彫り物は何か意味が有るのでしょうね?

「御心はわが胸の内にあり!」と、言う感じでしょうか?

信仰心の現れとは思うのですが・・・・・・
  1. 2016/10/19(水) 02:06:00 |
  2. URL |
  3. 古代遺跡めぐり<山下亭> #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

> まーたんさん
中にも素敵な柱頭彫刻があるようなので、またいつか行ければ、と思いますが、さてね。
村では、この教会、普段使いにもしてない感じでした。扉のところ、思いっきり蜘蛛の巣はってたし。村が小さいから、ミサも、隣町に行ったりするのかもしれません。
犬、苦手なんです。かわいいと思いますけれどね。最近は、どこでも野良犬が減って、ほっとしています。飼い犬でも怖いですが、野良犬は、冗談にならないですからね~。
  1. 2016/10/20(木) 22:07:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

山下さん
意味があると思うんだけど、いずれにしても、これだけ畳みかけるように置かれると、なんか圧倒されてしまいます。この石工さん、思うところがあったんだろうなぁ、と。でも、それを汲めない自分…。寂しい!
  1. 2016/10/20(木) 22:09:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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