秋のグラッパ合宿、ピエモンテ、おまけ食事編2
お食事編の続きは、宿泊したアグリツーリズモです。
Agriturismo La Mussia
Via Opessina 4, Castelnuovo Calcea
www.lamussia.it
街道を外れて、牧草地を進んだどん詰まりにある、典型的な農家のつくり。アグリツーリズムとしては、かなり大きな方だと思います。
宿泊に加えて、ここでは夕食もいただけるということで、宿泊した二泊とも、朝晩ともにお世話になりました。
上が宿泊棟で、下が、オーナーさん宅兼レストランです。
私の泊まった部屋からは、放牧場が広がり、一日中、カウベルが聞こえるのどかな環境です。
夜は、息が白くなるほどに冷え込みましたが、牛たちは、夜も放牧されていたので、びっくりでした。カウベルがうるさいかも?と思ったのですが、さすがに夜は、牛たちもじっとしているのですね。夜中は窓を開けてもシーンとしていて、夜明けごろから、徐々にかすかなカウベルの音が聞こえるようになりました。
牛、意外と寒さに強いのかしら。
お食事は、ほとんどすべて地産地消、というより、キロメトロ・ゼロ(0Km)と言った方が正しいのかな。裏の畑から積んできた野菜、自分ちの牛がマテリアル。
最初の夕食は、ソフト・サラミから。ワインは、アグリツーリズムのラベルで、これも自分のブドウで作っているようでした。
トマトのブルスケッタ。
パスタはラザーニャ(フォトジェニックじゃなかったので、写真割愛)、メインは肉の煮込みとラタトゥイユ。
これも、見た目はいかにも家庭料理でなんですが、やはりとれたて野菜だと、ラタトゥイユも激うまなんですね~!全然違います。
デザートはピエモンテ特産、これも、この土地に来たら必ずいただくブネ(チョコレートのババロワみたいな家庭のお菓子)。これも、写真は割愛。おいしかったですよ。
ブドウを作っているくらいですから、搾りかすもあるわけで、グラッパも自分のラベルでした。でも生産は、我々におなじみのベッカリスに委託しているもので、当然、おいしかったです。
翌日の夕食も、違う種類のソフト・サラミで開始。
この、柔らかいフレッシュなサラミは、生産地でないとなかなかいただけないものです。脂肪も多いし、決して健康に最適な食べ物ではないと思いますが、脂肪があるからこそおいしいんですよね。たまにはいいでしょう、とついいただいてしまいます。
この日は、生肉も出ました。
前菜だからちょっぴり。このくらいが、一番おいしく食べられる量ではないかと思います。ちょっとお代わりしちゃいたいな、でも、後ろ髪惹かれながらも、後を考えてやめようかな、みたいなところで。
そして、これまたピエモンテ伝統家庭料理バーニャカウダ。
黄色ピーマンにアツアツのバーニャカウダ・ソースがかかっております。
これは、あんまりおいしくて、ついもう一つお代わりしちゃいました。野菜だし!
そして、ミラノに帰ってから、バーニャカウダにトライしたのですが、簡単ではないことが分かりましたね~。レシピも見ないで、いい加減に火にかけてみたのですが、なんか、全然違うし、びっくり。シンプルなものほど、きっちり作らないとダメっていうやつですね、きっと。
この日のパスタは、タヤリン。
タヤリンは、極細の手打ち卵パスタ。おいしいタヤリンは、細くて薄くても、もちもちっとした食感があって、おいしいんです。ここの、おいしかったです。
メインはお肉でしたが、前日とあまり変わり映えせず、見た目も味も、いまいちだったかな。
デザートも手作りで、家庭料理感があふれる一皿で、悪くなかったです。
ただし、この夕食、全部こみこみ(ワインも水も)とはいえ、一人30ユーロだったので、ちょっと高いな、という印象です。内容は決して悪くないですが、感覚的には20ユーロ。25ユーロだったら、ちょっと高いけど許容範囲、と思いましたが…。
チェックアウトのときに知って、一瞬、え?ウソ?と純粋にびっくりしました。
今、二代目のラウラさんという方が経営しているようなのですが、外人客も多いし、彼女は英語もキチンもしゃべるし、経営力にたけている方と見受けました。確かに、ドイツや北欧から来れば、この値段は、高いどころか、というレベルと思いますので、マーケティングしっかりしている印象ですが…。ちょっと複雑。
ただし、朝ごはんは、おすすめ。夕食よりもサプライズ感がありました。
チーズの種類が豊富で、さすがピエモンテ、と思わせるバイキング。その上、ラウラさんが、テーブルを回って、卵を進めてくれます。
食堂の一面がオープンキッチンになっていて、そこでお母さんが注文に応じて、いり卵やフライドエッグを作ってくださるんです。
出来立てアツアツを持ってきてくれるサービス、茹で卵が置いてあるよりも、数段嬉しいですよね。コーヒーも、同じガスコンロで、巨大マッキネッタを使って、次々に入れているのが、家庭的で好感度高かったです。
そして、このアグリツーリズムを、私の主観的に非常にフレンドリーにしてくれたのが、この子!
