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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

やはり販売員は熱くないと!

秋のグラッパ合宿、ピエモンテ3

週末は、ロンドンから友人が来ていて、食い倒れ飲み倒れの日々を過ごしてしまって、間が開いてしまいました。確かに、イタリアはおいしい、と再確認した次第。そして、やはりロンドンに比べると、レストランのお代も、安いようです。ミラノ価格は、私には高いですけれどね。

さて、グラッパ合宿、続きで、今回は、前回に引き続き、カザーレ・モンフェッラート近辺にあるもう一つの生産者さんからです。




ロシニャーノ生産組合蒸留所
Distilleria Cooperativa di Rosignano
Cellamonte Monferrato (AL)

地域のワイン生産組合の向かいにある、とても小さな蒸留所です。
下が、向かいにあるワイン醸造所。




そういう場所ですから、ちょっとお役所的な感じで、対応してくださった方は、感じ悪いということはないのですが、特に一所懸命売ろうとするわけでもなく、おいしさを熱弁するわけでもなく、「なんですか」みたいな…。

尋ねる以上、落語じゃないですけど、葬式に来ているわけでもなく、グラッパを求めてきているのは明らかだと思うんですが、そういう対応されると、困惑します。
こうやってちゃんと試飲コーナーもあるんですけれどね。




何を求めていますか、と言われても、来たのも初めてで、どうしたらよいのやら。とりあえず、ビアンコをお願いして、結局数種類試飲させていただけましたが、もうちょっと売る気持ってもいいと思います。

これは普通においしいと思った、樽でちょっと寝かせた1本をいただきましたが、安くてびっくり。




同行者は、思わずブランデーも購入していました。コスパはめちゃめちゃいいです。ただし、この場で飲んでおいしいと思っても、ずいぶんたってから家で開けてみたら、あれ?これ、なんで買ったんだっけ?と思うこともしばしばありますので、本当のところはわからなかったりするんですけどね。

宿に移動する前に、途上にある店に立ち寄りました。




クアリア蒸留所
Antica Distilleria Quaglia Srl
Viale Europa 3
Castelnuovo don Bosco (AT)

かなりコンパクトな蒸留所で、生産のピークであるこの時期、中庭は、足の踏み場もない状態、箱詰めでいっぱいでした。




店内は、伝統的な蒸留所そのまま。とにかく何でも蒸留します!というスタイルで、リキュールが、びっくりするくらい並んでいますし、グラッパの種類も半端ありません。




しかし、対応してくれたのが、娘さんだったのか、あまり詳しくはなくて、丁寧な対応ではありましたが、残念ながら、今一つ物足りない。




そして、肝心の商品も、スモーク臭のあるものや、数種類の樽に順番に詰め替えたものなど、やけにいろいろトライアルしている割には、どうもしっくりこない。特に樽に入れているリゼルバでも、樽の香りが全くしないのには驚き。リゼルバでこういう無臭、というか、年月も何も感じさせない、正直面白みのない製品は、シボーナに続いて二度目。

結局、コスパがいいような気がしたので、ビアンコ二種を購入。




ロンドンから来た友人に、締めは是非グラッパで、と、グラッパ・ラブを熱く語りつつ、次々とため込んでいるコレクションを開栓したのですが、その中の一つが、ここで購入したアルネイス(上写真の右側)。
というのも、確か去年、件のシボーナで購入した、アルネイスがいたくおいしくて、最近のお供だったのですが、友人に試飲させると、これはおいしい、と彼女も絶賛。で、ついでに、飲み比べをしてみよう、ということで、いそいそとこちらを開栓したのですが、残念ながらがっかり。シボーナののアルネイスは、確か賞も取るなど、一般的評価も高い品物だったので、ある程度の差は予想していましたが、あまりにも大きな差でした。

アルネイスは、その前年に購入したベッカリスでも非常においしかったので、ブドウ種として、グラッパに合っているし、おそらく私の好みだと思っていたのですが、同じブドウ種だからと言って、必ずしもおいしいわけではないという、おそらく当たり前のことが、よくわかりました。

先ほど書いた、「家で開栓してびっくり」を実践したわけです。

この日はこれで終わりですが、翌日第一弾は、おなじみの蒸留所へ行きました。




マローロ蒸留所
Distilleria Marolo
Frazione Mussotto (AL)

到着したとき、すでに5,6人のグループがいて、これから蒸留所見学をするけど、参加しますか、ということで、見学はいつでも楽しいので、合流させてもらうこととしました。今回も、オーナー家族は見当たらず、前回もお世話になったお兄ちゃんが、ガイド役。

頑張っているので、待遇もよくなったのか、はたまた本人がやる気になったのか、これまでになくシャキッとした感じで、スタイルもやけにオシャレになっていて、人は変わるものよのぉ、と面白く思いました。失礼ですが。




今や生産たけなわですから、ブドウの発酵臭が漂い、活気のある工場は、なんだかワクワクする空間です。
グラッパの原料となるブドウの搾りかすの積んであるバックヤードに行くと、お客さんらしい人と、熱心に話し込んでいる三代目、発見。




この後、すれ違いざまに、挨拶ができて、嬉しかったです。名前までは知らないまでも、毎年定期便で行っていますから、顔も覚えていてくれて、なんとなくうれしいもんです。
今回は、帰りに、生産を二代目がやってくださって、彼とも久しぶりにお話ができました。

