fc2ブログ

イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

素人でも思わず瞑想しそうになる究極の回廊!(サン・ファン・ラ・ペーニャ2)

2015.07.スペインの旅、アラゴン編、その9

サン・ファン・ラ・ペーニャSan Juan de la Penaの修道院Monasterio、続きです。




細いのぼりの車道からも、かすかに垣間見える回廊へ、いざ、というところですが、それにしても、改めて見ると、この修道院の立地、異常ですよねぇ。
写真だと、よくわからないようにも思うのですが、後ろの茶色いのは、岩山です。その下側を、一部くりぬいた感じで、無理やり修道院の建物を押し込んでいるんですよね。
なにも、ここに無理やり作らなくても、もう少し登れば、今新しい修道院の建っている平地も広がるのに、なぜ、無理やりここにしたのか。
伝説とかはあるにしても(ミラノ近郊のチヴァーテCivateなどもそうですが、権力者が狩の最中にけがをして云々、なんていうお話はつきものです)、でも、きっと確かな理由はあるはずですよね。こんな不便で、建設も大変な場所なんですから。ここに限って、水が出たとか、そういう話かしらね?

まぁそういうことは置いといて、教会を通り抜けて、回廊に出た時は、やはり、なんというか、想像以上の感慨はありました。




写真ではたくさん目にしていた風景が、そこに広がっているわけで、それも、半端なく異常な風景なわけで、ぐっとくるものがあります。




やはり最初は、覆いかぶさるような岩と、弱弱しい中世の人口建造物である回廊との対比というか、スケールに気持ちが行ってしまいます。
自然を前にしたときの、人造の建造物のあり方というのか。やはり小さいですよね。繊細だし、存在として、まったく自然に対峙できていないイメージ。
ところが、場になじんでくると、その視覚が変わってくるとでもいうのか。




卑小で弱弱しいけど、でも頑張ってるじゃん、みたいな。本当にそういう状態なので、応援したくなるっていうか。




あれ?もしかして、ここにこういう場所を作ったのって、そういうのもあるのかな。
考えちゃうよ、どうしても自分の卑小さを。
岩に押しつぶされそうな回廊を回る。ふと、目を上げると、こんな風景が広がる。




そしてまた、瞑想しながら、回廊を歩く。
いや、これは深い!




私は別に信者でもなく、現地でそれほど深く瞑想したわけでもないですが、それでも、実際に現場に身を置くってそういうことですね。考えるよ。

実際は、柱頭をいかにうまく撮れるか、なんていうことに注力して、結構煩悩の塊時間の方が長かったですけどね。
というわけで、柱頭は次回ドバっと。

おなじみのロマネスクは、こちらへどうぞ。
ロマネスクのおと

ブログ・ランキングに参加してます。よろしかったら、ポチッとお願いします。


にほんブログ村 美術ブログへ(文字をクリック)
ブログ村美術ブログ


にほんブログ村 海外生活ブログへ(文字をクリック)

最近はまっている写真サイト。ロマネスク写真を徐々にアップしています。
インスタグラム
スポンサーサイト



  1. 2017/02/11(土) 07:36:03|
  2. アラゴン・ロマネスク
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:6
<<恐るべし目力(サン・ファン・ラ・ペーニャ3) | ホーム | 坂道にめげて、よかったこともある!(サン・ファン・ラ・ペーニャ1)>>

コメント

No title

おはようございます

素敵な場所ですね
  1. 2017/02/11(土) 01:20:00 |
  2. URL |
  3. poetryfish9 #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

わあ~すごい場所!イタリアにも岩に住んでいる場所がありますよね。洞窟だったかな?
この場所にワクワクしてって理由あります?(≧∇≦)
面白いからココに作ろうよ的な(≧∇≦)。
戦争もあったのにこういう場所がちゃんと保存できて奇跡ですよね。
  1. 2017/02/11(土) 23:51:00 |
  2. URL |
  3. まーたん #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

> poetryfish9さん
とっても不思議な場所なんですよ。瞑想にはもってこい。
  1. 2017/02/12(日) 22:41:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

> まーたんさん
かなり近年まで住んでいたのは、マテラですね、南の方にある。
ここは、修道院だから、隠遁目的。そもそも山の中だし、岩山一部くりぬきって、すっごく自虐的な感じ。笑。ここだったら、間違いなく瞑想できる。ってか、それしかない。でも修道院って自給自足していたはずだけど、ここで畑とかやるの、すごく大変だったのでは、と思います。
  1. 2017/02/12(日) 22:43:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

ここの修道院の写真はサンチャゴ巡礼の本で見たことがあります。
8~9世紀にはピレーネ一帯をイスラム勢力が制圧していたので
山の中に修道者達が逃れて祈りと瞑想にふけっていて、、、
10世紀にはこのような建物が造られて、キリスト教徒達の信仰のシンボルになっていたそうです。

一度は見学に行きたいところですね!

写真にナイス・ポチ!
  1. 2017/02/14(火) 17:56:00 |
  2. URL |
  3. Atsuko #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

> Atsukoさん
是非いつかいかれてください。
本当に隠遁的な場所で、修道院の時代に、どうしても思いが行ってしまいます。カニグーとかこことか、世間との隔絶があまりにすごい場所は、その分の魅力が、特に現代では感じられますね。
観光地化したとはいっても、カニグーよりも、圧倒的に訪問者は少ないので、瞑想も可能です。
  1. 2017/02/14(火) 22:58:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
https://notaromanica.blog.fc2.com/tb.php/1699-d19944fc
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)