モンテピサーノ・ロマネスクその14
カシーナCascinaの、サン・マリア・アッスンタ・エ・サン・ジョバンニ・エバンジェリスタ(聖マリアと福音書家聖ヨハネ)教会Chiesa di Santa Maria Assunta e San Giovanni Evangelista続きです。
中に入ります。
ここも、基本はすっきりシンプル。装飾はミニマムです。
後陣は、真っ白の漆喰塗りたくりで、ちょっと残念な姿になっていますしね。
全体に修復及び再建の様子が著しく、期待できないなぁ、と思いつつ、柱頭をチェック。
柱頭そのものは、なかなか味がありますが、上も下も、すっきりと新しすぎ、ですよね。
でも、あきらめずに、目を皿のようにして宝探しをしていると、やっぱりありました!
側壁に、さりげなくくっついているのは、かつてどこにどうやって置かれていたものやら。なんとも言えない愛らしい動物のフィギュア。
角っこは、これ。
堅そうな石だし、これが精いっぱい、という感じの彫が、何とも愛らしいです。
アーカンサスモチーフ中心の柱頭は、それぞれ、なかなかのものですが、全体の雰囲気は、ちょっと残念かな。あまり手が入ると、どうしても雰囲気が損なわれますけれど、でも、現役教会であるためには、仕方ない部分もありますね。
ちょうど12時ごろ、見学終了。まるで、事前にきちんと図ったかのようなスケジュールとなりました。
ここでランチにする選択肢もあったのですが、時間的に余裕があったので、次に向かうことにしました。目指すは、カルチCalciです。
私が到着したとき、なぜか村の中に入ることができなかったのですが、近くに駐車場を見つけることができたので、事なきを得て、すぐに教会に向かいました。
サンテルモラオ・エ・サン・ジョバンニ教会Pieve di Sant'Ermolao e San Giovanni。
後ろからアクセスすることとなりましたので、まずは、ここでも、巨大な塔の姿に、びっくりすることとなりました。
はやる気持ちで、ファサード側へ。
というのも、ここは、ファサード側の写真を事前に見ていて、すごく気になっていたんです。
!!!
わかるかなぁ。写真だと、この衝撃は、きっと伝わらない…。
何が衝撃かというと、この写真だと、濃いグレーにしか見えない石、実際には、相当青とか紺に近い色なんです。
カシーナでも、白石と合わせてはめ込み装飾に使われていた色、どうやらオリジナルは、黒というよりも紺。激しく印象的なんです。
そもそも、地の砂色に白だけでも、かなりのインパクトなのに、この紺色は、すごいコントラストです。
加えて、この、横に伸びたスタイルがまた、印象的。横に長く、どこまでもアーチを続けて、永遠の表現になるのでしょうか。執拗な表現ですよね。好きです、ここ!
だってね、さらに、改めて後ろに回るとね、もう泣きたいくらい好きなものが!
おわぁ~!(意味不明)
どひゃぁ~!
ぎゃぁぁ~!
まだあったぁ~!
もう、ぜえぜえ、興奮しちゃいましたよ~!
こんなにかわいいものたちが、この、何の変哲もない地味な後陣のあちこちに、さり気にはめ込まれているんです。
これって、宝探ししないと、当たり前のように、無視して通り過ぎちゃうような後陣、というか、あえてきちんと見たい気にさせてくれる後陣では、絶対にないですよね。
でも、結果としては、あきらめちゃいかん!現場主義は、観察が大事!と思わせてくれる後陣。いや、嬉しかったなぁ。
期待していたファサードは期待以上。さらに、予想もしていなかったロンゴバルド風彫り物に出会えるなんてね。
続きます。
最近はまっている写真サイト。ロマネスク写真を徐々にアップしています。
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- 2016/12/28(水) 05:16:52|
- トスカーナ・ロマネスク
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| コメント:2
全体としては地味なのですが、石の遊びとか、ちょっとした彫り物に、面白さが見つけられる地域です。
どこもとても田舎で、観光地でないのも、なかなかよいのですよ。ぜひいつか、遊びにいらしてみてください。
- 2016/12/29(木) 22:21:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
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