保護色になっちゃって見えにくいですが、生後半年くらいの子猫ちゃん。
信じられないくらい人懐っこくて、肉球まで触らせてくれるし、決して爪を立てないの~!こっちが対応すれば、いつまででも遊んでくれるんです。もうべろべろ。
他にも猫はいたのですが、大人の猫はツン、としてました。
そして、ミルキーちゃんだったか、犬も。
この子も、結構大型犬ながら、大変良い子だったので、慣れましたけれど、私が猫と遊んでいると、どうやら嫉妬して、猫をいじめに来るんですよ~。
これも保護色になっちゃってますけれど、いじめから逃げて、テーブルの脚に隠れている子猫ちゃんです。
この猫は、出発するときも、にゃーん、と寄ってきて、もうお持ち帰りしちゃうぞ~!というくらいの愛らしさでした。いいなぁ、猫飼える人。
そんなこんなで、最終的には印象の良い宿ではありましたよ。夜、わざわざレストランに移動しないで済むと、ゆっくりできる良さもありますしね。
最後に、おまけのおまけで、マンタの城Castello della Mantaのフレスコ画を。
美術史を勉強している同行者が、どうしても行きたい、ということで、ご一緒したお城。
中世起源のお城のようですが、かなり下る時代まで居住城として使われていたらしく、構造的には中世の秘密っぽい雰囲気はなくなっていて、テイストとしては、私の興味の範疇外でしたが、この大広間のフレスコ画は素晴らしかったです。
ということで、この秋のグラッパ合宿も大成功でした。
次回は、来年春。通常なら東部(ベネトやフリウリ・ベネチア地方)の番ですが、ちょっと趣向を変えて、ということになりそうです。どちらに行くことになりますやら、お楽しみに。
最近はまっている写真サイト。ロマネスク写真を徐々にアップしています。
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- 2016/11/29(火) 06:44:23|
- イタリアめし
-
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| コメント:8
壁画が美しいですね!
先日、TVで個人所有の、お城の壁画の修復をしている
ルポをみましたが、、、壁画の修復って
憧れています!
修復はやはりコツコツ派ですよね!
どんな絵具を使っているのか興味がありますが
ちょっとビックリで水彩でした!
中世だとテンペラかと思いましたが、、、
ここの壁画はどんな絵具でしょうか?
- 2016/11/29(火) 16:05:00 |
- URL |
- Atsuko #79D/WHSg
- [ 編集 ]
こんにちは
グラッパ合宿 楽しみながら読ませていただきました。
いい景色 うまいグラッパ そしてイタリアご飯
いいなあ
今年も楽しい合宿ができて良かったです。
- 2016/12/01(木) 03:44:00 |
- URL |
- ガビィ #79D/WHSg
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> 山下亭さん
お城の構造はあまり面白みがなかったですが、この壁画は、修復からあまり間がないようで、本当に美しく輝いていました。
紋章!そうですよね。特に面白かったのがディテールで、私は衣装やその織のモチーフ、身に着けている小物に注目していたのですが、紋章も面白いですね。さっすが、目の付け所が!
- 2016/12/01(木) 22:35:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
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> Atsukoさん
いくら飲み放題でも高いですね~。二代目はやり手だと思います、笑。
修復って、私も昔あこがれて、学校に行こうかと考えたことがありました。でも、よーく考えると、ちまちまコツコツの手作業は好きですが、あの修復の作業が好きかというと、どうなんだろう、と思って、あっさりやめました笑。
イタリアは、修復先進国と思うので、あの時思い切って、学校に行っていたら、まったく違う人生だったんだろうなぁ、とかすかに思うことはあります。
ところで、絵の具ですが、そういう技術的なことは、残念ながら、まったく無知です。フレスコ画って、そもそも漆喰の上は、どういう絵の具を使うのか、それすら知らないことに気付いたくらいです。
これ、ちゃんと調べたいと思います。修復、というよりも、オリジナルの絵の具。
よい質問いただき、ありがとうございます。
- 2016/12/01(木) 22:39:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
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ガヴィさん
お久しぶりです~!
コメントありがとうございます。
ガヴィさんには、是非イタリアに戻って来ていただいて、おいしいご飯をご一緒したいものです!
- 2016/12/01(木) 22:41:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
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