蒸気でアルコールを抽出する筒形機器が見えます。




そして、主のように工場を駆け回る、マローロ家の愛犬。




見学の説明の間中、見学者の足元にじゃれまくりで、楽しそうでした。お客さんの多い環境にいると、犬もすっかり人慣れして、こうなると、犬が苦手の私も大丈夫。かわいかったです。これまでは見たことがないから、ニューフェースなのかな。

成長した販売員君、後も立て込んでいるというのに、見学の後、びっくりするくらいじっくりと試飲させてくれました。我々以外の見学者他紙は、ほとんどグラッパ初心者風だったし、きっと適当に二、三種類で終わりにするんじゃないか、と思っていただけに、その太っ腹ぶりに感心しました。さすがマローロです。

デイリーに飲むものは、売るほどあるので、できればちょっといいものを購入しようと思っていたところ、その「いいもの」までも、かなり試飲させてもらえました。




でも、長期樽詰めの逸品は、思ったよりもずっとずっと高くて、予算的に無理…。
ということで、今回は、新作を購入しました。




新作3本組。Facebookでフォローしているのですが、事前にこの新作の記事は見ていて、とても興味があったんです。試飲したら、おいしい~!特にお兄ちゃんの勧めの二本がよくて、それを購入。




マローロらしく、ラベルも箱もかわいいし、ボトルも三角形をしていて、チャーミングなんですよ。それぞれ、二種類の樽に詰めたもので、複雑な香りを持っています。とてもエレガントで、かつ飲みやすい。しかし、これまた飲むのがもったいないタイプのボトルです。

続きます。

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  1. 2016/11/22(火) 07:00:28|
  2. グラッパ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:6
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コメント

No title

隣のジュラ州にはDamassineの蒸留酒が有名で
家にありますが、もったいなくて飲めません
キルシュ(サクランボ)とか林檎とかジャンシャン
(何かの植物の根)とかミラベルとか個人の人が
蒸留したものをもらっていたので偶に飲みます。
杏の御酒もあるけれどこれはまだ開けていません!
コーヒーを飲むときに一緒に少し飲んだりしますね!
  1. 2016/11/22(火) 00:13:00 |
  2. URL |
  3. Atsuko #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

素敵ですねー犬は私が実家で飼っていたワンコそっくり(≧∇≦)!
愛想の良さは世界一だと思いますよ、そのワンコ。(≧∇≦)

ボトルとラベルが素敵ですね!
ミラノもロンドンも物価は高めですよね。日本は相変わらずデフレ一直線。アベノミクスなんてアホノミクスだと書いている人も沢山います。日本人、安倍総理を本当に信じているのかなあ?私個人は全く信じていないんだが(≧∇≦)。
販売も営業も向かない人いますよね(≧∇≦)。

あのね、西武新宿線の中井駅の真ん前にあるビルの二階にものすごく美味しいタイ料理のお店があるんですよ!本当に美味しいの。だけどお店の人がものすごく無愛想で、最初怖かった(≧∇≦)。

いつかcorsaさんと行きたいな~(≧∇≦)。
  1. 2016/11/22(火) 02:54:00 |
  2. URL |
  3. まーたん #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

蒸留所めぐりは結構楽しい物ですよね?

私はスコットランドのスペイサイドと言う地域で住み込みで、ホテル仕事をした事が有る時に、休日に蒸留所巡りを致しました。

スペイ川沿いは鮭釣りとウイスキーの聖地!と、かの開高健氏が称賛した地です。

車で走れば有名ブランドのスコッチの蒸留所がたくさん有りましたよ!

興味が在ったら・・・・覗いてみて下さいね。
http://blogs.yahoo.co.jp/kodaiiseki2000/folder/1772411.html
  1. 2016/11/22(火) 04:22:00 |
  2. URL |
  3. 古代遺跡めぐり<山下亭> #79D/WHSg
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No title

> Atsukoさん
北では、果物の蒸留がさかんですよね。イタリアでは、北東部は、果物蒸留大好きで、春の合宿では、果物ばかり飲んできました。
とっても大事にとっておいたいくつかを、先週末一気に開栓したのですが、おいしい~!もったいないので、ちびちび飲まないと、というところです。
お手製の蒸留酒、おいしそうですね。
  1. 2016/11/22(火) 23:17:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
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No title

> まーたんさん
タイ料理、行きたい~!アジアの料理は、基本的に好きですが、こちらではなかなか食べられないし!
今度の一時帰国は時間がなくて、難しそうだけど、次回は、是非!って、2018年の話。鬼が大笑いしてる~!
  1. 2016/11/22(火) 23:18:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

> 山下亭さん
急ぎ足で、拝見しましたよ~、素敵~。
実は、合宿同行者の一人が、かなりウィスキーにははまっていて、いつか行きたい、とは言っているのですけれどもね。ただ、スコッチとなるとお高いので、こんな気楽な合宿はできそうもないですけれど。
私は、スコットランドの田舎は行ってみたいので、左ハンドルだったら、すぐにも行くんですけれど、それがネックなんです。
素敵な時間、過ごされて、うらやましいです。
  1. 2016/11/22(火) 23:20:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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