fc2ブログ

イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

斬首と言われても、なんて可愛い…(ヴィコピサーノ)

モンテピサーノ・ロマネスクその12

いよいよ、モンテピサーノ自慢のロマネスク。まずは、ヴィコピサーノVicopianoです。

比較的大きな街道をそれて、対抗二車線の田舎道を進むと、突き当りといった場所にあるのが、この町。左手の丘の上に、城砦が確認される、典型的な中世起源の町です。




参ったのは、お祭りなのか、単にイースターの週末だったからなのか、車があふれていて、町の手前に設けられた駐車場はいっぱい。結局、相当離れた場所の路肩に何とか隙間を見つけて、やっとの思いで駐車しました。とはいえ、こういう田舎だと、駐車どこでも無料で、禁止もされていないので、運転技術に難あり、の私には、大変助かります。




10分近くも農道のような道を歩いて、町に戻りましたが、その間も、駐車場所を探す車が次々と来るし、人々の行きかいも激しかったので、やはり何かイベントがあったのでしょう。

町の入り口に戻ると、すぐ目的の教会です。




サンタ・マリア・エ・サン・ジョバンニ・バッティスタ(聖マリアと洗礼者ヨハネ教会)Pieve di Santa Maria e San Giovanni Battista教会。
奥の方のちっこいやつ。
手前のは、もしかして、ゴシック以降に後付けの修道院とかでしょうかね。今は何かの施設に使われているようでしたが。

それにしても、気持ちの良い空間です。前に広がる緑で、子供たちがのびのび遊んでいるのも、いい感じですよね~。

そして何より、遠くからでも、ピサ様式の教会の美しさ、光っています。




ピサ様式の基本を押さえた、非常にすっきりとした装飾も好ましいです。なぜ、ピサ様式、こんなに好きかなと思いますが、おそらく、そのデザイン性とか、シンプルな装飾性なのかなぁ。アーチとつけ柱と、ひし形彫りこみ。うっとりします。

全体に、修復と後付けの再建が幅を利かせている様子もありますが、ピサ様式の場合、そういったものが、嫌らしくなったりしないし、オリジナルをあまり邪魔しないような気がします。




そして、ここに来た最大の目的は、なんとファサードにありました。




この浮彫!
これをどこかで見て、モンテピサーノ、行かねば、と思った浮彫です。
ファサード、向かって左端に、結構大きなサイズではめ込まれていました。
解釈はいろいろあるようなのですが、教会が捧げられている洗礼者ヨハネの斬首の場面、というのが、最もありえそうな説。
中央の人物が長衣で、両側が短衣なので、民族争いとか、権力争いとか、そういう解釈もあるみたいです。
いずれにしても、血なまぐさい様子はします。が、それよりなにより、ロンゴバルド風の不思議な表情や、縮尺の大きく狂った腕の長さとか、そんなのが、すっごく好き~!

これを実際に見られただけで、すでにすごい達成感を得ましたが、もちろん、これ以外にも、見どころはたくさんある教会です。

例えば、北側の外壁。




南側は、お隣の建物が迫っていたりして、アクセスもできないのですが、道に面したこちら側の壁では、軒送りの装飾がずらりと。
朽ちたりもしているんですが、アーチの根元と、アーチの下に、いろいろなモチーフの彫り物が飾られています。




最近お目にかかっていない、お干菓子文様、またはビスケット文様!




農耕馬っぽいフィギュアに、溶けようも激しい人物フィギュア。
素朴な彫り物ばかりで、先ほどのファサードのすっきりした浮彫とは全く違う手です。こっちは、地元の石工さん作かな。

勢いで裏側にも回ってみたら、後陣は、まるで人の家に入り込むようにしてしか、見ることができませんでした。





ぎゅうぎゅう詰めになっています。よくぞここまで詰めて建てちゃったよね、という状態ですが、それでも、本来の形を取り崩すことがなされなかったことを感謝です。

入場!




とてもシンプルな作りで、石の質感と、すっきりした装飾が、ファサード同様に印象的。おそらく、柱は、再利用の品ばかりで、一本一本が異なるスタイルなんです。実は、そういうの、すっごく好きで。




柱頭も、同じでしょうね。だから、いろんな時代の、いろんなアーカンサスが並んでいて、それもまた趣があります。
出自も時代も違うものを再利用するために、下駄をはかせたり、削ったり。考えたら、結構壮大なエコ。
ロマネスク時代のものと思われる柱頭は、いずれも植物モチーフの、大変デザイン的なものでした。




単純でつまらない、と思われる方もおられるかもしれませんが、これだけシンプルですっきり彫るのって、かえって大変なような気がします。




余白の始末も、結構大変だと思うし。ローマやギリシャ風のアーカンサスは、余白を埋め尽くす、という意味で、西洋美術の近代に通じる、余白怖がりトレンドを感じますが、この余白すっきりは、どうでしょう。技術の問題もあったのでしょうが、美意識の違いっていうか。

壁には、うっすらとフレスコ画も残っています。時代はちょっと後ですね。




モンテピサーノ・ロマネスクの素晴らしさ、ちょっとはお伝えできているでしょうか。

おなじみのロマネスクは、こちらへどうぞ。
ロマネスクのおと

ブログ・ランキングに参加してます。よろしかったら、ポチッとお願いします。


にほんブログ村 美術ブログへ(文字をクリック)
ブログ村美術ブログ


にほんブログ村 海外生活ブログへ(文字をクリック)

最近はまっている写真サイト。ロマネスク写真を徐々にアップしています。
インスタグラム
スポンサーサイト



  1. 2016/12/24(土) 23:50:21|
  2. トスカーナ・ロマネスク
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<単なる間違いか、それとも?の左右非対称(カシーナ) | ホーム | 道は複雑だけど(たぶん)、人々の親切がしみわたる土地(カパンノリ)>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
https://notaromanica.blog.fc2.com/tb.php/1682-f74c53ee
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)